9/4~9/7 [配信] Detroit Jazz Festival 2020

閲覧回数 2,395 回


Photo & Text by Tak. Tokiwa, 常盤武彦

スライドショーには JavaScript が必要です。

毎年アメリカの夏の終わり、9月最初のレイバー・デイ(労働者の日)・ウィークエンドに開催されるデトロイト・ジャズ・フェスティヴァル。世界最大の無料で提供されるこのフェスティヴァルは、例年、金曜の夜のキックオフ・コンサートから月曜の夜まで、4つのステージと深夜のマリオット・ホテルで70を超えるコンサートが開催され、30万人にも及ぶ観客を集めている。しかし今年はコロナウイルス禍で、ヴァーチャル開催を余儀なくされた。本来のスケジュールである9月4日(金)の夜から9月7日(月)の夜にかけて、毎年アーティスト、スタッフ、観客の滞在先で、深夜にスペシャル・コンサートやジャム・ジャムセッションが催される、ルネッサンス・センター内のマリオット・ホテルに、例年を模した4つのステージが設営される。土曜、日曜、月曜は10時間を超える無観客コンサートが、Faebook、Instagram を通じて無料でストリーミング配信となった。
オープニング・ナイトには、デトロイトを根拠地に活躍するロバート・ハースト(b)や、フェスティヴァルの代表/アーティスティック・ディレクターでもあるクリス・コリンズ(sax)率いるデトロイト・ジャズ・フェスティヴァル・オールスターズら4つのグループによる、組曲”ジャスティス”が披露される。同組曲は、先ごろ逝去したマーティン・ルーサー・キング牧師の同志で、長年公民権運動に尽力したジョン・ルイス下院議員に捧げられ、未だ根深く残るアメリカの人種差別問題へ、音楽から希望の光を当てようと制作された。続いてはジャズ・アイコンの一人、ファラオ・サンダース(ts)が登場する。9月7日のクロージング・ナイトは、ロバート・グラスパー(p,kb)で締めくくられる。例年全世界から、多くのアーティストが参加する同フェスティヴァルだが、今年は渡航制限もあるためデトロイトのアーティストがフィーチャーされる予定だ。
ハンク、サド、エルヴィンのジョーンズ三兄弟をはじめ、トミー・フラナガン(p)、ポール・チェンバース(b)、ジョー・ヘンダーソン(ts)、バリー・ハリス(p)、ロン・カーター(b)、マーカス・ベルグレイヴ(tp)らレジェンドから、ジェリ・アレン(p)、ケニー・ギャレット(as)、レジーナ・カーター(vln)、ジェイムス・カーター(sax)と、錚々たるアーティストをジャズ・シーンに輩出しているデトロイト。今もウェイン州立大学やミシガン大学などで、1990年代にニューヨークで活躍したロバート・ハースト(b)や、ロドニー・ウィティカー(b)が教鞭を執っており、充実したジャズ教育システムを誇り、デトロイト・ジャズの伝統は脈々と受け継がれている。デトロイト・ジャズ・シーンの現在にも、注目したい。ゲスト・アーティストも、成長した天才少年ジョーイ・アレキサンダー(p)や、ヴェテラン、スティーヴ・ターレ(tb)らが参加する。
9月6日の深夜(日本時間の9月7日の午後1時)には、昨年のデトロイト・ジャズ・フェスティヴァルとの交流プロジェクトで遠征し好評を博した菊池ひみこ(p)が、鳥取ジャズを代表してメッセージを寄せパフォーマンスを披露する。9月20、21日に開催される鳥取ジャズ10周年を記念したGlobal Concertでは、今年のデトロイト・ジャズ・フェスティヴァルのオープニング・ナイトの組曲”ジャスティス”のヴィデオが公開される予定だ。
残念ながらアーカイブ化はされないのでリアル・タイムに視聴する必要はあるが、ぜひこの機会に世界最大級のジャズ・フェスティヴァルの一つ、デトロイト・ジャズ・フェスティヴァルのヴァーチャル体験をお勧めする。(日本時間では9月5日土曜午前7時30分から9月8日火曜午後1時まで)

スケジュール djff-2020-schedule 

41st Annual Detroit Jazz Festival Official Website https://www.detroitjazzfest.org/

2015年のオープニング・コンサート The Bad Plus Joshua Redman

常盤武彦

常盤武彦

常盤武彦 Takehiko Tokiwa 1965年横浜市出身。慶應義塾大学を経て、1988年渡米。ニューヨーク大学ティッシュ・スクール・オブ・ジ・アート(芸術学部)フォトグラフィ専攻に留学。同校卒業後、ニューヨークを拠点に、音楽を中心とした、撮影、執筆活動を展開し、現在に至る。著書に、『ジャズでめぐるニューヨーク』(角川oneテーマ21、2006)、『ニューヨーク アウトドアコンサートの楽しみ』(産業編集センター、2010)がある。2017年4月、29年のニューヨーク生活を終えて帰国。翌年2010年以降の目撃してきたニューヨーク・ジャズ・シーンの変遷をまとめた『New York Jazz Update』(小学館、2018)を上梓。現在横浜在住。デトロイト・ジャズ・フェスティヴァルと日本のジャズ・フェスティヴァルの交流プロジェクトに携わり、オフィシャル・フォトグラファーとして毎年8月下旬から9月初旬にかけて渡米し、最新のアメリカのジャズ・シーンを引き続き追っている。Official Website : https://tokiwaphoto.com/

コメントを残す

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。