1/29 『シャイ・マエストロ/ヒューマン』ECM第2作をリリース

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Text by Hideo Kanno 神野秀雄

イスラエル出身の33歳、現在最も注目されるピアニスト、シャイ・マエストロが、ECMでの最初のアルバム『The Dream Thief』(ECM2616, 2018年4月録音)より2年ぶり、自身では6作目となる新作『Human』を2021年1月29日(日本盤CDは2月3日)にリリース。レギュラートリオに同世代のアメリカ人トランぺッター、フィリップ・ディザックが加わり美しく、ときにダイナミックな演奏を展開する。タイトル曲<Human>は、ストリーミングで先行公開されている。→ ECM.lnk.to/HumanFP

『Shai Maestro / Human』
『シャイ・マエストロ/ヒューマン』

Shai Maestro シャイ・マエストロ (piano、イスラエル)
Jorge Roeder ホルヘ・ローダー (bass、ペルー)
Ofri Nehemya オフリ・ネヘミヤ (drums、イスラエル)
Phillip Dizack フィリップ・ディザック (trumpet、アメリカ)

ECM Records 2021年1月29日(金)リリース
日本盤CD: ユニバーサル ミュージック UCCE-1187 ¥2,750(税込) 2021年2月3日(水)リリース
デジタル:2021年1月29日(金)リリース
アルバム jazz.lnk.to/ShaiMaestro_HumanPR
シングル「ヒューマン」 jazz.lnk.to/ShaiMaestro_Human_sgPR

1. Time (Shai Maestro) タイム
2. Mystery and Illusions (Shai Maestro) ミステリー・アンド・イリュージョンズ
3. Human (Shai Maestro) ヒューマン
4. GG(Shai Maestro)
5. The Thief’s Dream (Shai Maestro) ザ・シーフズ・ドリーム
6. Hank and Charlie (Shai Maestro) ハンク・アンド・チャーリー
7. Compassion (Shai Maestro) コンパッション
8. Prayer (Shai Maestro) プレイヤー
9. They Want to War (Shai Maestro) ゼイ・ウェント・トゥ・ウォー
10. In a Sentimental Mood (Duke Ellington, Irving Mills, Manny Kurtz) イン・ア・センティメンタル・ムード
11. Ima (for Talma Maestro) (Shai Maestro)
Recorded at Studios La Buissonne, Pernes-les-Fontaines, France on February, 2020
Produced by Manfred Eicher


(c) Caterina di Perri / ECM Records

現代の最も注目すべきピアニストの一人、1987年2月5日生まれの33歳、イスラエル出身でニューヨークを拠点に活躍するシャイ・マエストロ。マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット、マークとのアヴィシャイ・コーエン・トリオなどで注目されながらリーダーとしても活躍。「NYC Winter JazzFest 2016」でマンフレート・アイヒャーと初めて会い、直後に『Theo Bleckmann / Elegy』(ECM2512, 2017)を録音。シャイにとってのECMとの衝撃的な出会いは、子供の頃に聴いた『Keith Jarrett / The Köln Concert』(ECM1064)だったと言う。そのキース・ジャレットもシャイの音楽を賞賛していると伝えられる。

2018年にECMでの最初のアルバム『The Dream Thief』(ECM2616)を録音しリリースしたが、本作は、同じレギュラートリオにアメリカ人トランペット奏者、フィリップ・ディザックを迎えた初のカルテット作品となる。COVID-19感染拡大前の

シャイは新作について次のようにコメントしている。「自分にとってとても重要な作品で、とても誇りに思います。」「フィリップのトランペットの演奏は、まるで人間の声が語りかけているように聞こえます。」「まるで車の中で秘密のギアを突然見つけたようなものです。これは全く新しい冒険であり、私は絶対的にこの演奏を愛しています。カルテットになり、誰もがより挑戦的に、より気を配るようになりました。」

シャイは新しい表現を追究する一方で、これまでと同様にジャズの伝統を尊重しながら音楽を前進させており、デューク・エリントンら作曲のジャズ・スタンダード<In a Sentimental Mood>を収録した他、自身のヒーローであり、音楽的影響を受けた二人、ハンク・ジョーンズとチャーリー・ヘイデンに感謝の意を込めたオリジナル<Hank and Charlie>も収録、この曲は2019年11月1日〜2日、ECM 50周年記念スペシャルコンサート「ECM Records at 50」でも披露されている。

シャイ・マエストロにとって、アルバム・タイトルの『Human』は特別な響きを持っていると語っている。
「私は何年もの間、音楽を演奏してきましたが、それが人生の『上』にあるようにしようとしていました。しかし、演奏すればするほど、『上』に到達しようとする行為そのものが、そうなることを妨げているということが分かったのです。それ以降、音楽を作ることを日常の経験の一部として受け入れるようになりました。だから、『ヒューマン』に取り組むときは、それぞれの曲を書き、その世界を作った後、私は判断せずに、ただあるがままにしておくようにしました。私が音楽に体現しようとする人の営み(human effort)は、可能性、コントラスト、色彩、エネルギー、人生などの総体となるもので、結局のところ、表現することがとても難しいものだからです。」

“I played music for many years, trying to make it be ‘above’ life – an isolated experience where I looked for transcendence, a sort of escape from everyday life. But the more I play, the more I understand that the very act of trying to reach this state prevents it from happening. So I started accepting music-making as a part of my everyday experience. So, when working on Human, after writing each song and creating its universe I then just try to let it just be, without judgment because what I want to present is the human effort – and it’s full of opportunities, contrasts, colours, energy and life and is, finally, impossible to explain.”

Shai Maestro “Time” Live at The Jazz Gallery (June 8, 2019)
Shai Maestro (piano), Philip Dizack (trumpet), Joel Ross (vibraphones)

Shai Maestro – The Dream Thief | The NY Sessions
Director: Makoto Matsuo Editor: Azumi Oe
Camera Operator: Niklas Moller, Azumi Oe, Makoto Matsuo

Jorge Roeder | El Suelo Mío

Drummers Unlimited – A conversation with Ofri Nehemya

神野秀雄

神野秀雄 Hideo Kanno 福島県出身。東京大学理学系研究科生物化学専攻修士課程修了。保原中学校吹奏楽部でサックスを始め、福島高校ジャズ研から東京大学ジャズ研へ。『キース・ジャレット/マイ・ソング』を中学で聴いて以来のECMファン。東京JAZZ 2014で、マイク・スターン、ランディ・ブレッカーとの”共演”を果たしたらしい。

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