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【詳細追記】8/25『チック・コリア&小曽根 真/レゾナンス』〜2016年ツアー音源より2枚組CDリリース
『Chick Corea & Makoto Ozone / Resonance』- From Japan Tour 2016


Chick Corea & Makoto Ozone: Children’s Song No.20 (Chick Corea) at Suntory Hall Tokyo on May 19, 2016

Text by Hideo Kanno 神野秀雄

2021年2月9日に79歳で急逝したチック・コリア(訃報と「60年間の音楽の旅」についてはこちら)と、60歳を迎えボーダーレスに世界で活躍する小曽根 真によるピアノ・デュオ・アルバム『レゾナンス』(ユニバーサル・ミュージック)が、2021年8月25日にリリースされる。2016年5月に行った2台のピアノによる「チック・コリア&小曽根真 ピアノデュオ プレイズ・アコースティック/Japan Tour in 2016」(11公演、全日程は本記事の末尾を参照)をライヴ録音していて、チック生前にアルバム化が企画され二人の間で選曲まで済んでいたものの、チックの急逝を受けて、長くチックと小曽根の録音を担当して来たレコーディングエンジニアのバーニー・カーシュが完成させた。
デュオ・ツアー用に書き下ろされたナンバーを含むお互いのオリジナル曲、共作曲(「コト・リア」 ※真の“コト”と、コリアの“リア”を繋げた造語)、クラシック曲やスタンダード・ナンバー、そして完全即興パフォーマンスを収録し、長年の友情で結ばれた二人による以心伝心のインタープレイを記録している。
なお、2021年6月12日、チック・コリアの80歳誕生日にはいくつかのイベントが開催され併せて紹介する。

『チック・コリア&小曽根 真/レゾナンス』
『Chick Corea & Makoto Ozone / Resonance』

Chick Corea チック・コリア: piano
Makoto Ozone 小曽根 真: piano

Disc 1 – JOURNEY 1
1. Introduction
2. Improvisation
3. Snap Shot
4. Spanish Song
5. Gershwin: Someone to Watch over Me
6. Children’s Song No.20 (冒頭の動画を参照)

Disc 2 – JOURNEY 2
1. Improvisation II Part 1
2. Improvisation II Part 2 “Fukuoka Blues”
3. Koto Rea
4. Béla Bartók: Seven pieces from Mikrokosmos – No.123 Short Canon and Its Inversion
(「ミクロコスモス」7つの小品より 短いカノンとその転回)
5. Fantasy for 2 Pianos

録音日時/会場
2016年5月19日 東京 サントリーホール (CD1-3,4)、
2016年5月22日 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール (CD1-1,2,5,8,CD2-5)、
2016年5月29日 福岡シンフォニーホール (CD2-1,2,3,4)

Recorded & Mixed by 三浦瑞生、櫻井 卓
Mixed by Bernie Kirsh
Mastered by 藤野成喜
Produced by チック・コリア & 小曽根 真

ユニバーサルミュージック UCCJ-3042/3 SHM-CD
【発売日変更】 2021年8月25日発売

チック・コリアと小曽根 真の出逢いは、小曽根がまだバークリー音楽大学の学生だった1982年。その状況は本記事冒頭の動画でデュオ演奏の後に語られている。当時、バークリー音楽大学で行われていた前半が学生選抜バンド、後半が有名アーティストによるコンサートシリーズで、チック・コリア、ミロスラフ・ヴィトウス、ロイ・ヘインズの『Now He Sings, Now He Sobs』、当時の『Trio Music』(ECM1232/33)の伝説のピアノトリオだった。以来、二人は長年にわたり親交を深め、影響し合いながら、共演を重ねてきた。1995〜96年にチック・コリアが音楽監督を務めた「パルテノン多摩サマーライブ」で、1995年にピアノデュオを行い、1996年には、新日本フィルとともにモーツァルト<2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K.365>を演奏。2016年にはデュオ・アルバム『Chick & Makoto -Duets-』もリリースしている。2016年5月14日〜15日には、NHKホールで、尾高忠明指揮、NHK交響楽団とモーツァルト<2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K.365>を演奏している。「チック・コリア&小曽根真 ピアノデュオ プレイズ・アコースティック/Japan Tour in 2016」の全日程は本記事の末尾に記載したのでご参照されたい。


●チック・コリア生誕80年トリビュート・イベント 「チックと日本」〜チック・コリアの日本での軌跡〜過去、現在、未来
2021年6月12日(土)20:00〜 (無料配信)
司会:山本 郁 MC:青野浩史/小川隆夫

第1部 チック・コリア日本にあらわる! (初来日〜サークル〜リターン・トゥー・フォーエバーなど)
コメンテーター:中平穂積 悠雅彦 稲岡邦彌
第2部 大型フェスティバルへの来日と京都 (ライブ・アンダー・ザ・スカイ〜京都滞在など)
コメンテーター:池上比沙之
第3部 日本発のプロデュース時代到来 (日本で企画されたアルバム制作、コンサート、ブルーノートやホールでの特別企画など)
コメンテーター:小高秀一
第4部 21世紀のチックとこれから (東京JAZZ〜コロナ禍で福島の高校生に届けたメッセージなど)
コメンテーター:八島敦子

スペシャル・ゲスト  小曽根 真 (ピアノ演奏)

視聴はこちら
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●Live with Carnegie Hall: A Tribute to Chick Corea
チック・コリアへのトリビュート – ライヴ・ウィズ・カーネギーホール

日本時間(JST): 2021年6月13日(日) 朝08:30
中欧夏時間(CEST): 2021年6月13日(日) 01:30
米東部夏時間(EDT): 2021年6月12日(土) 19:30
詳細は、カーネギーホール公式ウェブサイト
視聴はこちら
Facebook: Carnegie Hall
YouTube: Carnegie Hall

Makoto Ozone, Hiromi, Herbie Hancock, Vijay Iyer, Joey Alexander, Eliane Elias, Maxim Lando, Renee Rosnes and Gonzalo Rubalcaba: Piano
Ron Carter: Double Bass, Richard Stolzman: Clarinet, Mika Stolzman: Marimba, Hubert Laws: Flute 他

チック・コリアの80歳誕生日にあたって、カーネギーホール主催でオンラインでのトリビュート・コンサートが開催される。カーネギーホール公式ウェブサイトの言葉を借りると、チックの60年間にわたる「ジャンルを打ち壊し」「ステージで友情を作っていく」音楽人生を反映して、ジャズのジョーイ・アレキサンダー、クラシックのマキシム・ランドといった10代のピアニストから、ハービー・ハンコック、ロン・カーターをはじめレジェンドたちまでの縁のミュージシャンが参加する。


●Tribute to Chick Corea 小曽根真×上原ひろみ
カーネギーホール主催のコンサートに日本からは、小曽根 真と上原ひろみが参加。2020年秋にチック・コリア・アカデミーで、「来年は日本に行くよ。小曽根真と上原ひろみとツアーをするんだ。」とチックは語っていて、2021年秋に「Love for Japan: 日本への愛」をテーマに「チック・コリア×小曽根 真×上原ひろみ」による コンサートが計画されていた。チックの来日は実らなかったが、二人によるトリビュート・コンサートが開催される。

9⽉22⽇(⽔) 19:00開演 サントリーホール
9⽉23⽇(⽊・祝) 14:00開演 サントリーホール
9⽉24⽇(⾦) 19:00開演 愛知県芸術劇場コンサートホール
9⽉26⽇(⽇) 15:00開演 兵庫県⽴芸術⽂化センター
チケット一般発売:7月9日(金)予定
公演ウェブサイト

●JAZZ TOKYO「チック・コリア追悼特集」
また、JAZZ TOKYO「チック・コリア追悼特集」には、内外のミュージシャンなどからの追悼文が寄せられている。上記ふたつのイベント、追悼特集を併せてご覧いただき、チックへの想いを共有したい。

ルテノン多摩サマーライブ 1996
Fantasy For Two Pianos

パルテノン多摩サマーライブ 1996
Chick Corea Plays From Jazz To Classic

Chick and Makoto Ozone Trading Phrases at Tokyo Blue Note (2019)

Bernie Kirsh (Chick’s Sound Guy) on Miking a Piano

「チック・コリア × 小曽根 真」文京シビックホール公演 小曽根 真インタビュー (2016年)

チック・コリア&小曽根真
ピアノデュオ プレイズ・アコースティック
Japan Tour in 2016

5月7日(土)14:00開演 よこすか芸術劇場
5月8日(日)16:00開演 みやまコンセール(霧島国際音楽ホール) 【チック・コリア ソロ公演】
5月10日(火)18:30開演 盛岡市民文化ホール
5月14日(土)18:00開演 NHKホール 【NHK交響楽団定期演奏会】
5月15日(日)15:00開演 NHKホール 【NHK交響楽団定期演奏会】
5月18日(水)19:00開演 長野市芸術館
5月19日(木)19:00開演 サントリーホール
5月21日(土)15:00開演 三原市芸術文化センター ポポロ
5月22日(日)15:00開演 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
5月25日(水)19:00開演 松本市音楽文化ホール ザ・ハーモニーホール 【チック・コリア ソロ公演】
5月26日(木)19:00開演 滋賀・守山市民ホール
5月27日(金)19:00開演 愛知県芸術劇場 コンサートホール
5月29日(日)15:00開演 アクロス福岡 シンフォニーホール
5月31日(火)19:00開演 高岡文化ホール 【チック・コリア ソロ公演】

NHK交響楽団 第1835回 定期公演 Aプログラム
2016年5月14日〜15日 NHKホール
小曽根 真、チック・コリア:ピアノ、 尾高忠明:指揮

武満 徹/波の盆(1983╱1996)
モーツァルト/2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K.365
I. Allegro II. Andante III. Rondo, allegro
エルガー/変奏曲「謎」作品36

NHK Symphony Orchestra, Tokyo
Chick Corea and Makoto Ozone: Piano
Tadaaki Otaka: Conductor

Toru Takemitsu / Nami no Bon
Wolfgang Amadeus Mozart: 10. Klavierkonzert in Es-Dur, KV 365
I. Allegro II. Andante III. Rondo, allegro
Edward Elgar: Variations on an original theme op.36 “Enigma”
NHK Hall, Tokyo on May 14-15, 2016

*2016年7月3日(日) 21:00-23:00 NHK-Eテレ 「クラシック音楽館」で放映


NHKホール 2016年5月 ©Hideo Kanno

神野秀雄

神野秀雄 Hideo Kanno 福島県出身。東京大学理学系研究科生物化学専攻修士課程修了。保原中学校吹奏楽部でサックスを始め、福島高校ジャズ研から東京大学ジャズ研へ。『キース・ジャレット/マイ・ソング』を中学で聴いて以来のECMファン。Facebookグループ「ECM Fan Group in Japan - Jazz, Classic & Beyond」を主催。ECMファンの情報交換に活用していただければ幸いだ。

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