「チック・コリアのA Work In Progress(ワーク・イン・プログレス)」刊行
音楽家として成長し続けるために

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去る2月9日に急逝したチック・コリアの著書「A Work In Progress」がヤマハから刊行された。原題のサブタイトルは On Being A Musician。つまり、「ミュージシャンであることについての考えをまとめたものだがまだ完結しておらず、進行中」である、というチックの真摯な姿勢を反映したタイトルになっている。
チック自身の言葉を借りれば「ミュージシャンとしてどのように物事に取り組んでいるか」、80年代半ばから書きためたメモ;尊敬する偉大なアーチストから学んだこと、自らの経験に基づく後輩へのアドバイスなどをまとめたものだが、学びや体験はまだまだこれからも続くはずなので「進行中」ではあるが、ひとまずお披露目しようという内容。
5章に分かれているが、1章の個人的な信条以外は、実技編に近い。共通するのは「自分で見つけること」「自分で判断すること」。チックのアドバイスは tips のようにトラブルを即座に解決するものではなく、悩みや困難を解決するきっかけにはなるかもしれないが、あとは本人の努力次第、という当然といえば当然すぎる指南だ。
訳本とはいえ、チックの原文(英語)と訳文(日本語:八島敦子)が見開きになっているので、チックが直接語りかけてくれている印象を受ける。
第5章「作曲」編の中の「鉛筆と消しゴム」、“スケッチやスコアにはいつも鉛筆と消しゴムを使う。いつでもすぐに消したり直したりできて、比較的見やすい状態を保てるからだ” という文章に天賦の才の持ち主と言われたチックの真の姿を見るだろう。

https://www.ymm.co.jp/p/detail.php?code=GTB01097850

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