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6/24~7/21 ジョン・カサヴェテス レトロスペクティヴ リプリーズ
John Casavetis  Restrospective Reprise

「インディペンデント映画の父」と称され、ジャン=リュック・ゴダールやマーティン・スコセッシ、ヴィム・ヴェンダース、ジム・ジャームッシュといった世界の巨匠たちから敬愛された唯一無二の映画監督ジョン・カサヴェテスのシリーズ上映が始まる。「レトロスペクティヴ  リプリーズ」、回顧上映、ふたたび。カサヴェティスは、ハリウッドの商業主義に対抗し、公私ともに最良のパートナーである女優ジーナ・ローランズや信頼できる仲間たちと「自分の撮りたいものを撮る」という信念のもと、自身の俳優活動で得た収入を注ぎ込んで映画を製作し、インディペンテント映画の可能性を知らしめた。

今回のレトロスペクティヴは、1989年に59歳で逝去したカサヴェテスが遺した監督作品11本の中から代表作6本(アメリカの影、フェイシズ、こわれゆく女、チャイニーズ・ブッキーを殺した男、オープニンフ・ナイト、ラヴ・ストリームス)を一挙上映。上映権の再取得が叶ったことで実現したが、一方で、撮影監督、プロデューサーとしてカサヴェテスと併走したアル・ルーバンが2022年に亡くなったことから、その追悼ともいえるタイミングでの開催となる。

今回上映される6作品のうち、1959年の監督デビュー作「アメリカの影」(Shadows)は、音楽をチャールス・ミンガスが担当したことで、ジャズ・ファンにも知られている。しかし、即興で撮られた映画に必要な音楽について監督とミンガスの間で意見の齟齬があったようで、その辺の事情がどのように映画に反映されているかも興味のあるところ。

ジョン・カサヴェテス
1929年12月9日、ニューヨーク生まれ。
テレビや映画で俳優としてのキャリアを積んだ後、出演したラジオ番組中で資金提供を呼びかけ呼びかけ『アメリカの影』(1959)を制作、監督デビュー。1968年、第2作の『フェイシズ』でアカデミー賞3部門(脚本賞、助演男優賞、助演女優賞)にノミネート。1974年の『こわれゆく女』では妻のジーナ・ローランズがゴールデングローブ賞最優秀女優賞(ドラマ)受賞、アカデミー賞主演女優賞、監督賞にノミネート。1977年の『オープニング・ナイト』ではベルリン国際映画祭でジーナ・ローランズが主演女優賞に輝き、1984年の『ラヴ・ストリームス』では同映画祭で金熊賞を受賞。自らが俳優として得たギャラを製作費として注ぎ込みながら、素人とプロの俳優を共演させるなど、大手スタジオの介入がない自主製作による映画作りを信念とし、独自の映画世界を切り開いた。“インディペンデント映画の父”と呼ばれ、後世の映画監督たちに大きな影響を与える存在になる。
1989年2月3日、肝硬変のためロサンゼルスの病院で59歳で他界。

公式サイト
http://www.zaziefilms.com/cassavetes2023/

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