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BooksNo. 316

#133 岩合光昭 写真集『What a Wonderful World -この素晴らしき世界-』

Text by Hideo Kanno 神野秀雄

『岩合光昭/What a Wonderful World -この素晴らしき世界-』
クレヴィス 2024年5月8日発売
3,300円(税込)
サイズ:縦226×横226mm ページ数:160p
ISBN:978-4-911003-15-2

ベトナム戦争下のアメリカ、1967年、ルイ・アームストロングによって歌われ、歴史に残る名曲となった<What a Wonderful World>。ロビン・ウィリアムス主演の映画『Good Morning, Vietnam』(1984年)でも効果的に使われ、平和と地球を考える一曲として歌い継がれる。

「ナショナル・ジオグラフィック」の表紙を2回飾った野生生物写真家の岩合光昭(いわごうみつあき)が、50年以上にわたる長い写真家人生を通して撮影してきた、北極から南極まで世界中の風景や、そこに生きる動物たちを集めた写真集を創り、『What a Wonderful World -この素晴らしき世界-』と名づけた。

それぞれの写真に岩合自らが選曲した音楽の曲名をそれぞれ添えているのが特徴で、世界を音楽と共に旅する。

岩合光昭からのメッセージ。。。

“50年以上、北極から南極まで世界をめぐり、野生動物だけでなく、地球の一瞬を写真に収めてきました。地球には音がある。作品には僕が選んだ曲を添えていますが、みなさんが思う曲、もちろん自然音でも無音でも、ぜひ、音と共に地球を楽しんでください。”

たとえば、タンザニア・セレンゲティ国立公園に、ジョー・パスの<Stella by Starlight>を、カナダ・ハドソン湾にジョニ・ミッチェル<A Case of You>、ブラジル・ギマランイス高原国立公園にエリス・レジーナ&トム・ジョビン<Águas de Março>を添えている。岩合のどこまでもディテールを捉えながら、躍動する大地と動物のリズムをも感じさせる写真と音楽の出会いを楽しみたい。

なお、岩合のお気に入りの<What a Wonderful World>のヴァージョンは、クリス・ボッティ&マーク・ノップラー(YouTube Audio)だそうで、後述のピーター・バラカンの番組内では偶然かかったという。


●岩合光昭とピーターバラカンの対話
Tokyo Midtown presents The Lifestyle MUSEUM vol.840

ピーター・バラカンのラジオ番組、Tokyo FMの「Tokyo Midtown presents The Lifestyle MUSEUM vol.840」に5月31日に出演。音楽を交えて語る貴重な機会だ。ポッドキャストで「vol.840」を選んで聴いていただきたい。

神野秀雄

神野秀雄 Hideo Kanno 福島県出身。東京大学理学系研究科生物化学専攻修士課程修了。保原中学校吹奏楽部でサックスを始め、福島高校ジャズ研から東京大学ジャズ研へ。『キース・ジャレット/マイ・ソング』を中学で聴いて以来のECMファン。Facebookグループ「ECM Fan Group in Japan - Jazz, Classic & Beyond」を主催。ECMファンの情報交換に活用していただければ幸いだ。

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