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BooksReviews~No. 201

#006 『及川公生のサウンド・レシピ』〜CD-ROM版ミキサーズ・バイブル

タイトル:『及川公生のサウンド・レシピ』
サブタイトル:CD-ROM版ミキサーズ・バイブル
出版社:transheart/株式会社ユニコム
初 版:1998年4月1日
定 価:¥6,000+税

腰巻きコピーは『キース・ジャレットを、菊地雅章を、日野皓正を、俺はこう録った!アコースティック・ジャズ録音最後の砦<及川公生>がデジタル全盛の世に放つ録音秘法。』『「見る」「聴く」「読む」「遊ぶ」=CD・ROMの全機能を駆使した世界初のミキサーズ・バイブル。全ての音楽家、ミキサー、オーディオ・マニア、音楽ファン必携のタイトルがこれだ!』

ジャズとクラシック、いわゆるアコースティック音楽の録音に生命をかけてきた男、及川公生。ナマの音をあるべき姿で録ることのできるミキサーが極端に少なくなった現状を憂う及川公生が次に続く者のために自己のノウハウをすべて惜しみ無く公開した文字通りミキサーのためのバイブル。
録音理論に加え、録音技術を自らの録音体験を例に熱く語る。スタジオ内におけるミュージシャンとの攻防などCDの裏に隠された制作現場の緊張など、リスナーにとっても鑑賞の新たな楽しみになるだろう。
CD・ROMを駆使し、マイクのセッティング図やサウンド・ファイルやミュージシャンのインタビューも動画収録。音楽に携わる者にとってきわめて有効な教科書である。

初出:Jazz Tokyo 2004.9.30

稲岡邦彌

稲岡邦彌 Kenny Inaoka 兵庫県伊丹市生まれ。1967年早大政経卒。2004年創刊以来Jazz Tokyo編集長。音楽プロデューサーとして「Nadja 21」レーベル主宰。著書に『新版 ECMの真実』(カンパニー社)、編著に『増補改訂版 ECM catalog』(東京キララ社)『及川公生のサウンド・レシピ』(ユニコム)、共著に『ジャズCDの名盤』(文春新書)。2021年度「日本ジャズ音楽協会」会長賞受賞。

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