#1289 『Daniela Schächter / Vanheusenism~A. Tribute to Jimmy Van Heusen』

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text by都並清史 Kiyoshi Tsunami

Mike Tucker (ts)
Michael 0’Brien (b)
Mark Walker (ds)
Daniela Schaechter (vo, p)

Here’s That Rainy Day
Darn That Dream
Come Fly With Me
Like Someone In Love/Imagination
Vanheusenism (D.Schaechter)
All The Way
Polka Dots & Moonbeams
It Could Happen To You
Call Me Irresponsible
But Beautiful
I Thought About You

All arrangements by Daniela Schaechter
Recorded by Mark Wessel at Berklee Collage of Music on January 5-6, 2015
Mixed by Marc Urselli
Mastered by Gene Paul at G6J Audio
Produced by D.Schaechter & Julien Kasper

Daniela Schächter。ファミリーネームはちょっと読めないけれど、 イタリアはシシリー出身のヴォーカリスト、ピアニストだ。ダイアナ・クラールのようなピアノ弾き語りのスタイルで、同じような美形であるけれど、演奏スタイルは こちらのDanielaの方がちょいと凝った印象だ。影響を受けたミュージシャンとして、ウェイン・ショーター、キース・ジャレット、セロニアス・モンク、モーリス・ラベルの名前をあげている。そういった音楽的バックグラウンドによるのか、自身のヴォーカルとピアノのバランスも、一般的な弾き語りレベルよりもひねりが効いている。ホテルのラウンジで雇われたら、このまま仕事として成立するけれど、客先に音楽関係者がいたら、会話やお酒をそっちにおいて聴き入ってしまうよね。今月ご紹介したトランペットのマティアス・リンデルマイヤー同様、バークリー音楽大学におけるタイガー大越の生徒ということだが、アレンジの精度などきっとタイガー仕込みなのだろう。ヴォーカルは意外にストレートな歌いっぷりで、ビッグ・バンドのゲストなんかもいけそうだ。

作品はジミー・ヴァン・ヒューゼンのオリジナル集。ジミー・ヴァン・ヒューゼンはアメリカの作曲家で、じつはこの手の知識、情報に疎いのだけれど、演奏曲目を書き写しているだけで嬉しくなってくる。<Here’s That Rainy Day>、<Darn That Dream>、<Come Fly With Me>、<Like Someone In Love>、<Polka Dots and Moonbeams>、<It Could Happen to You>、<But Beautiful>…。日頃耳にする曲の多くが、このジミー・ヴァン・ヒューゼンのペンによることを再確認して驚かされた。ものすごい才能だったのだ。

歌の魅力と Daniela Schächterのアレンジ能力、高度なピアノ表現を堪能できる一枚。テナー・サックスのマイク・タッカーも素晴らしい。(都並清史)

 

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都並清史

都並清史 Tsunami Kiyoshi 東京生まれ。「立教大学 ニュー・スウィンギン・ハード」OB。ヤマノ・ビッグバンド・ジャズ・コンテストで「敢闘賞」(1978)「最優秀賞」「優秀ソリスト賞受賞」(1980)をそれぞれ受賞。近田春夫の「ビブラストーンズ」を経てジャズ・ライターに。「スイング・ジャーナル」誌他で健筆を振るった。サッカー元全日本代表の都並敏史(現解説者)は実弟。共著に「200CD 21世紀へのジャズ」(立風書 房)他。

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