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Jazz and Far Beyond

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CD/DVD DisksNo. 340

#2447 『沼尾翔子/The Siwnin Sails ― 青い帆』

text by Kazue Yokoi  横井一江

elsewhere music/東京エムプラス ELSE037

沼尾翔子 Shoko Numao(作詞作曲、歌、ギター)

1. Drizzle
2. Ocean Voyage (船旅)
3. Pyrethrum
4. Monuke (蛻)
5. A Rumor of Foxes (狐の噂)
6. Notsuki (ノツキ草)
7. Reminiscence
8. Glory Bush (Nobotan)
all words and music by Shoko Numao

recorded and mixed by Muriwui (ムリウイ)in Tokyo in July 2025
cover art by Shoko Numao
designed and produced by Yuko Zama
special thanks to Taku Unami


本盤は、現在注目を集めつつあるシンガー・ソングライター沼尾翔子の全編ギターによる弾き語りを収録した2作目。

沼尾は、アイルランドのダブリン・シティ大学でジャズを専門にボーカルと作曲を学び、2021年に帰国後は東京を拠点に活動を始めた。現在はソロ活動のほか、遠藤ふみ (p)、阿部真武 (b)、白石美徳 (ds) とのカルテットUquwaをはじめとして、さまざまなコラボレーションを重ねている。2023年にファースト・アルバム『Live at Ftarri — Lena』(ftarri) をリリースしているが、本作は初めてのソロ作品だ。

ゆっくりとしたテンポで声を発し、時に語るように空間の中に言葉を音として綴る。それに合わせて爪弾くギターの音色が重なり合い、声とサウンドが融合した世界を描く。それはまるで淡い色調で描かれた透明水彩画のようだ。透明感のある高音部と語るような柔らかい歌い方が耳に残る。ヴォイスを微細に変化させるだけではなく、5曲目<狐の噂>のように導入部分で「ほ、ほ、ほ・・・」と短く音を切りながら変化させて発声してみたり、8曲目<Glory Bush>は歌詞がなくヴォイスのみで聴かせ、曲によっては異なった表情を見せる。また、英語詞で歌った7曲目<Reminiscence>を聴きながら、ふと早世したラドカ・トネフ Radka Toneff のアルバム『Fairytales』(Odin, 1982) を思い出したのは、フラジャイルな感性がたゆたっていたからだろうか。アルバムを聴きながら、重苦しい現実世界から離脱して、違う時間軸にある空間に迷い込んだような錯覚さえ覚えたのである。

5月23日には、早稲田奉仕園スコットホールでアルバム・リリース記念ソロ・コンサートが開催された。その録音は elsewhere のサブレーベル elsesongから今年11月に発売予定とのこと。ムリウイとはまた異なる空間でのソロ演奏だけにリリースが楽しみである。

横井一江

横井一江 Kazue Yokoi 北海道帯広市生まれ。音楽専門誌等に執筆、 雑誌・CD等に写真を提供。ドイツ年協賛企画『伯林大都会-交響楽 都市は漂う~東京-ベルリン2005』、横浜開港150周年企画『横浜発-鏡像』(2009年)、A.v.シュリッペンバッハ・トリオ2018年日本ツアー招聘などにも携わる。フェリス女子学院大学音楽学部非常勤講師「音楽情報論」(2002年~2004年)。著書に『アヴァンギャルド・ジャズ―ヨーロッパ・フリーの軌跡』(未知谷)、共著に『音と耳から考える』(アルテスパブリッシング)他。メールス ・フェスティヴァル第50回記念本『(Re) Visiting Moers Festival』(Moers Kultur GmbH, 2021)にも寄稿。The Jazz Journalist Association会員。趣味は料理。当誌「副編集長」。 https://kazueyokoi.jimdofree.com

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