#1389『Aron Talas Trio / Floating Island』

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text by Masanori Tada  多田雅範

現代ジャズ・ピアノ・シーンの諸相をあぶり出す6アルバム連続試聴記

Aron Talas (p)
Jozsef Horvath Barcza (b)
Attila Gyarfas (ds)

01.Tale
02.Lights
03.Mind The Gap
04.Man Of The Winds
05.Blues For F
06.Floating Island
07.Trampoline
08.Hope Is Always
09.Roots
10.Helsinki
11.Quentin
※All Composed by Aron Talas
Recorded at the Hungarian Radio, Studio 6, between 4-6th of september, 2015

 

ヨーロピアン・ピアノ・トリオという伝統、

ハマシアンのソロとDJ大塚広子『Piece The Next Japan Breeze』(日本のミュージシャンたちの多彩な現在を感じさせる望まれるべきコンピ)と一緒に編集部から到着した一枚にハマっている。

「ハンガリーの俊英ピアニストAron Talasがリーダーとなって吹き込んだピアノトリオによる新録が登場!ヨーロッパならではのクラシカルな土壌を大切にしながらも、透明感溢れる抒情性、どこまでも軽やかに宙を舞うようなフレージング、伝統的なスイング感がうまく織り合わされた、マニアなら隠れて賞賛したいような逸品がココに!」

これが自主制作なのか?

90年代には給料の半分をCD購入費にあてていたくらいで、ポスト・キース・ジャレット”スタンダーズ”のヨーロピアン・ピアノ・トリオの大旋風が吹いていたように思う、エンリコ・ピエラヌンツィとか、ラーシュ・ヤンソンとか、エスビョルン・スヴェンソンとか、よく聴いたくちだ、どこかの時点でECMレーベルがジョン・テイラー・トリオとボボ・ステンソン・トリオの決定的名盤を呈示してから聴かなくなっていた、

クラシックの鍛錬もしてきただろうピアニストの指先の的確さ、全曲オリジナルで隅々にまでこれまでのピアノトリオ演奏の快楽の技法を血肉化させて、あくまでも軽快に、ヨーロピアン・ピアノ・トリオという伝統の小径を駆け抜けている様子がじつにいい、さりげなく21世紀型つんのめるドラムンベーススタイルのタイコの叩きを添えているのも、「コレが新しいんだ、カッコいいのだ」と鼻につくところもない(とっても重要)、つまりは、スマートなのだ、

ラストの「Quentin」の軽いゴスペルな味わい、ジャレット・リスペクトとはあえて言わないで、こういうピアノ・トリオなら銀座の山野楽器で晴れた日曜日に買いに出かけたいし、大使館後援でコットンクラブに来日公演してほしい、

Aron Talas Trio – Floating Island (Full Album)

多田雅範

多田雅範

Masanori Tada / 多田雅範 Niseko-Rossy Pi-Pikoe 1961年、北海道の炭鉱の町に生まれる。東京学芸大学数学科卒。元ECMファンクラブ会長。音楽誌『Out There』の編集に携わる。音楽サイトmusicircusを堀内宏公と主宰。音楽日記Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review。

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