#1633 『三枝伸太郎オルケスタ・デ・ラ・エスペランサ/Flowers』

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OTAVA-0024
2019年8月2日発売

Text by 伏谷佳代 Kayo Fushiya

1.Seeds
2.Buds
3.Before bluming, in a quiet voice
4.Flowers
5.光のなかで踊る
6.金色の鳥たち、銀色の星たち
7.“Goodby”

All music composed and arranged by Shintaro Mieda

三枝伸太郎オルケスタ・デ・ラ・エスペランサ
三枝伸太郎/Shintaro Mieda (piano)
北村聡/Satoshi Kitamura (bandonedon)
吉田篤/Atsushi Yoshida (violin)
会田桃子/Momoko Aida (violin)
吉田篤貴/Atsuki Yoshida (viola)
島津由美/Yumi Shimazu (cello)
西嶋徹/Toru Nishijima (bass)
岡部洋一/Yoiichi Okabe (percussion)
相川瞳/Hitomi Aikawa (percussion)
小田朋美/Tomomi Oda (vocal)

Produced by Shintaro Mieda
Recorded at Lake Sagami Hall; 18,19 October, 2018
Balance engineer, Editing&Mixing: 長江和哉/Kazuya Nagae
Assistant engineer: 村上健太/Kenta Murakami
Art director: 正木なお/Nao Masaki (Gallery Nao Masaki)
Design: 藤本康一/Koichi Fujimoto
Photo: 辻徹/Toru Tsuji
A&R director: 三ケ田美智子/Michiko Mikata (pianohouse.mmg)

Online high resolution:
http://www.synthax.jp/RPR/


各セクションに若手実力派から名うてのヴェテランまでを擁した、三枝伸太郎オルケスタ・デ・ラ・エスペランサの第二作。切れ味するどく変化に富んだ流線形をみせるストリングスをはじめ、重層的なサウンドに弛みが全くないのは、卓抜なアレンジのセンスと高い演奏力の成せる技。昨年『わたしが一番きれいだったとき』でデュオを組んだ小田朋美が全編を通して聞かせる、ユニークで澄み切ったヴォーカリーズも聴きものだ。表題曲「flowers」を中心に、種子が蕾(つぼみ)となり開花する、ひそやかながら永遠のような生のうつろいが組曲のように展開。言葉が歌詞として音楽に乗ることはないが、あらゆる音のなかには「うた」が濃厚に漂う。そのやわらかな抒情性はさながらソング・ブックと呼びたくなる。美意識に裏打ちされた静謐な緊張感が張り巡らされるチェンバー・ミュージック的醍醐味の一方で、ソング・ライティングかくありき!と思えるほどのメロディの横溢、血肉化したさまざまなジャンルのフィーリングも健在。折々にピアノが紡ぎ出すかぐわしい静寂は、劇的な展開を収斂する回帰点のようにも感じられる。繊細さがスケールの大きさを拒まないのが三枝節の真骨頂。瑞々しさと完成度の高さで、花果同時の高貴さもまとう。(*文中敬称略)



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伏谷佳代

伏谷佳代

伏谷佳代 (Kayo Fushiya) 1975年仙台市出身。早稲田大学卒業。幼少時よりクラシック音楽に親しみ、欧州滞在時 (ポルトガル・ドイツ・イタリア) に各地の音楽シーンに通暁。欧州ジャズとクラシックを中心にジャンルを超えて新譜・コンサート/ライヴ評、演奏会プログラムの執筆、翻訳などを手がける。

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