#1980 『関根彰良/ソリタリー・モーメンツ』
『Akira Sekine / Solitary Moments』

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text by Masashi Yamashiro 山城正司

UINX RECORD  UINX-003  2,500円

Akira Sekine 関根彰良 – 7 string guitar, 6-string guitar, alto guitar, electric guitar & whistle

01 Triste
02 Very Early
03 Summer Solstice
04 Manhã de Carnaval
05 Have You Met Miss Jones?
06 En La Orilla Del Mundo
07 Le Matin
08 L’aprè s-midi
09 La Nuit
10 The Dolphin
11 Bewitched
12 Lute Suite In E Minor, BWV996‐Bourrée
13 She
14 Come Together
15 Volare
track3,7,8 & 9 are composed by Akira Sekine

produced by Akira Sekine
recorded on 26 & 27 November 2019 at Studio Chikyu,Tokyo
engineered, mixed & mastered by KeisukeTanaka
designed by Tetsuya Sugita
photos by Toshiyuki Tanimoto

関根彰良Official Web Site: http://www.akirasekine.com


関根彰良(せきねあきら)の4作目となるのは2枚目に続くギターソロアルバム。

幼少の頃よりクラシックピアノを始め、12歳でロックギター、東京大学入学後にジャズに出会い、同大のジャズ研究会に所属しながらプロとしての演奏活動を開始。

クラシックギターを井上學、フラメンコギターを山崎まさしに師事し、2009年Anat Cohen(cl, sax)の日本ツアーに参加、2012年にはスペインで、Chano Carrasco, Manuel Parrilla, Ramón Amadorにフラメンコギターを師事している。

選曲は、ジャズスタンダード(2,5,11)、ラテン(1,4,10)、ポップス(13,14)、クラシック(12)、そしてオリジナル曲(3,7-9)のバラエティに富んだ15曲。
ギターは7弦、6弦、アルトのナイロン弦ギター、エレキギターを使い分け、曲によっては多重録音を行っている。

まず、バラエティに富んだ選曲だけでなく、吸収している音楽スタイルの幅広さに驚く。
5のJoe Passを彷彿させるオーソドックスなジャズギターから、Antonio Carlos Jobimの1:ボサノバ、Bachの 12:クラシック、The Beatlesの14:ワウギター、Gipsy Kingsの15:ルンバ・フラメンコと、土台にあるのはジャズのようだが、様々なジャンルのギター奏法をマスターしていることがわかる。
一聴すると器用なギタリストのようだが、特に、Bill Evansの2、Luiz Eca 10のような転調を繰り返していくピアニスティックな曲、Richard Rodgers 11の和声感覚は、幼少のクラシック・ピアノの影響だろうか、これらの演奏には、奏者のギターという楽器に留まらない表現の深さを感じる。
6はカバー曲の中で唯一私が知らなかった曲。旋律の美しさに聴き惚れながら検索したところ、キューバの盲目のギタリスト、Martin Rojasが作った曲で、Charlie Hadenが『Nocturne』で Gonzalo Rubalcabaと演奏していたことを知るに至り、珠玉の1曲を再発見させてくれた。
そして、7~9 のアルトギターで素朴で温かなメロディが紡がれるオリジナルの小品の中に、この奏者の本質が垣間見える気がした。


山城正司 Masashi Yamashiro
1963年沖縄県那覇市生まれ。職業は口腔外科医。
中学生でギターに目覚め、フォーク、ロック、ジャズ、ブラジル、クラシックと遍歴、今はナイロン弦をつま弾いているが、暇になるとギターを弾かなくなるので上達しない。関東での生活歴が長く、郷愁に捕らわれながらも南国の故郷は遠くなるばかり。

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