#2202 『Keith Jarrett / Bordeaux Concert』
『キース・ジャレット/ボルドー・コンサート』〜再びピアノに向かうキース

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Keith Jarrett – Bordeaux Concert Part III

Text by Hideo Kanno 神野秀雄

『Keith Jarrett / Bordeux Concert』
『キース・ジャレット/ボルドー・コンサート』

Keith Jarrett: Piano
Part I – Part XIII
Recorded live at the Auditorium de l’Opéra National de Bordeaux on July 6, 2016
ECM2740 2022年9月30日リリース / 2LP 10月14日リリース
ユニバーサルミュージック UCCE-1194 2022年9月30日リリース
ecm.lnk.to/BordeauxConcertID

2016年ヨーロッパツアーから生まれた、美しく生き生きとした小品集

世界的なワイン生産地であるボルドー、市内の国立歌劇場オーディトリアムで夏の夜20時から行われたキース・ジャレットのソロコンサート。2016年ヨーロッパツアーは、7月3日ブダペスト、6日ボルドー、9日ウィーン、12日ローマ、16日ミュンヘンと続き、初日の『Budapest Concert』(ECM2700/01)、最終日7月16日の『Munich 2016』(ECM2667)がリリースされている。

翌年2017年2月15日ニューヨーク・カーネギー・ホールを以って活動を休止している。2018年に2回、脳卒中に見舞われ、左手が不自由となったことが後にキース自身によって語られた。これまでの「キース・ジャレットの音楽の足跡」をまとめた記事もご参照いただければ幸いだ。今回、リリースに向けてWBGOのネイト・チネンがキースとの電話インタビュー「Keith Jarrett’s eternal balancing act」を行っていて、最近ではキースが再びピアノに向かい始めたという嬉しい知らせも届いた。


Photo: Daniela Yohannes, Courtesy of ECM Records
※ボルドーの撮影ではない資料映像

最近リリースされたキースのいくつかのソロコンサートのライヴ盤でも、十数曲の”Part XX”に加えて、スタンダードやかつてのオリジナルが曲名が明記されて収録されていることが多く、そのトラックが先行配信され、ファンの期待を盛り上げってきた。ボルドーでは<Part III>が先行配信され、<Part XX>以外の曲はない。逆に言えばキースのソロはその場合が多く、元に戻っただけだ。

ここでは、音響的な美の追求に専心するキースではなく。一つ一つのPartでメロディアスにまた構成をもって美しく生き生きとした歌を即興で紡ぎ出すキースがいて、そのどれもが美しい。キースが紡ぎ出す歌の最終発展形を知る上でもぜひ一聴をお勧めしたい。

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神野秀雄

神野秀雄 Hideo Kanno 福島県出身。東京大学理学系研究科生物化学専攻修士課程修了。保原中学校吹奏楽部でサックスを始め、福島高校ジャズ研から東京大学ジャズ研へ。『キース・ジャレット/マイ・ソング』を中学で聴いて以来のECMファン。Facebookグループ「ECM Fan Group in Japan - Jazz, Classic & Beyond」を主催。ECMファンの情報交換に活用していただければ幸いだ。

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