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CD/DVD DisksNo. 306

#2266 『チック・コリア with サルディーニャ室内管r>『Chick Corea 弦楽団/サルディーニャ〜モーツァルト&ガーシュウィン』

Text by Hideo Kanno 神野秀雄

『Chick Corea with Orchestra da Camera Della Sardegna /
Sardinia: A Night of Mozart & Gershwin』
『チック・コリア with サルディーニャ室内管弦楽団/サルディーニャ〜』

Chick Corea チック・コリア: piano
Simone Pittau シモーヌ・ピトー: conductor
Orchestra da Camera Della Sardegna サルディーニャ室内管弦楽団

Mozart Intro
Mozart Piano Concerto No. 24 In C Minor, K.491
I. Allegro
II. Larghetto
III. Allegretto

Gershwin Intro
Someone To Watch Over Me (George Gershwin, Ira Gershwin)
Rhapsody in Blue (George Gershwin)

Recorded November 29, 2018 at Mogoro, Italy

BSFM Records BSFM-5121 (2023年10月20日リリース)

1941年マサチューセッツ州に生まれ、COVID-19感染拡大中の2021年に惜しまれながら79歳で亡くなったピアニスト、作編曲家で、グラミー賞を27回獲得してきたチック・コリア。その足跡は『チック・コリア60年間の音楽の旅』をご参照いただき、また本誌追悼特集もご覧いただきたい。

そのチック最晩年のクラシック・プロジェクトのひとつを生き生きと記録した2018年の未発表音源が公開された。本作は2018年11月29日サルデーニャ島モゴロで行われた第11回カルチャー・フェスティヴァルで、チックがサルディーニャ室内管弦楽団とともに行ったモーツァルトとガーシュウィンにフォーカスしたコンサートの記録だ。サルディーニャ島は、イタリア半島の西側、フランスそしてコルシカ島の南に位置する地中海に浮かぶ大きな島。<Spain>を代表曲の一つとすることもありスペインの印象も強いチックだが、そのルーツはイタリアにある。

冒頭、「Hello, everybody! Welcome!」の一言で、会場でチックと時間を共にしているかのような感覚に引き込まれる。このアルバムの聴きどころは単にその音楽だけではなく、<Mozart Intro>、<Gershwin Intro>とクレジットされているが、モーツァルトとガーシュウィンそれぞれの真髄を聴衆に語りかけるひととき、その想いを込めてチックが弾き出す一瞬にある。そして、チックとそれぞれの作曲家をつなぐ独自の音楽が始まる。ネタバレになるので書かないが、嬉しい驚きの連続が待っている。

モーツァルトとガーシュウィンはチックが最も敬愛する作曲家であり、結果的にだがチックのキャリアを締めくくる重要録音の一つとなった。ぜひ一聴をお勧めしたい。

神野秀雄

神野秀雄 Hideo Kanno 福島県出身。東京大学理学系研究科生物化学専攻修士課程修了。保原中学校吹奏楽部でサックスを始め、福島高校ジャズ研から東京大学ジャズ研へ。『キース・ジャレット/マイ・ソング』を中学で聴いて以来のECMファン。Facebookグループ「ECM Fan Group in Japan - Jazz, Classic & Beyond」を主催。ECMファンの情報交換に活用していただければ幸いだ。

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