#317 『照内央晴 & 松本ちはや/哀しみさえも星となりて』
Bishop Records EXJP021
照内央晴 Hisaharu Teruuchi (piano)
松本ちはや Chihaya Matsumoto (percussion)
1. Improvisation Ⅰ
2. Improvisation Ⅱ
3. Improvisation Ⅲ
録音:公園通りクラシックスにて 2016年2月21日
Recorded, mixed & mastered by Misumi Kazuhiko
Editing & sound direction: Kondo Hideaki
Directed by Teruuchi Hisaharu & Matsumoto Chihaya
音空間に打楽器とピアノ・シロフォンが、優しさと怒濤のサウンド空間を展開する。打楽器の空間を伴った攻撃的サウンドは肉厚を感じ、唐突なサウンドは、打楽器のナマ音の肉厚を感じさせる音質で整えている。録音手法に頼らない自然さは、ピアノのチューニング時を思わせる日常感。演奏時に耳にする弾き手固有のサウンドからも普通の音。しかし、突然、オンマイクのピアノ弦をのぞき込んだ風景展開に驚嘆。やってくれました。お互いを見つめるサウンド構成に、ステージの緊張をわずかの残響が包囲する。
和楽器の太鼓を想像する根底に響く音は謎だ。ドロドロが重量を感じさせ、ちょっと緊張する。巧く録ったなと感心する。
ピアノ演奏で、プリペイドが出来るのは当然だが、それを近接マイクならでのピアノ全体の共振から減衰まで、時間軸の音響変化を微細にダイナミックに捉えて、作品の構成に寄与している。