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及川公生の聴きどころチェックNo. 243

#445 『Nik Bartsch’s Ronin / Awase』

text by Kimio Oikawa 及川公生

 

ECM2603

 

Nik Bartsch(p)
Sha(b-cl, as)
Thomy Jordi(b)
Kaspar Rast(ds)

1. Modul 60
2. Modul 58
3. A
4. Modul 36
5. Modul 34
6. Modul 59

Recorded at Studios La Buissonne, Pernes-les-Fontaines, October 2017
Engineer : Gérard de Haro, Nicolas Baillard
Produced by Manfred Eicher


ピアノ・ベース・ドラムの基本が超絶高音質で背景を展開。バスクラ、アルトサックスがこれに乗る。ピアノの音像輪郭が、生音から感じる刺激に近似している。このサウンドは繰り返しの持続を飽きさせない。ベースの輪郭が墨汁を思い出させる濃厚さ。エレクトリック的な飾りの芯は、楽器の音色に深みを添える。
倍音の明瞭さが、どの楽器にも共通の印象であることは、マイキングのなす技だ。
音楽の構成が、録音技術の鮮明さあっての印象を強く感じる。

及川公生

及川公生 Kimio Oikawa 1936年福岡県生まれ。FM東海(現 東京FM)技術部を経て独立。大阪万国博・鉄鋼館の音響技術や世界歌謡祭、ねむ・ジャズ・イン等のSRを担当。1976年以降ジャズ録音に専念し現在に至る。2003年度日本音響家協会賞受賞。東京芸術大学、洗足学園音楽大学非常勤講師を経て、現在、音響芸術専門学校非常勤講師。AES会員。

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