#1128 JAZZ AUDITORIA ONLINE 〜ジャズ・デイ記念フェスティヴァル

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Text by Hideo Kanno 神野秀雄

JAZZ AUDITORIA ONLINE
日時:4月30日(木) 09:30AM 〜 5月1日(金) 07:30AM
出演者(抜粋) タイムテーブルと各動画へのリンクはこちら
Bluey from Incognito, エリック・ミヤシロ Eric Miyashiro, Gordon Goodwin, 挾間美帆 Miho Hazama, Maria Schneider, Candy Dulfer, Dave Koz, Chick Corea, Michel Camilo, 小曽根 真 Makoto Ozone, Chucho Valdés, Gonzalo Rubalcaba, Shai Maestro, Bob James, Nathan East, Raul Midon, Richard Bona, 矢野顕子 Akiko Yano, 大江千里 Senri Oe, 小野リサ Lisa Ono, Joyce Moreno, Ivan Lins, Marcos Valle, ナオミ&ゴロー Naomi & Goro, Jesse Harris, Silvia Perez Cruz, Andrea Motis, Kurt Rosenwinkel, Michael League, 黒田卓也 Takuya Kuroda, Shabaka Hutchings, Kandace Springs, J Lamotta Suzume, 横山幸雄 Yukio Yokoyama, and more

毎年4月30日はUNESCOが、Thelonius Monk Institute of Jazz (現Herbie Hancock Institute of Jazz) の提唱により2011年に制定したInternational Jazz Day / 国際ジャズデイ。世界約200ヵ国でジャズを楽しみ、子供たちにジャズを伝えるイベントが行われる。例年、「International Jazz Day Global Concert」が開催される。2020年の”JazzDayAtHome Virtual Global Concert”はこちらから。2014年大阪グローバルコンサートはこちらからご参照いただきたい。

『JAZZ AUDITORIA IN WATERRAS』は、日本を代表する国際ジャズ・デイ・イベントとして、千代田区神田淡路町「WATERRAS」を会場にブルーノートジャパン企画制作により2013年にスタートした無料屋外ジャズ・フェスティヴァル。今年は新型コロナウイルスCOVID-19感染拡大の影響により、屋外イベントの開催は見送りとなったが、総勢89組の内外アーティストの協力のもとライヴ・ストリーミングによる “オンライン・ジャズ・フェスティヴァル” が急遽開催された。

本家グローバル・コンサートのように1コンサートに構成されたものと異なり、ワークショップ、子供向けのプログラムを含め同時に3プログラムが並行し計90プログラム近くの配信となった。公式にはアーカイヴ化されないときいていたが、結果的に多くのプログラムがそれぞれ YouTubeとFacebook に残っていて、いつまで残るかもわからないので、ぜひお早めのご視聴をお勧めしたい。Facebook 動画については会員である必要がある(無料)。

最初タイムテーブルを見たときに嬉しい悲鳴をあげたし、ここまでやらなくてもと思ったが、心の営みとして「選択ができる」ことのストレスと楽しみ、ノース・シー・ジャズ・フェスティヴァルやラ・フォル・ジュルネ TOKYO のように「フェスティヴァル会場を走り回る」感覚が、自宅籠もり and/or 久しぶりの音楽体験の方にも結果的によい刺激になり、アドレナリン爆発の体験にもなったと思う。だいたい、出演ミュージシャンが豪華過ぎて、通常1人の人が5年間かけても観られないかもの内容だ。自身もたいへん困難な状況にあってブルーノートジャパンの実力と心意気を見せつけられる質と量の内容で、心から感謝したい。

ワークショップ、特にビッグバンド・リーダーズ・サミット、ピーター・アースキン、シャイ・マエストロなど、たいへん貴重な話を聴くことができ、日頃聴けない、音楽の本質、アーティストやバンドの在り方等に大切な考え方を受け取ることができた。またアーティストの歴史の中で出会った人々や最近にコメントするのも参考になった。ぜひこのような機会をまた望みたい。

アーティストによってはミニマムの参加のこともあれば、止まらなくなって1時間、2時間になったものもあり、チャットによって双方向のやり取りが可能になっているため、アーティストと聴衆のお互いの想いが溢れて素晴らしい感動のひとときを味わえたケースもある。最近のさまざまなライブ配信の取り組み、そして今回、非常に満足度の高い音楽体験の提供に成功している。これを COVID-19 終了後のリアルの需要とファイナンシャルな復活にどう貢献できるかが課題であろう。

今回、日本のミュージシャンでも国際ジャズ・デイを初めて知ったという方も多かった。実は jazzday.comも通じて、イベントを拡散しやすいという事情もありネットとの相性もよく、2021年以降、それぞれ自身による国際ジャズ・デイのライヴ企画をお勧めしたい。なお、JAZZ AUDITORIAの日程については、4月30日が国際ジャズ・デイ当日でもあり事務局とブルーノートジャパンでも慎重に日程を決めたとは思われるが、平日、医療従事者やたくさんの方が通常業務に就いていることもあり、またGW前の月末の締めでもあって、4月30日の夕方以降の時間帯に、5月1日または4月29日の日中に開催して欲しいという声もあったことを付記しておきたい。

このGWは “熱狂の日” となる「ラ・フォル・ジュルネTOKYO」も中止となりお祭に飢えていた中で、「JAZZ AUDITORIA」はリアルの代用品ではなく、予想を大きく超える大成功となった。この実現に奔走されたであろうブルーノートジャパンをはじめJAZZ AUDITORIA ONLINE 実行委員会のみなさま、アーティスト、それをサポートされたみなさまに心から感謝しながら、ジャズライブの復活と発展を祈りたい。

以下、一部のリンクを思いつきベースで抜粋する。巨匠でも時間が短いのは抜いてあり、載っている載っていないは内容や評価とは関係ないので、タイムテーブル上にリンクから他のプログラムもぜひご覧いただきたい。曲目も分かる範囲でつけているが、サプライズを優先して、まずセットリストを見ず、先入観なしで聴くことをお勧めしたい。

Makoto Ozone 小曽根 真 “Welcome to Our Living Room Day 23”

Gotta be Happy(Makoto Ozone), My Witch’s Blue(Makoto Ozone), Sir Duke(Stevie Wonder), Pandora (Makoto Ozone), Samba de Uma Nota Só / One Note Samba (Antonio Carlos Jobim), Three Wishes(Makoto Ozone), Reborn(Makoto Ozone)
※5月1日現在、小曽根は毎晩21時から定例ライブ配信を続けている、YouTubeチャンネル“Borderless Music” by Makoto Ozoneから視聴できる。小曽根真のライブ配信”Welcome to Our Living Room”の概要とコラボ動画などのリンクをJAZZ TOKYOにまとめたのでご参照いただきたい。

Chick Corea チック・コリア

Prelude Opus 28 No. 4 in E minor(Chopin) – Insensatez/How Incensitive / お馬鹿さん(Antonio Carlos Jobim)、 Blue Monk(Thelonius Monk), Spain(Chick Corea)
※チック・コリアは、3月中に、日本時間の朝、定例ライブ配信を続けていた。

Joyce Moreno ジョイス・モレーノ

Lisa Ono 小野リサ

Yamandu Costa
ヤマンドゥ・コスタ

Michel Camilo
ミシェル・カミロ

Camila Meza カミラ・メサ

Gonzalo Rubalcaba ゴンサロ・ルバルカバ

Marcos Valle マルコス・ヴァーリ

Bob James ボブ・ジェームス

Emmet Cohen エメット・コーエン

Junko Onishi Trio with Yosuke Inoue, Sota Kira
大西順子トリオ with 井上陽介、吉良創太

Yosuke Onuma 小沼ようすけ

Naomi & Goro ナオミ & ゴロー

Kurt Rosenwinkel カート・ローゼンウィンケル
※画像の向きが異なるためリンクのご紹介に留める。

Blue Note Tokyo All-Star Jazz Orchestra directed by Eric Miyashiro
Special Guest: Peter Erskine & Bob James


Trains (Mike Mainieri / Arr. Eric Miyashiro)
※JAZZ AUDITORIAではプログラムに含められなかったが、例年の国際ジャズ・デイ企画を担い、大きな役割を果たして来た BNTASJO のリモートセッションを紹介しておきたい。

●ワークショップ
Big band leader’s Summit with Eric Miyashiro, Maria Schneider, Gordon Goodwin, Miho Hazama
ビッグバンド・リーダー・サミット〜エリック・ミヤシロ、マリア・シュナイダー、ゴードン・グッドウィン、挾間美帆

Peter Erskine Masterclass
ピーター・アースキン・マスタークラス

ドラミング・テクニックだけではなく、ピーターの音楽史も。ジョン・テイラー、パレ・ダニエルソンとのトリオは最高だったとも。

Shai Maestro Masterclass
シャイ・マエストロ・マスタークラス

Masato Honda Master Class
本田雅人マスタークラス

●クラシック

Yukio Yokoyama 横山幸雄

●注目の若手
Senri Kawaguchi 川口千里

Takahiro Izumikawa 泉川貴広

Iori Kimura 木村イオリ

●子供向けプログラム
うまくリンクできなかったり、アーカイヴできていなかったりして、ご紹介できないが、非常に楽しい内容で、子供がいる友人からも家で踊っている姿が送られて来た。国際ジャズ・デイの趣旨から言ってもこの領域の充実は楽しみにしたい。Kidsに限らず、中高生を指向するプログラムも期待したい。

オンライン飲み会番組「黒田卓也の今夜もどないよ?」
フェスティヴァルと言えば、飲み、というかコミュニケーションはつきもので、アーティストの参加とチャットの参加で、面白い時間が作られていた。

神野秀雄

神野秀雄

神野秀雄 Hideo Kanno 福島県出身。東京大学理学系研究科生物化学専攻修士課程修了。保原中学校吹奏楽部でサックスを始め、福島高校ジャズ研から東京大学ジャズ研へ。『キース・ジャレット/マイ・ソング』を中学で聴いて以来のECMファン。東京JAZZ 2014で、マイク・スターン、ランディ・ブレッカーとの”共演”を果たしたらしい。

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