#1213 太田 剣 in memory of 和泉宏隆 at お茶の水NARU

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Text Hideo Kanno 神野秀雄

太田 剣 in memory of 和泉宏隆
2022年4月23日 14:00 お茶の水・ジャズハウスNARU
太田 剣 Ken Ota: soprano, alto & tenor sax
佐藤浩一 Koichi Sato: piano
西嶋 徹 Toru Nishijima: bass
河村 亮 Ryo Kawamura: drums

Northern Island Breeze
Rain Dance
Heidi
Love Ballad
Golden Land
After the Ship has Gone
Soul Trip
Cape Light
White Mane
宝島(6/8)

Forgotten Saga

All composed by 和泉宏隆 Hirotaka Izumi


L: 2022年4月23日 ©Hideo Kanno R: 2019年6月15日 (太田剣氏のご好意による)

T-SQUAREの元メンバーで、吹奏楽No.1人気曲ともなった<宝島>の作曲者でもあるピアニスト、作曲家の和泉宏隆(1958年9月28日〜2021年4月26日)が亡くなって早くも1年が経つ。4月25日にお茶の水「NARU」で『太田剣/Songs from the Heart』のレコ発ライブが行われ、その夜26日未明にこの世を去った。筆者はこのバンドのライヴに行こうと決めていて、日にちの把握を誤って近くにいたのに見逃し、5月27日に行くことを決めた矢先で、その機会は永遠に失われた。25日までに太田 剣が和泉と過ごした時間については「和泉宏隆さんの隣にいた日々」を、和泉の略歴と「宝島」については「R.I.P. 和泉宏隆〜『宝島』作曲者、元T-SQUAREメンバー」を参照されたい。


L: 2022年4月23日「NARU」 ©Hideo Kanno R: 2021年4月24日 水戸「Girl Talk」(太田剣氏のご好意による)

今回は最後のライヴに参加した、太田剣、西島徹、河村亮に、ピアニストとして佐藤浩一が加わり、全曲、和泉宏隆作曲のオリジナルを演奏するプログラムとなった。アコースティックだからこそ浮かび上がる、和泉のどこまでもロマンチックなメロディとハーモニー。佐藤にとっては、和泉の最後のバンド、ハコ、そして最後に弾いたピアノという責任とプレッシャーを強く感じていたと思う。佐藤はほぼ初見であり、和泉のプレイを聴き込み研究したこともない。和泉のスタイルを模倣再現するのではなく、楽譜から和泉の世界観を読み取り、オリジナルメンバーの音を聴き合ったからこそ、和泉の音楽により迫れたのではないかと思う。

曲の多くはT-SQUAREにあてて書かれている。同日夜には、ブルーノート東京で「The Square Reunion」が開催され、二つの和泉宏隆ソングブックを体験することができた。オリジナルヴァージョンの須藤満のベースと則竹裕之のドラムスに乗った熱い軽快な演奏、歌をしっかり持った安藤と伊藤のプレイを楽しんだ。キーボード サポートの河野啓三と白井アキトは和泉を深く敬愛し研究しながら独自のプレイをした。両方で演奏された曲は3曲。先述の佐藤の素晴らしさをはじめ、西嶋のウッドベースだからの表現力とピアノとの響き合い、河村の的確なドラミング、太田の和泉への理解と尊敬に溢れた歌うサックス。今の和泉の求めていた音楽に近いものを聴くことができたのではないかと思う。

太田剣もMCで語っていたが、和泉の素晴らしい名曲は、本人の手を離れて世代を超えて歌い継がれていく。そのことも実感させるライヴとなった。

Two by the Pond
太田剣(sax)、和泉宏隆(p)、西嶋徹(b)、河村亮(ds)

和泉宏隆 & 太田 剣 DUO 「RainDance」 at Jazz Spot DOLPHY 2020年9月22日 

和泉宏隆 The Water Colors with 太田剣
和泉宏隆(p) 吉野弘志(b) 石川昌春(ds) 太田剣(sax)

和泉宏隆 <宝島> ソロ・ピアノ・ヴァージョン

神野秀雄

神野秀雄 Hideo Kanno 福島県出身。東京大学理学系研究科生物化学専攻修士課程修了。保原中学校吹奏楽部でサックスを始め、福島高校ジャズ研から東京大学ジャズ研へ。『キース・ジャレット/マイ・ソング』を中学で聴いて以来のECMファン。Facebookグループ「ECM Fan Group in Japan - Jazz, Classic & Beyond」を主催。ECMファンの情報交換に活用していただければ幸いだ。

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