ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #90 M.E.B. <That You Not Dare To Forget>

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マイルスの甥っ子で、80年代前半のマイルス・バンドに参加していたVince Wilburn Jr.と、19歳の時に『Bitches Brew』に参加したLenny Whiteというドラマー二人によってプロデュースされたこのマイルス絡みのアルバムはともかくすごい。マイルス愛を満載しマイルスのスピリッツを継承しながら新しいサウンドを追求している。レニー・ホワイトの素晴らしい作曲と鍵盤演奏に感銘。ヴィンスに聞いた色々な話を交えて分析を試みた。

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ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #85 Joni Mitchell <Moon at the Window>

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体調が心配されるジョニ・ミッチェルがこの夏突然ニューポート・フォーク・フェスティバルにゲスト出演し、多くのファンを安堵させてくれた。ジャズファンにとっても重要な、天才ジョニの凄さの解説を大好きな<Moon at the Window>で試みた。

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ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #83 番外編 “What it takes”

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今回は筆者ツアー中で通常の楽曲解説が書けないので、番外編として頭に浮かんだことを徒然と書いてみた。この9月16日に発表されたマイルスの『That’s What Happened 1982-1985 (The Bootleg Series, Vol. 7)』に含まれる、1983年7月7日のMontreal(モントリオール)Jazz Festivalでのマイルスの演奏に触発されて色々と思考を巡らせてみた。

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ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #80 Theo Croker <Love Quantum>

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大好きなTheo Crokerの新譜が発表された。前作に続く3部作の2作目だ。今回も最高の出来だが、前作とかなり違う。謎のアルバムタイトルの意味や、「ジャズは死んだ」と繰り返すそれぞれの曲の解説を、本人のコメントを交えて解説。

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ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #77 Quincy Jones <Ironside>

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耳に親しんだ音楽が実はクインシー・ジョーンズの作品だったということが多々ある。プロデュースの他にも映画やTV音楽での活躍が多岐に渡るからだ。そんな1曲を取り上げてみた。また、クインシーがプロデュースした歴史に残る大イベント、<We Are The World>にも触れてみた。

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ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #74 Kenny Garrett『For Art’s Sake』

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大好きな画家、Rudy Gutierrezのジャケット画に魅せられて手に入れたケニー・ギャレットの新譜、最初の1曲目から新しいアイデアに吸い寄せられた。アート・ブレイキーに捧げられた曲、<For Art’s Sake>に表れるギャレットのアウトの美学の解明を試みてみた。

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ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #70 Miles Davis<Penetration>

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1991年9月28日に他界したマイルスの最後のヨーロッパツアーの2日目である7月1日、仏ヴェイエンヌ(Vienne)・ジャズ・フェスティバルでのライブ録音がこの6月25日にリリースされた。目玉はなんと言っても初公開になった2曲のプリンス作品だろう。マイルスとプリンスのコラボに関連付け、2曲中1曲を解説。おまけはケニー・ギャレットのユニークなアウトの仕方を解説。

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ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #65 R+R=Now <How Much A Dollar Cost>

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ロバート・グラスパー(Robert Glasper)率いるR+R=Now(Reflect+Respond=Now)の2018年にBlue Note NYCでのライブ版がこの2月12日にリリースされた。先行して1月22日に<How Much A Dollar Cost>がストリーミングサービスからリリースされた。筆者はこれを聴いて胸を掴まれた気分になった。原曲は2015年にリリースされた、ラッパーのKendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)の問題作で、オバマ元大統領のお気に入りの曲としても知られている。今回はいつもと趣向を変えてこの曲を掘り下げてみることにした。

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Interview #215(アーカイヴ)チック・コリア

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ジャズ・ファンに考えてもらいたいことは、ジャズを、黒いとか白いとか黄色いとか、黒人とか白人とか黄色人種とかによって、なぜ分類されなけれぱならないのかということです。

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ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #61 Wes Montgomery <Days Of Wine And Roses>

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筆者のアイドル、ウェス・モンゴメリーの解説を試みた。たった1年で習得したギターをもって、意図せず生まれたグルーヴ満載の特殊奏法と、卓越したライン構成から歴史に大きな刻印を残したウェス。モーツァルト同様シンプルに聞こえるのに技術的な難易度が高い部分とグルーヴ重視のボイシングを解説。

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ジャズ・ア・ラ・モード #34 ビル・エヴァンスの『中年の危機 』

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ジャズ史上極めて重要なピアニストであるビル・エヴァンスの1970年代の変身ぶりについて。

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#02『Miles Davis/Rubberband』

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ただの未発表アルバム発掘リリースではなく、お蔵入りプロジェクトをマイルスの遺志を継いで完成させたこのアルバム作品、筆者はもっともっとメディアで騒がれるべきだと強く感じた。最初にEPとして5つも違うバージョンを作って公開したことも音楽的にはかなり成功していると信じる。

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ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #48 Chick Corea <All Blues>

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訳あってしばらく遠ざかっていたが、「Trilogy」トリオでまた聴きだしたチック・コリアだ。ボストン公演のライブ報告も含め、最新作『Trilogy 2』からマイルスの名曲、<All Blues>を取り上げてみた。多くに誤解されて演奏されているこの曲、チックの奇抜な解釈と、チック節のおしゃれなインプロラインを解説。

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ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #47 Miles Davis <See I See>

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待望のマイルスの『Rubberband』のフルアルバムがついにリリースされた。ボツになったアルバムという危惧をよそに、モダンなミックスとプロダクションで、発掘版ではなく新しいリリースとして充分耐え得る作品だ。このアルバムで重要な役割を果たしたAdam Holzman(アダム・ホルツマン)とのインタビューを中心に、彼も作曲者とクレジットされている<See I See>を解説。

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Interview #195 Theo Croker シオ・クローカー

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楽曲解説の読者はもうご存知と思うが、Theo Crokerは筆者が現在もっとも注目しているアーティストだ。新譜『Star People Nation』のリリースツアーでボストンに来ると言うので早速インタビューを申し込んで、彼のスピリチュアル、哲学的な視点、繊細さなどを探り出してみた。

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ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #40 Wayne Shorter <The Three Marias>

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ウェイン・ショーターの『Emanon』がグラミーを受賞した。2000年に結成した「Footprints Quartet」での4度目の受賞になる。「ユニークで実現困難なアイデアを実現させることにチャレンジする」ことを目指していると受賞式で語ったショーターの、言葉で言い表せない凄さを解説することを試みてみた。彼の天才的な作曲力はもちろん、彼の追従を許さないタイム感に焦点を置いてみた。

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ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #36 Sonny Fortune <Maiysha>

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先日惜しまれて他界したソニー・フォーチュン。雇われたバンドの要求に応じて演奏スタイルを変えることができる職人肌の奏者だった。ミュージシャン仲間や業界関係者から信望厚くその人間性が窺える彼の、マイルス・バンドに於ける彼の持ち曲だった<Maiysha>を解説。リーブマンもを唸らせたフォーチュンのフルート演奏を解説。合わせてマイルスのこの問題作、『アガルタ』の解説もお楽しみ頂きたい。

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ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #33 Marcus Miller <Untamed>

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Untamedと言うのは、野生の、という意味になる。やはりサファリなどアフリカをイメージした曲なのかも知れないが、『Afrodeezia』に収録されているようなルーツ色は薄く、自然にバックビートでグルーヴする曲、なのだが、初めて聞いた時一体この曲はどうなっているのかわからなかたのだ。そんな曲はこのアルバムを通してこの一曲だけであり、即座に楽曲解説の題材にしたいと思った。

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ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #29 Keith Jarrett <Old Folks>

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最初筆者があまり得意でなかったキースのこのトリオ、彼は1988年に病に倒れ、2年間の療養の後グルーヴ感をすっかり変えた。それを記録する貴重なアルバムがこの『After The Fall』。この「スタンダーズ・トリオ」のタイム感のすごさを解説。加えて、名曲<Old Folks>での、キースには珍しい彼のインプロの垂直アプローチを掘り下げてみた。

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ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #25 Jon Hendricks <Manhattan>

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ジョン・ヘンドリクスが他界した。ジャズ界ばかりでなく、ストーンズやビートルズやブラジル音楽家たちにまで影響を及ぼした偉人。ヴォーカリーズをイノベートしたヘンドリクスは、ラップ・ミュージックをこの1958年録音のジョージ・ラッセル作品、『New York, N.Y.』でイノベートしたとも言われている。このレコーディングにまつわるラッセルとヘンドリクスとのやりとりや、歴史に残るコルトレーンの姿などを交えて解説。

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ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #19 <Nardis>

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5月26日、マイルスの生誕91周年を迎え、筆者のお気に入りの<ナルディス>を取り上げ、マイルスが『Kind Of Blue』でジャズの歴史に残したモード・ジャズの解説を試みた。この曲はマイルスがあまりにも時代を先行し過ぎて、作曲当時ビル・エヴァンス以外マイルスを満足させられず、マイルス自身によって録音されることなくボツになった曲だ。

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ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #16 『The Train and the River』

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フュージョン界のゴッドファーザーと言われていたラリー・コリエルが突然死してしまった。筆者の大好きなフィリップ・カテリーンとのデュオアルバムから<The Train and The River>を解説するとともにコリエルの偉業やフュージョンの歴史も解説。

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ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #15 『Nem Um Talvez』

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エルメートがマイルスに提供したこの恐ろしく美しい曲。正しいフォームとコード進行があまり知られていないこの曲を解説。

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ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #11『City Lights』

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13歳の子供がこれだけの演奏をするからと言う理由で注目されている、という事実からジョーイを正当に評価しない意見もよく聞く。しかし、彼のこのアルバムのトラックを他のピアノトリオのアルバムとシャッフルして、ある意味目隠しテストテスト的に流した時、ジョーイのトラックを『未熟』などのような印象を受けるだろうか。筆者にとって、新しさがないから面白くないという印象はあっても、このアルバムは筆者が楽しめるだけの要素を十分備えている。

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ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #9ロバート・グラスパー<Maiysha (So Long)>

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このアルバムは筆者にとって宝箱のようであり、どの曲を楽曲解説に選ぶか随分と迷ったが、よく吟味してみるとどの曲も奥が深く、簡単には楽曲解説などできないと考え始めた。そこで選んだのがマイルスの1974年のアルバム、『Get Up With It』の2曲目、<Maiysha>(マイーシャ)のリミックスだ。

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