三浦一馬 – JazzTokyo

#2065 「アストル・ピアソラ生誕100周年記念」シリーズ

従来のLP、CDを長く聴き馴染んできた人たちがオリジナル・アートワークとリマスタリングの「新バージョン」に心を動かされない訳がない。

一馬君のピアソラへの対し方はあくまでこの偉大な音楽への礼節をわきまえたものだ。次世代の若者によって再発見されたピアソラ像がなんと瑞々しい香気に満ちていることか。

一方、ウィンド・オーケストラの勢いは凄まじいくらい。実際、日本は世界で最もウィンド・オーケストラが盛んな国として知れ渡るようになった。

少なくとも本場アルゼンチンでもこれほどの充実したプログラムと構成のピアソラ・タンゴは滅多に体験できないという感激をひたすら味わいながら楽しんだ２時間余であった。

世代交替は世の常であるが、それにしても昨今、一際優れた能力を持つ新鋭がジャンルの別を問わず、枚挙に暇がないといってもいいくらい次から次へと出現するさまは壮観ですらある。
６月に聴いたジャズ（系）・ヴォーカルの寸評を３つ。もう余白があまりない、最後にクラシックの演奏会から。