ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #106 Jamie Baum <An Old Story>
ジェイミー・バウムの新譜、『What Times Are These』が4月に発表された。彼女初の詩のコレクションをテーマにした作品だ。歌詞に対する複雑なメロディと巧みなアンサンブル、それを実現する演奏者たちの解説を試みた。
続きを読むJazz and Far Beyond
ジェイミー・バウムの新譜、『What Times Are These』が4月に発表された。彼女初の詩のコレクションをテーマにした作品だ。歌詞に対する複雑なメロディと巧みなアンサンブル、それを実現する演奏者たちの解説を試みた。
続きを読むあのサンボーンが他界してしまった。一つの時代が幕を閉じた。どんなジャンルの音楽にも対応できるファースト・コールだった彼は、実は真のブルース・アーティストだった。数多くない彼のオリジナル曲からお気に入りの1曲を選んで、彼がいかに他のアーティストたちと違う次元にいたのかの説明を試みた。
続きを読むブラジリアン・ジャズの新生として以前からアマーロ・フレイタスの名前は聞いていたが、今回初めて彼の音楽に触れてみた。予想に反しブラジリアン・ジャズというよりはミニマル音楽とプログレッシブ・ロックとジャズ・ピアノ・トリオの融合をブラジル特有のタイム感で演奏している音楽だった。ヘミオラの嵐だが決して難しい音楽のサウンドではなく、限りなく美しいその様を解説してみた。
続きを読む今回は、偶然YouTubeで見つけたCharlie Ballantine(チャーリー・バレンタイン)という若手ギタリストを取り上げてみた。恐らく日本では全く知られていないと思う。インプロビゼーションでのフレージング、ギターのサウンド、エフェクターの使い方、曲のアイデアなど全てが新鮮な彼の音楽は不思議な魅力で聴くものを惹きつける。ほとんどネットに資料が存在しない彼を掘り下げてみた。
続きを読む偉大な作編曲家であり、運動家であり、ちょっと怖いけどユーモアたっぷりのCarla Bley (カーラ・ブレイ) が他界してしまった。George Russell (ジョージ・ラッセル) 繋がりで親近感があったのにあまり知らなかったカーラだが、面白いインタビューを見つけたのでそれを含めてユーモアたっぷりのこの1曲を解説してみると、カーラの凄さを改めて思い知った。
続きを読む体調が心配されるジョニ・ミッチェルがこの夏突然ニューポート・フォーク・フェスティバルにゲスト出演し、多くのファンを安堵させてくれた。ジャズファンにとっても重要な、天才ジョニの凄さの解説を大好きな<Moon at the Window>で試みた。
続きを読む今回は通常の楽曲解説をお休みして、限られた時間でつらつらとジョージ・ラッセルから得たものや、音楽と文化背景のことや、音楽を媒体とする人と人のコミュニケーションなどについて書き流してみた。
続きを読む去る2020年12月17日に他界したスタンリー・カウエル、Strata-East レーベルの創始者として歴史に名を残し、また数多くの作品を残したが、ネットに流れたほとんどの追悼記事はカウエルを過小評価されていたアーティストとした。カウエルの演奏を分析しているうちに彼の演奏の特殊性に気が付き、解説を試みた。また、彼が使用していたKymaシステムも解説。
続きを読む楽曲解説の読者はもうご存知と思うが、Theo Crokerは筆者が現在もっとも注目しているアーティストだ。新譜『Star People Nation』のリリースツアーでボストンに来ると言うので早速インタビューを申し込んで、彼のスピリチュアル、哲学的な視点、繊細さなどを探り出してみた。
続きを読む昨年の『Both Directions at Once: The Lost Album』に続き『Blue World』というコルトレーンの未発表アルバムがこの9月27日にリリースされることになった。これは発掘盤ではなく、映画のサウンドトラックのためのセッションがアルバム化されたものだ。コルトレーンとしては前例のない、昔のレパートリーを再びスタジオ録音するという意味で、彼と彼のカルテットの進化の証明が提示された。今回はマッコイの驚異的なコンピング(伴奏)にも焦点を当ててみた。
続きを読むUntamedと言うのは、野生の、という意味になる。やはりサファリなどアフリカをイメージした曲なのかも知れないが、『Afrodeezia』に収録されているようなルーツ色は薄く、自然にバックビートでグルーヴする曲、なのだが、初めて聞いた時一体この曲はどうなっているのかわからなかたのだ。そんな曲はこのアルバムを通してこの一曲だけであり、即座に楽曲解説の題材にしたいと思った。
続きを読む恐らくコルトレーン本人はお蔵入りさせるつもりだったのではないかと思われるレコーディングが発掘された。筆者にとってコルトレーンとは何だったのか、ということに触れながら、先行公開された第一トラックを解説。ビ・バップのフレーズを否定し、4度飛びとペンタトニックなどのフレーズを開発したコルトレーンに焦点を当ててみた。
続きを読む来たる6月15日に発売されるロバート・グラスパーのスーパーバンド、R+R=NOWのデビューアルバムから、シングル先行リリースされた1曲を解説。テレース・マーティンやデリック・ホッジなどの個性の強いアーティストたちとの巧みな共同作業や、グラスパーがいかにマイルスなのかに焦点。
続きを読む他界してしまったセシル・テイラー。彼がライフ・ワークとしたフリーインプロビゼーションではなく、彼のデビューアルバムからオリジナルのブルース曲を取り上げた。分析して初めてセシルのヴォイシングがコード進行に忠実だったことを発見、また、セシルが曲のフォームをいかに尊重していたかなどに焦点をあててみた。
続きを読む15年近くも新作発表がなかったエルメート、昨年2017年に急に2作発表。その2作目『Natureza Universal』はビッグバンドもの。鬼才エルメートの凄さ満載。その一曲<Pirâmide>はエルメートのちからのショーケースとなっているばかりでなく、参加ミュージシャンの脅威的に高い水準も容易に理解できる作品。このアルバムに深く感銘をうけた筆者が楽曲解説。
続きを読むニューヨーク・アートクァルテットなどでの演奏でフリージャズにおけるトロンボーンの位置付けをしたラズウェル・ラッド。恐ろしいほどの数のアルバムを残して他界した、そのほとんどのプロジェクトは多岐にわたるジャンルやスタイルとのコラボ。彼のトロンボーンのスタイルは2種類に別れていたようだ。その2種類が上手に合わさった珍しい録音から1曲解説してみた。
続きを読むこのアルバム『Escape Velocity』は2016年リリースなので、My Pick 2017に含めることはできないが、筆者にとってロバート・グラスパーの『Everything’s Beautiful』と共に最近深く印象に残ったアルバムだ。その中から解説の楽しみ満載の<Transcend>を選んでみた。クローカーの斬新な作曲法とプロダクション能力を解説。
続きを読むジョン・ヘンドリクスが他界した。ジャズ界ばかりでなく、ストーンズやビートルズやブラジル音楽家たちにまで影響を及ぼした偉人。ヴォーカリーズをイノベートしたヘンドリクスは、ラップ・ミュージックをこの1958年録音のジョージ・ラッセル作品、『New York, N.Y.』でイノベートしたとも言われている。このレコーディングにまつわるラッセルとヘンドリクスとのやりとりや、歴史に残るコルトレーンの姿などを交えて解説。
続きを読む面白いのは、マイルスやコルトレーンやエヴァンスやオーネットはラッセルのこの理論に深く耳を傾けたことだった。それがモードジャズの誕生だ。
続きを読む5月26日、マイルスの生誕91周年を迎え、筆者のお気に入りの<ナルディス>を取り上げ、マイルスが『Kind Of Blue』でジャズの歴史に残したモード・ジャズの解説を試みた。この曲はマイルスがあまりにも時代を先行し過ぎて、作曲当時ビル・エヴァンス以外マイルスを満足させられず、マイルス自身によって録音されることなくボツになった曲だ。
続きを読むグルーヴ系の曲やスキャットなので著名なベイリーにしては、この曲はかなり斬新なクリエイティビティーを秘めている。ベイリーは同収録の<Countdown>で示したようにトラディションを重んじる。彼のインプロのラインを見ると教科書に書いてあるようなフレーズが多い。そんな中この曲は聴いた途端におっ!と思わせるコード進行とメロディーラインなのである。
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