小野健彦のLive after Live #401~#406
text & photo by Takehiko Ono 小野健彦
#401 3月20日(水)
サントリーホール(大ホール)
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/index.html
『〈創立70周年記念演奏会〉九州交響楽団・東京公演』
久しぶりの訪問となったサントリーホール(大ホール)にて、『〈創立70周年記念演奏会〉九州交響楽団・東京公演』を聴いた。
曲目:
①ベートーヴェン交響曲第2番ニ長調
②R.シュトラウス交響詩「英雄の生涯」
演奏:(公財)九州交響楽団〈私はお初〉
指揮:小泉和裕(同団芸術監督)
ソロコンサートマスター:扇谷泰朋
さて、本日のマエストロ・小泉氏といえば、これまで、新日本フィル(元音楽監督)、神奈川フィル(特別客演指揮者)、そうして幾度にも亘る都響(終身名誉指揮者)とのタッグを通して楽曲の骨格を掴み取る確かな解釈力と揺るぎない構成力を持つ表現者として私個人的には現在の本邦棒振りの中では最も信頼出来る存在だけに、10年間を音楽監督として共に歩んだ九響とのラスト公演は聴き逃せないと思いつつも公演二日前になり予約手続を行い、ようやく1F最後部の残り1席を確保し現場に向かうことが叶ったのだった。
果たして、快晴から曇天の後、通り雨から強風へと天候もめまぐるしく変化した今日。祝日のそれも昼公演ということも手伝ってか、このコンビとしての最終章を一目目撃しようと日本初のヴィンヤード(ぶどう畑)形式を持つクラシック界聖地のフルキャパ約2千席の9割方を埋め尽くした聴衆が固唾を呑んで見守る中、舞台の幕が切って落とされた。
今日の演目は前述の通りであったが、共にシンフォニーとしては長過ぎず聴き手としては没入しやすいサイズ感(①:35分②:45分)=テンポ設定の中で私は様々な想いを巡らせられることとなった。具体的には、先ずは其々の曲調の対比である。①は比較的清廉とした音の流れの中に平穏かつ晴朗なニュアンスが充満したのに対して、②は時折出現する勇壮なトーンの中に不協和と甘美の趣を巧みに織り成すことに功を奏していた。そんな類似した尺の中に異なる曲想を持つ楽曲を対比させたことで、オーケストラによるクラシック音楽を聴くことの旨味を堪能出来た感が強い。
次にはフューチャーされる楽器群の対比である。①では、クラリネット、ファゴット、フルート等々の木管楽器の活躍が目立ったのに対して②では、弦楽器、金管楽器、打楽器等々が主張する場面が数多く見られた。そこからは東京に居てはなかなか聴く機会の無いオケの其々のパートの表現力をきっちりとお披露目しようとの意図が私には強く感じられた。そんな聴く者に多くの気付きを与えてくれた今日の好プログラム全体を通して、私が感心したのはやはりマエストロ小泉の構成力の巧みさだった。見かけは一見端正でいながらも、楽曲の骨格を極めて明晰且つストレートに捉えながら団員の潜在能力をこの日この刻に最大限引き出そうとするその音創りは熱量に溢れ、終始この広いハコを埋め尽くした全ての耳目を捕らえて離さなかった。
繰り返しになるが、ふたつのシンフォニーの対比を通して、オーケストラによるクラシック音楽を聴く悦びを。更には、このオーケストラを聴く悦びを約2時間という兎角気忙しく時をやり過ごしがちな現代生活を生きる我々の前に惜しげもなく差し出してくれたマエストロの在り様は、まさに音楽監督の名に相応しいものだったと言える。それを聴き取った我々からの惜しみのない拍手はカーテンコール都合5回に及び、その後舞台から団員が全てハケた後もマエストロが独りで舞台に登場するという感動のクライマックスへと繋がって行ったのだった。来たる4月からは新たに同団の名誉音楽監督へ就任するマエストロ。小泉×九響の旅はまだまだ続く。これは何とも楽しみだ。
#402 3月23日(土)
国立 No Trunks
https://notrunks.jp/
渋谷毅 (p) 早川岳晴 (b)
春も間近の氷雨降る寒空の下’22/5以来久し振りの訪問となった国立NOTRUNKSにて、これ迄同所限定だった待望のDUOを聴いた。
渋谷毅(P)早川岳晴(B)
それこそこれまで何度となく触れて来た渋谷さんの現場であるが、ベースとのふたり旅は初めての経験だけに、この街に来ると必ず立ち寄ることにしている(かの忌野清志郎氏や山口瞳氏も贔屓にしたという)「ロージナ茶房」(’53創業)にて、この店名物の酸味・辛味・旨味の三位一体具合も摩訶不思議なボリューム満点「ザイカレー」のみを一心不乱に喰らいつつ心と身体を落ち着かせてから現地へと向かった。
まあそれはそうとして、肝心の音、だ。
今宵はそこに、ドラムスも管楽器もないことから派手さは微塵も感じられない。しかし、ゆったりとした時の流れの中に産まれ行く艶っ気満点の音達は驚く程に雄弁であった。
渋谷氏オリジナル曲〈蝶々〉を手始めに、氏御用達の著名スタンダード曲:(〈body & soul〉+自ら「上品な」と評した〈skylark〉)やD.エリントン〈mighty like the blues〉、B.ストレイホーン〈passion flower〉、C.ブレイ〈sing me softly of the blues〉等のナンバーに加え、これは驚きのセレクトだったH.マン〈comin’ home baby〉等々を連ねながら、中に渋谷氏のソロパート数曲(氏定番の〈new york 19〉からスタートし、板橋文夫作〈good-bye〉で締めた)を織り込みつつ最終盤には、(マヘリアジャクソンの歌唱でも知られる)感動的な〈soon i will be done with the troubles of the world〉を配置し、本編最終曲にTモンク〈misterioso〉を繰り出した後満場のアンコールに応え再び渋谷氏ソロによるオリジナル佳作〈beyond the flames〉(これに浅川マキ氏の声が入ると〈無題〉になることでも有名な)で締めた充実に過ぎた全15曲超。
終始極く落ち着きのある互いの独り言が如何にも無理なく噛み合った深みとコク更にはほろ苦さをも湛えた説得力のある音の連なりは、最早隣席から聞こえ来る単なる会話の域を超えこちらもじっくりと腰を据え居住まいを正して耳を傾けざるを得ない骨太な対話の領域へと踏み込んで行った。渋谷さんの冒険心?遊び心?もおおいにくすぐられているような、見方によれば禅問答の如き稀代の表現者ふたりが見せた重心の低さも際立った音創りは同所限定では如何にも勿体無い、より幅広いジャズファン、否、音楽ファンに聴いて頂きたい崇高な創造物として、私の心の奥底に確たる像を結んで行った。尚、終演後早々にご亭主の村上寛氏(元新生堂中央線ジャズシリーズ・プロデューサー)からこのコンビによる次回公演のアナウンスがあった。
7/26(金)。この日はなんと渋谷氏の盟友であったベーシスト川端民生氏の25回忌にあたるという。これは必聴だ。
#403 3月24日(日)
合羽橋 なってるハウス
https://knuttelhouse.com/
『空間を遊ぶimpro』:さがゆき (g, voice) 森順治 (as/fl/b-cl) 石原雄治 (ds)
お馴染みの合羽橋なってるハウスにて、『空間を遊ぶimpro』を聴いた。
さがゆき(G/voice)、森順治(AS/FL/BCL)、石原雄治(Ds)
私は以前からさがさんの幅広く充実した各種音創りの中で、この’20/9に結成されたユニット名?/ライブポリシー?におおいに惹かれていた。そこでは、ミュージシャンの言葉によく「私は天から降りて来る音を表現しているだけだ」というのがあるが、この御三方の音創りも、その場の空気を掴み取り、その日だけの表現に具現化する試みかと思っていた。果して、今宵の三人の音に触れてみると、そこでは簡単なきっかけを誰かが提示し、それに誰かが呼応し、自らの内に取り込み、咀嚼し、即座に転形させて場に放つ、それを再び誰かがキャッチし変容させ、更に場に放つ、といったようにその循環行為の中で色彩感も趣きも異なるいくつもの音達がブレンドさせられながらハコの空間を満たして行った。もう、そうなると主体は表現者自身ではなく、音それ自体に変わって行った。そこで私は改めてゆきさんがこの日の為に作成したフライヤーを眺めてみた。そこに踊っていたのは「improvisation plays with space」の文字列。そう、「play improvisation with space」ではないのだ。やはり主体はあくまでも音であり表現者ではない、ということだったのか?私はそこで合点が行き、以降俄然面白くなり始めた。表現者達が自身を殊更に主張せずに三人の間で共振するこの日この刻に生まれ行く音を信じ、その行方に身を任せる。そんな、いずれも技量のある表現者だからこそ成し得る、敢えて音の前で無作為を貫く姿勢はなんだか音楽の現場の原始的な在り方を観るようだと強く感じられた。インプロか、フリージャズか、実験的音響かなんて定義付けはこの際全てうっちゃって、ただ眼前に立ち上がり蠢いて行く「活きた」音達にこちら聴き人も身を委ねて行くことの快感。それは何よりも尊いものだと痛感させられた音場との嬉しい出会いの夜だった。氷雨そぼ降る戸外は冷えたが、店内は音の遊戯場と化したため、随分と熱っぽかった。
#404 3月28日(木)
合羽橋なってるハウス
https://knuttelhouse.com/
『山崎比呂志 84th Birthday Live』
GROUP A:廣澤哲 (ts) 広瀬淳二 (ts) 井野信義 (b) 山崎比呂志 (ds)
GROUPB:広瀬淳二 (ts) 原田仁 (voice) 伊東篤宏 (optron) 山崎比呂志 (ds)
今週二度目、日曜日以来の訪問となった合羽橋なってるハウスにて、『山崎比呂志84th Birthday Live』を聴いた。
GROUPA:廣澤哲(TS)広瀬淳二(TS)井野信義(B)山崎比呂志(DS)
GROUPB:広瀬淳二(TS)原田仁(voice)伊東篤宏(optron)山崎比呂志(DS)
最早、同所では同日恒例となったこの名物公演は、元々弥生の空の下に生を受けた表現者達による『三月会』(山崎[’40-3/28生]井野[’50-3/27生]広瀬[’55-3/29生]等)から発展したものであり、ここ数年はmusical directorである広瀬氏が中心となり、山崎さんの日頃の活動ではなかなか合間みえることのない表現者との出会いの場となっている訳である。そんなチャレンジングな音創りを体感しようと今年も例年同様に多くの聴き人が氷雨の中つめかけた今宵。果たして、同店の前々店長である’リマ’哲さんと広瀬さんによる静かなユニゾンの一吹きが祝宴開幕のベルを鳴らし「TRY ANGLE」でも協働中の山崎=井野コンビがフリーに、不確定なビートにと活きた音に対する対応力の柔軟さと懐の深さを見せる中、リマ=広瀬のフロントがテナーの可能性を最大限表現してみせたGROUPA。対してこちら客席も安心して聴いていられるフリーフォームに徹した広瀬氏と山崎氏を中心とした先鋭、そこにエッジの効いたヴォイス・パフォーミングを展開させた(山崎さんとは初共演の)原田氏の前衛。更には視覚にも聴覚にも強く訴える未来楽器の使い手を見事に演じた伊東氏の革新が其々ブレンドされハコ全体がまさに未知との遭遇を体感することとなったGROUP B。と、どちらも既成のジャンルを軽々と越境する創造的な音の軌跡が描かれて行ったが、やはりそのいずれの局面においても、動じず騒がず飾らずに自らのドラミングをつとめて自然体で貫いた本日の主役・山崎さんの存在感が特に際立った。日頃親しく会話させて頂いていても、氏の口から出るのは「まだまだ鼻垂れ小僧」。間違っても「生涯現役」なんてフレーズは出て来ない。「前を向く」心の在り様が違うのだろう。それこそが常に表現者としての高みに居続けられる極意なのだろうとその度に強く思い知らされる。常に能動的で挑戦的で、(こういう物言いはご本人は恐らく否定されるだろうが)野心的でいつつ創造の歩を決して止めない齢84才の表現者と同時代を併走することが出来る我々音楽ファンとしてなんと幸せなことだろうか。
#405 3月30日(土)
町田 Jazz Coffee & Whisky Nica’s ニカズ
http://nicas.html.xdomain.jp/
秋山一将 (g/vo) 高梨道生 (b) 井上功一 (ds)[ゲスト]原朋直 (tp)
少しく久しぶりの訪問となった町田ニカズにて、こちらはかなりの無沙汰が続いた秋山一将氏の現場を聴いた。
秋山一将(G/VO)高梨道生(B)井上功一(DS)[ゲスト]原朋直(TP)〈初参加〉
ここ最近、秋山さんの音創りには欠かせないリズム隊と共に、私にとってはかねてより是非とも小さいハコでその生音に触れたいと願っていた原さんとの共演が実現するとの報に触れ、比較的早い段階からこの日この刻に狙いを定めたというのがことの次第。折しも時期は東京での桜開花宣言も経て新学期到来のシーズン。新しい仲間に触れ「ユニット=クラス(学級)」がどんな様子になるのかおおいに楽しみにその幕開きを待った。果たして、実際のステージに触れ、先ずはフロントに居並んだ秋山さんと原さんの其々のトーンとフレーズが持つ発色の違いが生み出すブレンドの塩梅に唸らされる。秋山さんのギターはやんちゃでニヒル。対する原さんのトランペットはストレートで屈託が無い。そんな悪戯っ子風情と模範生風(所々に茶目っ気もひょいと顔を出すのだが)のようなおふたりの掛け合いがサウンド(=クラス)の中心に有って実にしっくりと来るのだ。そんなふたりを見守る謂わばクラスメイト的存在の高梨=井上コンビの合いの手も自らを必要以上に主張せずとも痒い所に手の届くツボの押さえ方をするのだから、バンド全体のサウンドが引き締まり、「学級崩壊」には至らない。「ゲスト」を招いたワンタイム・パフォーマンスは、当たるも八卦、当たらぬも八卦である。しかし、今宵の音創りは「当たり」だったと思う。そこには、スイートで、ブルージーで、ファンキーで、と幅広い感情の機微を鮮やかに体現してみせた親密度も高いバンドサウンド(=学級編成)を強く感じ取ることが出来た。それはとりも直さず、演者個々人が自らの奏でる音に責任を持ち、その音の前では極めてピュアな姿勢を貫いたからであろうと思う。スリリングでハード・ドライヴィングな化学反応の妙におおいに酔わされたひとときだった。学年主任?学級編成担当?元岡マスターの狙い/想いも見事にハマったのではなかろうか?
尚最後に、本編の全10曲が終わり満場のアンコールに応え、原さんがシットインのコールをしたのは同店バイトスタッフの小池杏奈さん(TP)。実は杏奈さんは、洗足学園音楽大学在籍時の原さんの教え子。私はこのなんとも微笑ましい師弟豪華トランペット・バトルによる〈i’ll close my eyes〉を聴きながら、「音は人と人とのご縁を結ぶ」。「ライブハウスは、まさにその人間交差点」であることを実感しつつ満ち足りた心持ちで帰路についた。今宵は実に晴れやかな現場だった。
#406 4月6日(土)
東京ガーデンシアター
https://www.shopping-sumitomo-rd.com/tokyo_garden_theater/
J. TAYLOR & HIS ALL-STAR BAND
初訪問となった東京ガーデンシアターにて、今宵一夜限りのために来日したJ. TAYLOR &HIS ALL-STAR BANDを聴いた。
ジェイムス・テイラー(VO/G/Hmc)ジミー・ジョンソン(B)ディーン・パークス(G)スティーヴ・ガッド(DS)ケヴィン・ヘイズ(key)アンドレア・ゾン(fiddle/VO)ケイト・マルコウィッツ(VO)ドリアン・ホリー(VO)
+2ndセット サプライズド・ゲスト:キム・テイラー(VO)※ジェイムスの奥方で長年ボストン交響楽団の広報を担当
思い起こせば、残念ながら、F.シナトラ、T.ベネットは間に合わなかったものの、’84のWillieネルソンに始まり、B.B.キング、Jimmyスコット、Bobドロー、更には数度に亘るBobディランと聴き継いだAmerican Singersの現場の中で、最後の意中の人とのご対面が叶った今宵。一夜限りのプレミアム・ライブということもあってか、フル・キャパ4層、約8千席を埋めた大観衆の耳目が注がれる中、定刻18時からややあって登場したジェイムスの「コンニチワ」の一声で開幕した今宵のステージでは、間に約20分の休憩を挟みつつ2セット計2時間に亘りこの稀代のシンガーソングライターの新旧代表曲の数々(後述する驚きのナンバーも含む)実に全22曲が次々と紡がれて行った。そこでは、ハートフルで伸びのあるジェイムスの唄声とサウンドの屋台骨的役割を担ったスティーヴのタイトで歯切れの良いドラミングが手綱を締めたバンドの一体感が冴えに冴えて、まさにオールスターバンドの名に相応しいゴージャスなサウンド・マネジメントが展開されて行った。私自身予々、この広い世界のいずれの国にも存在するその固有の其々の「良心」があると考えて来たが、ことアメリカについては、行楽でNYCを、社用でシカゴ、デトロイト、タルサ、コロンバス等々を旅しただけで、深いご縁を結んだ米国人も居ないことから、アメリカの実相理解には程遠いところに在って55年を生きて来てしまった。しかし今宵のJ JTと彼の仲間達による解放感に満ち溢れた自由度の高い清廉な音の連なりに(ステージから遥か遠く離れた3F後方部席からではあるが)身を任せていて、なにか「アメリカの良心」のようなものを強く想起させられた、そんな永らく心に強く刻まれるであろう夢のような時の移ろひだった。
尚最後に、今宵のステージの中でも特に感動的だったパートとしてアンコール以降の流れについて記して置きたいと思う。本編全19曲が終わり文字通り万雷の拍手に応えたアンコールは先ずほぼメドレー仕様の2曲、その後ステージ前方に演者全員が居並びカーテンコールを終わらせると、ジェイムス自らが促しヴォーカル隊5人のみが居残りダブル・アンコールへ!ここでジェイムス MC曰く、「夫婦共々長年に亘り深い友情関係を結んだ故小澤征爾氏に捧げて」感動的に過ぎる〈you can close your eyes〉が披露された。幼少期の小澤四兄弟もお母様から讃美歌合唱をしこまれたことでも知られるが、複数声によるこの「音楽の捧げ物」は、余りに温かくも切な過ぎる心憎い幕切れの演出となった。
そうして、9月半ばまで続く長いワールド・ツアーの幕開けの地にここ日本を選んでくれジェイムスは最後に「ドウモアリガトウゴザイマシタ」の一声を残し、次の公演地であるフィリピンへと旅立って行ったのだった。