Jazz and Far Beyond

この「音」の静かな緊張感と迫力に圧倒された。様々なノイズと音楽が、演奏する音楽家の生身の姿と一体になり、巨大な作曲家の音楽人生が凝縮されて刻まれている。
ジョビンと坂本龍一が繋いだ日本とブラジルの深い音楽の絆。優れた音楽は新たな手により、形を変え世界に受け継がれていく事を実感させるライブだった。
あまりにも多くのことが展開した70年代、間章の死を契機に彼のもとに集まっていた個々の者たちは、80年代に入り独自の道を歩みだしていた。
坂本龍一23歳の<環螺旋体>設営と「学習団」からのアピール
同時代を生きた偉大な存在が、また一人姿を消した。何とも言えない喪失感だ。
今頃は生田と天国で再会し、再びタッグを組んで創作活動をしてるかもしれない。
要するに坂本龍一はジャズそのものを否定しているのではなく、クリシェ化したジャズを批判していたのだ。
坂本さんは「坂本龍一」としかジャンル分けのしようのない、しかも時空を超越した音楽を創造した偉大な音楽家です。
僕にとって坂本はいつも可能性の源泉と言える。坂本に対する喪失感はとてつもなく大きい。
深く考え、信念に従って行動し、静かに語る、良心を求める真摯な人だと私は思っていた。
人間誰しも聖人君子ではあり得ず、時折りやんちゃな側面を見せるものである。
ここには決定的に欠けているものがある。それはまさに「ウタ」であった。