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My Pick 2024このパフォーマンス2024(国内編)No. 321

#04 Ambience of ECM 稲岡邦彌

Ambience of ECM 
2024年12月13日(金)~21日(土)
10:00/14:00/18:00  (所要時間:1時間程度、事前予約制)
入場料:無料 (要予約)
kudan house (東京都千代田区九段北1丁目15-9) 

主催:東邦レオ
企画:石井りか 原雅明 玉井裕規
選曲:岡田拓郎 岸田繁 原雅明 三浦透子 SHeLTeR ECM FIELD (Yoshio + Keisei)
協賛:ユニバーサルミュージック合同会社
協力:株式会社ジェネレックジャパン、株式会社シンタックスジャパン、ADAM Audio、Audio-Technica、Oshima Pros、Qobuz、WHITELIGHT
企画協力:dublab.jp / epigram inc. 


道を尋ねた近隣の住民から「ああ、萬吉さんのお家ね」と言われた九段ハウスは暁星学園の校門の真向かいにあった。日石の創業者だったという五代目山口萬吉さんの私邸は、数年後に築100年を迎えるスパニッシュ様式の地下1階を持つ地上3階建の耐震設計の有形重要文化財 (https://kudan.house/)。その築100年に迫る洋館を借りての創立55周年のECMエキシビションだった。
このエキシビションは、高田みどりのインタヴュー (ele-king 33)と呼応するところが多いだろうと予想し、それだけに「Ambience of ECM」というタイトルのファッション的な臭いにやや違和感を覚えていたのだが、観終わって「どのような扱われ方をしようとECMはその底力で自立している」という感想を持った。展示は、4フロアに異なったメイカーの再生装置を配し、5人のキュレイターが選曲した音楽をPCから再生するというシステムだった。
BF:Taguchi / 原 雅明
1 F:Adam Audio / 三浦透子
2 F:Audio-Technica / 岡田拓郎 SHeLTeR ECM FIELD (Yoshio +Keisei)
3 F:Genelec / 岸田 繁
直感にすぎないが、僕の耳には地階の Taguchiの音がもっとも馴染んだ。次いで3階のGenelecか。スタジオのモニターで慣れているせいかもしれない。音のヴォリュームはすべてBGMレヴェル。ヴィジュアルでは、初めて目にするものが多かったポスター類。ジャケットのアートワークのクオリティに通じる見応えがった。写真では、卓球に興じるマンフレート・アイヒャーとキース・ジャレットのカット。絶妙のアングルとシャッター・チャンスでふたりの運動能力の高さを捉えたもので、モノクロでは見慣れていたが、大判のカラーでさらに惹きつけられるものがあった。展示場所では、地下のボイラー室。大きな古いボイラーを活かした展示にしばらく釘付けになった。入場は予約制で、おそらく20人ほどが順路のない全館を自由にゆっくり回遊、どの部屋を巡っても数人以上の観覧者が溜まらない配慮はエキシビションの性格上、適切だった。このエキシビションと同時期に上映されていたドキュメンタリー映画『ECM:Sounds and Silence』を併せ観ることによって、「音楽の森」ECMの “Ambience” を理解することはできるのではないだろうか。
帰路、デジャヴュを追って行ったら73年に初めて訪れたミュンヘンの街外れ、グライヒマン・シュトラッセにあったECMのオフィスに辿り着いた。堅牢で粋な九段ハウスには及びもつかないが、創業時のECMもオフィスは2階建の民家だった。

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