ECMから「トリックスター・オーケストラ」他新作2タイトル リリース
ECMから2タイトルの新譜がリリースされた。シミン・サマワティとキータン・バティの『トリックスター・オーケストラ』(ECM2696) 、ニュー・シリーズからコンスタンチ・ゴウルチの『アンジコン (ANÁJIKON) 』(ECM2545)。
シンガーのシミンとパーカショニストのキータンはECMからデビュー済みのベルリンを拠点に活動するユニット「シミノロジー」のキー・メンバーで、トリックスター・オーケストラはシミノロジーの拡大版といえる。ふたりのディレクションによるオーケストラの成果はトランスカルチャル・モダーン・ミュージックで、聖歌からペルシャ語とヘブライ語、トルコ語、アラビア語を駆使するスーフィの詩人ルミとはフィッツのテクストに及ぶ伝統的な詩歌からインスピレーションを得たもの。インストゥルメンテーションの拡大により、ダイナミクスとテクスチャ、カラーがさらに豊かなものとなった。トリック・オーケストラは2013年、シミンとキータンによりベルリン・フィルの教育プロジェクトの一環として組織され後に独立組織になたもので、オーケストラにはベルリンを拠点に活躍する2人の日本人女性、ヴィブラフォンの斎藤易子と箏の菊地奈緒子も参加している。
New Seriesからは、『Music for piano and string quartet’,’Music for piano and string quartet’』(ECM2309NS, 2014) でECMデビューしたギリシャの女性作曲家/指揮者コンスタンチ・ゴウルチの2作目『アンジコン (ANÁJIKON) 』。ゴウルチはアテネで生まれ、ミュンヘンを中心に活動している。新作では、直近10年間に書き上げた新作3曲を弦楽四重奏団とオーケストラで演奏、作曲と指揮は自分の活動として分かち難くあるとするゴウルチ自身がスイスのルツェルン・アカデミー・オーケストラを指揮している。