JazzTokyo

Jazz and Far Beyond

ロシア・ピアニズム

Concerts/Live ShowsNo. 248

#1043 トリフォニーホール・グレイト・ピアニスト・シリーズ2018『エリソ・ヴィルサラーゼ ピアノ・リサイタル』

指先と鍵盤との距離は最短であり、音が生成されるまでの速度は最速だ。ネイガウス門下、ロシア・ピアニズムの黄金時代を今に継承するヴィルサラーゼの奏法は合理性に貫かれている。どっしりと体幹を構え、身体の動きは最小である。

続きを読む
Concerts/Live ShowsNo. 236

#988『トリフォニーホール・グレイト・ピアニスト・シリーズ2017-18/エリソ・ヴィルサラーゼ&新日本フィルハーモニー交響楽団』

名伯楽としてのキャリアが示すとおり、その演奏は決して奇抜な個性を押し出すものではない。楽曲の構成を噛み砕き、熟成させ、演奏の起伏を決して感情任せにしない。ポイントとなる音やフレーズを起点に変化を持たせ、裏づけ充分に作品を内側から組み直してはドラマを捻出する。演奏は自ずと説得力に満ちたものとなる。

続きを読む
Concerts/Live ShowsNo. 224

#923 ロシア・ピアニズムの継承者たち第12回/ユリアンナ・アヴデーエワ プロジェクト2016 [第1回]リサイタル

プログラムをみれば一目瞭然であるが、音でつむぐ時代考証のようなステージングである。アヴデーエワのピアニズムに固有なのは、その全方位的な音の伸びだろう。何よりも縦にバウンドする力がある。音が単に伸びるのではなく「立ちのぼる」。

続きを読む