Jazz and Far Beyond
住宅地のど真ん中にある扉を開けるとジャズ・レジェンドたちの肖像写真に囲まれた音楽空間が広がるマジカルなスペースで繰り広げられるドイツ・アヴァン・ジャズの熱演は、おそらくヨーロッパの田舎町のライヴハウスやジャズカフェでの演奏に近いシンパシーを感じたに違いない。
今年一番印象に残っているライブは、やはりなんと言ってもCory Henry(コーリー・ヘンリー)のソロピアノのライブだ。こんなに単純な楽しさを提供してくれるコンサートに行ったのは久しぶりだった。
大島の加入によって内向的だったFutari(藤井と齊藤)の音楽が外向的になった。SANはSUNをも意味するのかも知れない。
3人はそれぞれ自分の作業に没頭し好きなルートを走り、ときどき横目で並走者のルートに入ったり、なにやら投げつけ合ったりもする。音がどこから聴こえるのか、そこからなにを感じ取るのか。場の力と演者の力が手を組んだライヴだった。
メールスでアレクセイ・クルグロフに再会できたことが嬉しかったと同時にカリーナ・コジェーヴニコワを知ることが出来たのは大きな収穫だった。