Jazz and Far Beyond
歴史的パフォーマンスを収録した今回のDVD、タンゴ・ファンのみならず全ての音楽ファン必見の内容である
2015年9月のニューヨーク。6日間で20を超える数のギグに立ち会った。無限の魅力を持つジャズの街なのだ。
情報の海にあって位置と方向を見定めるための灯台。ニューヨークの『The New York City Jazz Record』、東京近辺の『ト調』。
text and photos by 吉
2015年はバード生誕95年、没後60年。8月29日のチャーリー・パーカー・バースディ・セレブレーションに合わせてカンザス・シティに滞在。
ケルンを本拠地とするアン・ハルトカンプ(vo)とトーマス・リュッケルト(p)によるビル・エヴァンスへのトリビュート作品。タイトルの通り、ビルへのリスペクト、その音楽への愛情がやわらかな雰囲気となってアルバム全体を満たす。
一見容赦ないエネルギーで鍵盤が御されるなか、音間から立ち上るスクリャービン特有の複雑な和声は、馥郁(ふくいく)とした味わいとともに極めて知的なクールさも保持しつづける。激情と怜悧の二重唱、それが肉厚なサウンドのなかに盛り込まれる。ヴォスクレセンスキーの最大の魅力のひとつだ。
“Partitura Project”とは、マリア・ジョアン・ピリスが現在教鞭をとるエリザベト王妃音楽院が中心になって進めているプロジェクトである。いわゆるスター・システムに浸食され、競争の場と化してしまった音楽教育の現場に一石を投じるもの