JazzTokyo

Jazz and Far Beyond

閲覧回数 16,815 回

InterviewsNo. 305

Interview #269 木村泉 Izumi Kimura(ピアニスト、ダブリン在住)

Interviewed by Kazue Yokoi 横井一江 via ZOOM on August 25, 2023

 

木村泉はダブリン在住のピアニスト。桐朋学園大学卒業後、1995年に移住したアイルランドで、ジャズ・ミュージシャンや即興演奏家と知り合い、クラシック/現代音楽から即興演奏まで幅広い活動を行っている。抽象と具象、即興と作曲の間を探求する彼女は、2021年にはフィールド・レコーディングとの即興演奏によるコラボレーションというこれまでにない試みによる作品『Izumi Kimura, Cora Venus Lunny, Anthony Kelly / Folding』(Farpoint Recordings) (→リンク)を発表。共演者にはバリー・ガイ(b)、ジェリー・ヘミングウェイ(ds) 、沖至(tp) などがいる。今年7月にはジェリー・ヘミングウェイとの新作『Kairos』 (Fundacja Słuchaj) をリリースした木村に即興演奏との出会いや現在の活動などについて話を聞いた。

— いつ頃から即興演奏に興味をお持ちになったんですか。

木村泉 (KI): 私はかなり小さな頃から音楽家になりたいと思っていたのです。母が音楽好きで、主婦だったのですけれども、声楽をやっていて、いつも歌を歌っていました。私はピアノを弾くのが大好きだったのですけど、作曲とか即興演奏とかの方により興味がありました。どちらかというとクラシックの曲に囲まれていたのですが、子供なりにどうやったらこんな曲が書けるんだろうみたいなことをよく考えていました。
高校から桐朋のピアノ科に入りました。というのも、11歳の時に三善晃の曲を弾いて、どうしてもこの作曲家が創立した学校に行きたいと単純に思ったからです。桐朋に入ることによって、ピアノを弾くだけではなくて、もっと大きな意味で勉強、音楽の勉強ができると信じて一生懸命練習して入ったんですよ。しかし、入学してみると全然違ってもっと狭い世界で、音楽自体を学ぶというよりも、むしろ逆方向でした。だから、桐朋の7年間は私にとってはかなりきつかったですね。

学生時代からすごく色々なものを探していたんです。横浜から通学していたので、学校の帰りに毎日ライブラリー、本屋、レコード・CDレンタルのお店に寄っていました。当時はまだインターネットもなく、今のようにオンラインで音楽を聴ける時代ではなかったから。90年代はじめでしたが、私にとって重要だったのはボブ・ディランでした。1日ほぼ4時間の通学時間中、ウォークマンでディランやビートルズとその周辺の音楽ばかり聴いて、ドストエフスキーとジャック・ケルアックを繰り返し読んでいました。そこから、ブルースとジャズに移行し、ジャズピアノとかジャズの名盤も毎日のように借りてきて、聞きまくっていたのですよ。ただ、聞いているものと実際に学んでいたことがかなり離れていて…。例えば、一番初めにアート・テイタムを聴いた時に、完全にノックアウトされました。あと、キース・ジャレット・トリオが東京に来た時にひとりで聴きに行って、すごい衝撃を受けたのです。けれども、人生が変わるような衝撃を受けたことは確かなのですけど、一体何がどうなっているのか、全然理解が出来なくて、その気持ちを表現したり疑問をぶつけたり質問したりできる相手が周りに誰もいない。ただ一つわかっていたのは、今のままの環境でいくら練習しても、『本当の音楽』の世界に飛び込むことはできないということでした。自分がいる世界と、聴いている音楽の世界がどう繋がるのかっていうのがわからなくて、いろいろ模索していたのですよね。それはすごく孤独な作業でした。だから、私の場合、即興演奏に途中から目覚めたというよりも、なかなか、そこにたどり着けなかったという感じです。結局すごく遠回りすることによって、ようやくスタート地点に立てたのです。

— どのようなきっかけでクラシック/現代音楽の演奏以外に実際に即興演奏をするようになったのですか。

KI: 即興自体、子供の頃はよくそういうことを普通にやっていました。しかし音楽を真剣に学びたいと思ってそういう環境に入ったつもりだった、その時期から、即興演奏とかそういうものはもう時間の無駄であるというムードになって、楽譜に書かれていない音を一音でも弾く事故を避けるようになってしまいました。そこからまた子供の頃のような弾き方に戻る、そのきっかけというのはそうですね。大学を卒業して、音楽を続けたいと思ったんですけど、とにかく全く違う角度からすべて新しく始めたいという気持ちでアイルランドに行ったのです。そこで突然結婚してしまい、2人子供が生まれて、人生の諸々に精一杯で12年間くらい経ってしまいました。ピアニストとしては、たまにコンサートをしましたが、オーケストラやアンサンブルの仕事が来れば受け、試験の伴奏をしたり、子供連れて教えにいったり、とにかくできることはなんでもやっていました。

その後、シングルマザーになり、子供を預けた後に当時ダブリンの家の近くにあった音楽学校(Newpark Music Centre)に忍び込んで練習していたのです。それを聞いて、ジャズ科のディレクター、ローナン・ギルフォイル Ronan Guilfoyle がノックをして入ってきて、それは何の曲ですか、と尋ねました。たしかシュールホフの曲だったのですが。それが重要な出会いでした。彼はジャズ・ベーシストなのですが、クラシックの演奏家のためにも作曲したり、幅広い活動をしている人です。その出会いがきっかけで、ローナンさんが書いてくれたピアノソロ曲やアンサンブル曲の初演、録音をしたり、何年間かに渡って、色々な経験を積むきっかけとなりました。そして、ジャズ・コミュニティにだんだん入っていたんですよ。ジャズギタリスト、Tommy Halfertyとデュオで演奏したり、とにかく弾きながら学んでいきました。ジャズ・コミュニティでは周りの人はもちろんみんな即興演奏をごく当たり前にしているので、一緒に演奏しましょうみたいな感じになる度に、いかに自分がすごく硬く、何も知らないかということを思い知らされました。ジャズというのは言語じゃないですか。私はジャズ言語は聞き取ることはすごくできるんですけどうまく喋ることはできないので、そこをどう自分なりに克服して彼らと一緒に音楽を作っていくかというのが課題でした。人生全てのエリアに渡って、アウトサイダーとしてどうやって交渉していくかというのが一貫したテーマとしてありました。アイルランドは日本ほどではないですけれども、クラシックとジャズの間には溝があって、その間を繋ぐインフラみたいなのはあんまりなかったんですよ。しかし狭い世界で、そのいいところは割といろんな人とすぐ、知り合って演奏できる状況があるということでしょうか。それと、アイリッシュの一番の特技がユーモアのセンスであるというところですね。

— 様々なミュージシャンとこれまで共演なさっておりますが、その中に沖至さんのお名前もありました。フランス在住の彼とどのようにお知り合いになったのですか。

IK: ローナンさんの曲を共演したステファン・ペイヤン Stéphane Payen というフランス人のミュージシャンがいて、彼とは今でも一緒に演奏したり、プロジェクトをやっていますが、彼は私と同世代のジャズ・ミュージシャン、アルトサックス奏者でパリに住んで活躍しています。私なりの即興演奏を模索していた頃、週末にパリに何回か子供連れで行って、ステファンと一緒にクラブで演奏したりしていたら、佐藤真さんというドラマーを紹介されました。佐藤真さんはすごく素晴らしい方で、知り合って一緒に演奏してすごく楽しかったのですよ。もうパリに50年くらい住んでいらっしゃるのではないでしょうか。沖さんとは長い歴史を持つ仲間で、今度は沖さんと一緒に演奏しましょうと言ってくれて、2回だけカルテットとして(沖さん、ステファン、真さん、私)、一緒にクラブで演奏することが出来ました。またやりましょうと言って下さっていたのですが、実現せず、逝ってしまわれました。

『Izumi Kimura, Barry Guy, Gerry Hemingway / Illuminated Silence』( Fundacja Słuchaj)

— バリー・ガイ、ジェリー・ヘミングウェイと一緒にCDをお作りになっていますが、彼らとはどのように知り合ったのですか。

IK: もう8年ぐらい前になりますか。ダブリンでバリー・ガイのコンサートに行ったのですね。それとは別に、同じ年にスイスジュリー・ヘミングウェイのコンサートを観ました。その頃、私はあまり彼らの歴史についての知識がなくて、例えばマリリン・クリスペルと彼らのトリオとかも知らなかったのですよ。でも、二つのコンサートを別々に何ヶ月か間を置いて聴いて、なんというか、相当勇気のいることだったとは思ったですけれども、この人たちと一緒に弾けるような気がしたのですよね。だんだんステップアップして経験を積んだ上で一緒に演奏するとか、そういうのを全部すっ飛ばしているというのは自分ではわかってはいたのですけれども…。ほとんど即興演奏の経験がないも関わらずこの方達と絶対に一緒に弾きたいと思ってしまったです。それで、とにかく連絡して損をすることはないだろうと思って、バリーとジェリーに別々に連絡したのが、2015年だったかな。2016年に彼らを別々に訪問して一緒に演奏しましたメンターを探していたです。翌年、彼らをアイルランドに招待して3つのデュオンサートを行いました。それは言うまでもなく、すごく良い経験となり、鍛えられました。また演りましょうという感じになり次の年にトリオで演奏したのです。そのコンサートの録音を聞いてもらったポーランドのレーベルがリリースしましょうと言ってくれました。それがCD『lluminatedSilence』(Fundacja Sluchaj) です。

— バリー・ガイは奥さんのマヤ・ホンバーガーがバロックヴァイオリン奏者ですし、バロックと即興音楽、両方やっていることもあって、相性がいいなと感じました。

バリーのスピリットはフリージャズの歴史を受け継いでいて、しかし作曲家としての考え方はクラシックに近いところが多いと思います。彼の音楽の素晴らしさ、物凄さはバロックとコンテンポラリーのテリトリーで全開され、ウォーキング・ベースを弾く典型的なジャズ・ベース弾きとは全く違う。そのセンシティヴィティはむしろコンテンポラリークラシック奏者のもので、音自体に間があるじゃないですか。速度は電撃的ですが。だからバリーと一緒に弾くのは最初からすごく楽しかった。会ったその日に一緒に弾いてしまったのですけど、いろんな意味で本当に勉強になり、お二人ともとても暖かい、素晴らしい人達で、まるで家族の一員のように扱っていただいて、心から感謝しています。

私にとって即興演奏をすることは自由になりたいという欲求自体なので、色々な勉強をしなければいけないのです。私はいわゆるジャズピアノを弾きませんけれども(少なくとも人前では)、普段仕事をしている場がジャズ・コミュニティで、私のほかクラシック出身の教師はあまりいないジャズの学校でイアー・トレーニング(聴覚訓練)とかを教えているので、いくら学んでも学び足りません。10年ぐらいたってやっと、若い世代のジャズ・ミュージシャンにとって役に立つようなイアー・トレーニングをするような努力が少しづつ実ってきていると思います。それは昔桐朋で教わった聴音・楽典とはかなり違うものですが、あの時に身につけたものは部分的には役に立っています。常にいろいろな模索に次ぐ模索で、気がついたら、それが私なのかなという感じになっています。

— 前作はヴァイオリン/ヴィオラのコーラ・ヴィーナス・ラニー Cora Venus Lunny との即興デュオでしたよね。彼女はその前の作品『Folding』(Farpoint Recordings) にも参加していました。彼女はアイルランドの方ですよね。

IK: コーラはアイルランドで生まれ育っていて、クラシック音楽の世界では十代の頃から活躍していて、スター的存在で世界的なツアーをしたりしていました。お父さんのドーナル・ラニー Dónal Lunny は国内外で活躍してきた、著名なミュージシャンです。国民的存在といってもいいような。コーラは素晴らしいミュージシャンで、やはりクラシックから始まって、コンテンポラリー、そこから即興というルートでしょうか。コーラとのデュオでは、とても深いコミュニケーションが可能なのです。お互いにとても重要なプロジェクトで、大切にしていきたいと思っています。コーラは、私が知っている中で最もエモーショナルな表現を、技術を感じさせない高い技術で直接身体的に刻印できる稀な音楽家です。

『Izumi Kimura, Cora Venus Lunny, Anthony Kelly / Folding (Farpoint Recordings)

— CD『Folding』(→CD Review)はフィールド・レコーディングとの即興演奏によるコラボレーションというこれまでにない試みによる作品でした。このプロジェクトは続けていらっしゃるのでしょうか。

IK: このプロジェクトは必ず継続します。実現するのは来年以降になると思いますが、次のアイデアは少しずつ育っています。3人とも(これはコーラとアンソニー・ケリーとのトリオなので)忙しいので、ゆっくりですが、第2弾制作の計画は進んでいます。

『Folding』は私がダンレアリという地域に住んでいた頃、そこのアーツ・オフィスであるライブラリーのミュージシャン・イン・レジデンスとして実現させることができたプロジェクトだったのですが、この9月に今回はベルファストで、ミュージシャン・イン・レジデンスとして活動できることになりました。自分の好きなプロジェクトをする場をいただけるという点で、レジデンシーは本当にありがたいシステムです。今回はテキストを使い作曲・即興演奏をしたいと考えていて、現在ベルファスト在住の詩人と連絡を取っています。

— 現在の演奏活動について教えてもらえませんか。

IK: もっと演奏したいなと思っているんですけれども、、、アイルランドで自分が全てをオーガナイズしてコンサートを行うということは最近あまりやっていないですね。呼ばれて演奏することや他の人のアンサンブルで弾くことはありますが。演奏活動自体は国外に出てもっとやりたいなと思っているので、それは今後の課題という感じですね。

アイルランドにはヴェニューはあるのですが、ピアノがないところが多いのですよ。いいヴェニューはありますが数が限られています。そして、よりフリーなインプロに対しての考え方はまだ古い。ですから、もっと経験を積むためには外に出なければなりません。パンデミックの前ですが、バリーとジェリーとのトリオやデュオで、ドイツ、スイス、ポーランド、アゾレス諸島等で演奏できたのが嬉しかったですね。

次は、先ほども触れたベルファストのレジデンシーです。それから、レコーディングがいくつか入っているのでその準備をしています。

— 7月にリリースされたジェリー・ヘミングウェイとの『Kairos』(Fundacja Słuchaj) を聞いて、空間的にサウンドを捉えているところであるとか、お定まりの俗にいう「インプロ」とは違い、新鮮な印象をうけました。

IK: ジェリーがほとんどポストプロダクションをしました。彼のミックスによって、空間的というか、「間」、音の間がすごく強調され、特に最初のトラックなど、2人のインターアクションに間がたくさんあることから、スペースがスペースとして在る瞬間に起こる『層』が浮き出され、確かにより繊細に聞こえます。

アルバム全体のテーマとして時間というのがあります。時を表す言葉には2つありますよね。クロノス (chronos) は時計で測れる時間、私たちが日頃生活で使っている何時とかですよね。それに対してカイロス (kairos) とはタイミング、ある出来事が起こる瞬間というか。例えば矢を放つ瞬間、その一瞬でもあり永遠でもありみたいな、私の解釈ですが。このアルバムの一曲一曲がいろんな意味で時間と関係があるのです。アルバムカヴァーの髪の毛も、1曲目の『デンドロクロノロジー』も、それぞれの曲がいろんな意味で、時間と関係しています。

— アルバム全体としてひとつの作品になっているのでしょうか。ところで、1曲、Track 7<Over the Tide>だけはトラデショナルでジェリーが歌っていましたよね。

IK: 彼はドラマー・パーカッショニストとして本当に素晴らしい人なんですけど、実は歌うことにもすごく情熱があって、知識も深く広く、ポップ・ミュージックとかカントリーとかもすごく好きなんですね。自作曲セルフプロデュースのアルバム(Afterlife)をリリースしたり、シンガーソングライターとしてもっとポップよりな音楽も追求しているんですね。彼のアイデアで、私たちのアルバムではバハマのトラディショナルを一曲入れたのです。彼は最近はドラムを叩きながら歌うこともしていて、これがとても素晴らしい演奏となっています。昨年、ダブリンのナショナル・コンサートホールで3つのコンサートをキュレートし演奏するという良い機会をいただいて、そのうちのひとつを彼とのデュオで演りました。アルバム『Kairos』の内、3つのトラックはその時のライヴ録音です。ジェリーはそのコンサートで<Over the Tide>も歌ったのですが、CDに収録したのは彼が住んでいるスイスで録音した時の音源になります。6月に、アイルランドのスタジオでこの曲を含めた数曲を録音し、ビデオを作りました。ここでは、かなり違う編曲となっています。

— 木村さんの最初のCD『Asymmetry』(Diatribe) は現代音楽で、日本とアイルランドの作曲家を取り上げていましたよね。その後のアルバムは即興演奏。ずっと即興演奏もやってこられて、クラシック/現代音楽の作品を演奏する際のアプローチが何か以前と変わりましたか。

IK: 即興と作曲は、過程は違いますが根っこは同じです。演奏のインタープリテーション(解釈)はもっと違うプロセスとマインドセットが必要ですが、即興したり作曲することによって、他の人の曲を演奏するやり方が変わるっていうのは確かにあると思います。即興演奏を始めてから、例えばバッハの弾き方とかも相当変わったと思います。自分ではクラシックも演奏しますけれど、その弾き方が変わりました。これはもう相互関係というか、一緒にだんだん変わっていくようになったんじゃないかなと思います。

— 今、バッハの名前が挙がりましたが、具体的にどのように変わりましたか。

IK: バッハはロジカルに解釈できるし、することが大切だと思います。ハーモニーとメロディの相互関係という意味で。学生の頃は、あんまりそういう捉え方をしていなくて、というか、したくてもできなくて。近頃はどのような教育をするか知らないのですが、ハーモニーをアナライズするよりも、とにかく練習しろみたいな感じで私は教わったので、即興演奏を始めてから、はじめて自分の中でその理解が深まりました。それまでは感覚とフィジカルなテクニックに頼って弾いていました。フィジカルなテクニックは無駄には絶対なりません。クラシックのレパートリーを一生懸命練習することは、結局ハートと耳と手を繋げるという作業だと思うので、だからそれ自体はとても大切なことです。即興の練習を始めたことによって、それに加えてインテレクチュアルな理解と、その上、弾くこととうたうことの関係が以前よりも深まりました。自分の『声』を探すその過程によって得られる何かだとおもいます。

私はもっとクラシックの人たちに即興演奏を始めてほしいと思っているのです。教育者として、ピアノの先生というよりもそういう教育をもっとしたいなと思っていて、最近、クラシック出身で即興演奏が大好きな素晴らしい同僚たちとワークショップをやっています。私にとって一番大切なのは、コミュニケーション、特に言葉では表現できない場所で繋がるという経験、それによって古い壁が崩され流されていくという体験です。即興演奏を追求することは私にとってそういうことです。

— どうもありがとうございました。

木村泉とジェリー・ヘミングウェイとのデュオ・アルバム『Kairos』がリリースされたこの機会に、日本でもこのデュオでのツアーを是非実現させてほしいものだ。


『Izumi Kimura, Gerry Hemingway / Kairos』 Fundacja Słuchaj! (FSR07/2023)

Izumi Kimura – piano
Gerry Hemingway – drums, marimba, vibraphone, voice

1. Dendrochronology  5:45
2. Water Thief  4:43
3. Day Into Night  10:13
4. Chronostrata  2:10
5. Cloud Echoes 7:28
6. Kairos  5:14
7. Over the Tide  6:07
8. Circadian Twilight  1:01

1,2,4,6,8 composed by Izumi Kimura (IMRO), Gerry Hemingway (GEMA/BMI)
3 composed by Gerry Hemingway (GEMA/BMI)
4 composed by Izumi Kimura (IMRO)
7 traditional arranged by Izumi Kimura (IMRO), Gerry Hemingway (GEMA/BMI)

1,2,4,7 & 8 recorded in Luzern, Switzerland August 13, 14, 2022
3,5,& 6 recorded at the National Concert Hall, Dublin, Ireland May 17, 2022 by Ian Dowdall

Produced by Izumi Kimura & Gerry Hemingway
Mastered by Jim Hemingway

Bandcamp: https://sluchaj.bandcamp.com/album/kairos
Fundacja Słuchaj: https://fsrecords.net/catalogue/kairos/

https://izumikimura.com
https://www.gerryhemingway.com

Videos:
https://youtu.be/q0nKA63ymsM(Kairos Pt. 1)
https://youtu.be/ujSsJeAeyYQ (Kairos Pt. 2)
https://youtu.be/Gya2t7STU7A.  (Kairos Pt. 3)
https://youtu.be/GNcFjh3DGMg.  (Rivertide)


【関連記事】
#2099 『Izumi Kimura, Cora Venus Lunny, Anthony Kelly / Folding』

#2099 『Izumi Kimura, Cora Venus Lunny, Anthony Kelly / Folding』

横井一江

横井一江 Kazue Yokoi 北海道帯広市生まれ。音楽専門誌等に執筆、 雑誌・CD等に写真を提供。ドイツ年協賛企画『伯林大都会-交響楽 都市は漂う~東京-ベルリン2005』、横浜開港150周年企画『横浜発-鏡像』(2009年)、A.v.シュリッペンバッハ・トリオ2018年日本ツアー招聘などにも携わる。フェリス女子学院大学音楽学部非常勤講師「音楽情報論」(2002年~2004年)。著書に『アヴァンギャルド・ジャズ―ヨーロッパ・フリーの軌跡』(未知谷)、共著に『音と耳から考える』(アルテスパブリッシング)他。メールス ・フェスティヴァル第50回記。本『(Re) Visiting Moers Festival』(Moers Kultur GmbH, 2021)にも寄稿。The Jazz Journalist Association会員。趣味は料理。当誌「副編集長」。 http://kazueyokoi.exblog.jp/

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください