RIP トゥーツ・シールマンス
Toots Thielmans
トゥーツ・シールマンス
本名は、ジョン・バチスタ・シールマンス(男爵)。Tootsはニックネーム。ハーモニカ、ギター、口笛奏者。
1922年4月29日、ブリッセル生まれ。2016年8月22日老衰のため死去。
3歳からアコーディオンを始め、17歳でクロマチック・ハーモニカを手にする。両親が経営するレストランで演奏していたが、40年代初期、ジャンゴ・ラインハルトの影響を受け独学でギターを弾き始める。
1950年、ギタリストとしてベニー・グッドマンのオールスター・バンドでヨーロッパを楽旅。1952年、米国へ移住、あこがれのチャーリー・パーカーのオールスター・バンドで演奏。1953年から6年間は、ジョージ・シアリングに見込まれ彼のクインテットの専属ギタリストとなる。
1961年、ストックホルムで、初レコーディング。自作の<Bluesette>をギターと口笛のユニゾンで演奏、大評判を得る(この<ブルーゼット>多くのミュージシャンに愛奏され、ジャズ・スタンダートとなっているる)。60年代に入るとスタジオ・ミュージシャンとして知名度を上げ、クインシー・ジョーンズ・オーケストラでは度々ソロイストとしてフィーチャーされた。モントルー・ジャズ・フェスのライヴ録音では、オスカー・ピーターソン(1975)、ディジー・ガレスピー(1980)、パキート・デリヴェラ(1984)と共演・録音。
ギターと口笛のユニゾンは評判をとったが、晩年ますます味わいを増したハーモニカがやはりトゥーツのトレードマークだった。ジャズ・シーンで活躍する他、映画のサントラ(『ミッドナイト・カウボーイ』他)やTV-CMの録音に参加、TV番組「セサミ・ストリート」ではハーモニカが、「オールド・スパイス」のCMでは口笛がフィーチュアされた。
2001年、フランス政府から芸術文化勲章を、ベルギー国王アルバート2世からは男爵の爵位を授けられ、シールマンス男爵となった。
2006年に続いて2011年10月、89歳で来日、ブルーノート東京、丸の内コットンクラブ、すみだトリフォニーホールの公演を元気にこなし驚かせた。
2009年には永年の功績が讃えられ、米NEA Jazz Master に選出された。
2014年、91歳で引退を表明、晩年を生まれ故郷のブリュッセルで過ごしていたが、2016年8月22日、眠りについたまま息を引き取った。享年94。
photo: ⓒ 2016 Takehiko Tokiwa,NYC
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