追悼 沖至「あのマイク、グーだな」 recording engineer 及川公生
text by Kimio Oikawa 及川公生
舞台下手にピアノ、ギター、ベースなど、上手に弦楽器オーケストラ。舞台センター、何かと思わせる広い空間が? この空間が沖さんの居場所であった...。
これを「ワン・ポイント」で録音してほしいとの依頼。リハで「ワン・ポイント」収録は無理と判断。はい!マイキング総入れ替え。下手はピアノ、ギター、ベース、ドラムにマイクを、弦楽器はこのサウンドを4本で捉える。つまりオーケストラのサブ・マイクみたいなもの。これをリハ収録。各パートから、これならとOK が出た。さてセンター空間は...沖さんの場所なのだ。トランペットに1本のマイクを置いておく、なんて、沖さんに無礼だと?
ここに沖さんの身長の半分くらいの高さに、2本のマイクをセット。L チャンネル、R チャンネルである。沖さん何事もなく、この2本のマイクの音像を造って演奏された。私、何も口出さなかったけど。
打ち上げで、「あのマイク、グーだな」と。
『沖至六重奏団/コンサート・ウィズ・ストリングス』
グ・ルーヴ / What’s New Records WN-1004 (1998/12/25発売)
沖至 (tp) 渋谷毅(p) 中牟礼貞則(g) 翠川敬基(vc) 望月英明(b) 芝垣安洋(ds)
ストリングス:アンサンブル・セレンディピティ
1. Memories Of YouComposed
2. You Are Too BeautifulComposed
3. I’m Gett’n Sentimental Over YouComposed
4. Summer Tango (Itaru Oki)
5. Like Someone In Love
6. Ikiru (Itaru Oki)
7. My Funny ValentineComposed
8. Tea For One (Itaru Oki)
9. I Remember Clifford
10. Rudy My Dear
11. Ontakesan (Itaru Oki)
12. Misterioso
録音:1996年11月30日@あいあいホール( 三重県川越)
録音エンジニア:及川公生