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Jazz and Far Beyond

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R.I.P. ゲイリー・ピーコックNo. 270

2017年11月、ニューヨークでの再会   BODY & SOUL 関京子

Text by Kyoko Seki 関 京子
Photo by Masaki Matsumoto 松本昌樹

多くのビッグネームと多数の共演歴をもつベース・レジェンド、ゲイリー・ピーコックさんが、9月4日、ニューヨーク州”アップステート”のご自宅でお亡くなりになりました(死因はまだわかりません)。

3年前の2017年の秋、私はもう歳だしこれが最後になるかも、なんて思いながら、当店の常連さんで今はニュージーランドに移住されている松本さんに、付き添いケアをお願いして1週間ほどニューヨークに行きました。その時、ミッドタウンのジャズクラブ「ジャズ・スタンダード」に行くと、エッ?ゲイリーさんが出ていたのです。「Ohhh〜Kyoko!」と、私もビックリするやら懐かしいやら。その時は、まだまだお元気でしたのに。

もう30年以上前になります。当時私が出演者を人選していた地元の手作りのイベント「根室ジャズフェスティバル」に、コンサートのために来日していた故菊地雅章(プーさん)さんと、ベースのゲイリー・ピーコックさん、ビル・エバンス・トリオのドラマーだった故ポール・モチアンさんのトリオ「テザード・ムーン (Tethered Moon)」で、北海道根室にお邪魔したことがあります。コンサートの前夜に、根室の方たちと焼肉を食べていて、ポールさんの前歯が折れてしまい急遽、紹介された街の歯医者さんに行って応急手当をした思い出があります。この3人とは、岡山でのコンサートにもご一緒したこともあります。

プーさん、モチアンさん、そしてゲイリーさん…皆さん天国に召されてしまいました。繊細で神経質なとこもあったプーさんが、選んで日本ツアーを組んだのですから、気心が合うお仲間だったと思います。きっと天国で、またトリオを組んで一緒に演奏されているような気がします。安らかにお眠り下さい。 合掌

追)ゲイリー・ピーコック・トリオ at ジャズ・スタンダード
2017年11月7日〜8日に出演、7日に訪れている。
Gary Peacock (bass) Marc Copeland (piano) Joey Baron (drums)
Jazz Standard: 116 E 27th St. (between Park Av. & Lexington Av.), New York
なお、「All About Jazz」に Tyran Grillo がライブレポートを掲載している。


関 京子 Kyoko Seki
南青山「BODY & SOUL」オーナー
1941年、東京・中野区生まれ。幼い頃から踊りが好きで、松竹音楽舞踊学校(松竹歌劇団/SKDの養成学校)に入学、13期生で同期に倍賞千恵子がいる。すぐジャズの魅力に取り憑かれ、ジャズ喫茶通いが昂じて、卒業後の1965年、新宿・歌舞伎町にジャズクラブ「タロー」を開店。1974年「BODY & SOUL」という店名になり、六本木、北青山を経て1992年に現在の南青山に居を移した。55年以上をジャズクラブのオーナーとして毎夜ジャズライブを聴いて過ごし、内外ミュージシャンとの幅広い親交を築きながら今に至る。ニューヨークやパリなどへの音楽の旅も続く。2015年10月に「BODY & SOUL」の歩みを記憶に残るエピソードとともに綴った自伝的エッセイ『身も心もジャズ』を出版した。(Photo by 飯島立士)
「BODY & SOUL」ウェブサイト

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