#02 多摩川四谷会談~多摩川府中四谷橋の下 フリーミュージック会談2024夏 剛田 武
text & photos by 剛田武 Takeshi Goda
多摩川四谷会談~多摩川府中四谷橋の下 フリーミュージック会談2024夏
2024年7月28日(日)多摩川 府中四谷橋
① 11:00〜12:00 openning:森下こうえん(shintai)〜ちゃんやま(箏.syn.tp)
② 12:10〜12:40 小栗舞花(パフォーマンス)
③ 12:50〜13:20 剛田武(音)
④ 13:30〜14:00 岡村隆志(noise)
⑤ 14:10〜14:40 しんらこう:Miki(うた)、南部輝久(ジャンベ)
⑥ 14:50〜15:20 山下哲史(noise)
⑦ 15:30〜16:00 血液サラSara:時岡秀雄(Tsax)、小林祐司(Tsax.Bcl)、熊切ひろし(Asax)、島田透(dr)、佐伯武昇(dr)、松村裕太(dr)
⑧ 16:10〜16:40 くにたちダンサーズ+火炎瓶テツ(voice)
⑨ 16:50〜17:20 吉村政信(gt.vo)、梅澤妃美(dousa)
⑩ 17:30〜18:00 art-unit感道:若林正教、香城由里
橋の下の音楽解放地帯
国立公民館でほぼ毎月開催されている音楽イベント「公民館運動」の企画者であるちゃんやまと佐伯武昇が中心になって企画し、多数の有志の演奏家・身体表現者が多摩川の河原に集う野外イベント。2023年から真夏と真冬に開催されこれが3回目(2024 年12月21日に4回目となる『冬至 2024 素晴らし祭り』が開催された)。既存のジャンルに収まらない雑多なスタイルの即興演奏が入れ替わり立ち代わり9時間近く続く。川を渡る風と直射日光を避ける橋の影があるとはいえ、体温超えの灼熱の中、汗だくになって繰り広げられる異端表現を観たり参加したりすることは決して楽ではない。なんで好き好んでこんなにつらい体験をしているのかという疑問が頭に浮かびもするが、それを笑い飛ばすだけの歓びと高揚感がここにある。
少ない観客も最後は演者として、楽器や声や身体を媒介に解放劇に加わる。演じる者と観る者の区別がない平等なコンサート。音楽・舞踏・表現は特権階級のものではない。人類の祖先のクロマニヨン人やネアンデルタール人が音楽や踊りや芸術表現を「発見」した時には、音楽家や舞踏家や画家や彫刻家というものは存在しなかった。先祖がえりを望んでいるのではない。血の中に流れる表現欲求を解放すべき場所はライヴハウスやコンサートホールではなく、PAも照明も必要ない深い残響と自然の景色に囲まれた橋の下である、と言いたいわけである。(2024年12月22日記)
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