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My Pick 2024このディスク2024(国内編)No. 321

#06 『ウイリー・ナガサキ/ミッドナイト・ルンバ』 小西啓一

Vivid  VSCD-9740 3,000 円(税込)

ウィリー・ナガサキ(timbales, cga) あびるDEVIL竜太(p, key) 小泉哲夫(b) 諸藤一平(ds) 伊波淑(cga) 今尾敏道(sax) 奥村晶(tp) 池田雅明(tb)

01THE STORM FEAT. MOTOHARU & TABU ZOMBIE (SOIL&’PIMP’SESSIONS)
02CORAZON DE PUERTO RICO
03MIDNIGHT RUMBA FEAT. ALBERT SHIROMA (DIAMANTES)
04RUMBA T
05QUE SERA MI CHINA
06TA MO
07ON GREEN DOLPHIN STREET
08MAMBO DE SAYONARA FEAT.AYA NAKANO
09GYPSY QUEEN
10LOVE THEME FROM GODFATHER
11THUNDER


今年ももう残り僅か…。例年のように今年の1枚…ということで、色々無い頭で思案した。“純ジャズ”国内盤では、ピアニストのアルバムに好盤が多かった印象もあるが、そこら辺は他のライターの方が取り上げるはずだから、ぼくはいつものように好きな“ラテン・ジャズ”の分野から…。国内盤でこの手のもの発売は数少ない…が、今回は一枚の嬉しい再発アルバムを推薦。2012年に出された、J-ラテン・パーカッション(=ティンバレス)の第一人者、ウイリー・ナガサキの傑品『ミッドナイト・ルンバ』だが、これが今年再発されたのだ。ティンバレスを前に堂々と仁王立ちする、マエストロ=ウイリー。そのジャケ写がまたなんとも格好いいのだが、2枚目のリーダー・アルバムになるこのアルバムは、そのジャケット同様に、 10数年の時を経ても、その素晴らしさは少しも色褪せていない。残念ながらもう品切れ…ということだけが、玉に瑕だった訳だが、それも今回見事に解決した。プロデュース役は彼の良さを知り尽くした、我が誇るべき後輩(大学ジャズ研&ラジオ局)で、ラテン・ジャズ界のご意見番=“エルカミナンテ”岡本郁生。先日2人でぼくのジャズ番組(60年強続く”テイスト・オブ・ジャズ“/ラジオ日経)に遊びに来てくれたが、その掛け合いの愉しさや知識・実践の豊富さ等、最強・最凶ラテン・コンビだとつくづく感じ入った次第。タイトル曲はアルベルト城間をフューチャーした優れものだし、”ケセラ””ジプシー・クイーン”など、どれも歓喜のワクワク・ラテン・ジャズ・ナンバー(~歌謡路線曲迄)が並ぶ、強力布陣。この J-ラテン・ジャズ・シーンの傑品の再登場、心から祝福したい。

小西啓一

小西啓一 Keiichi Konishi ジャズ・ライター/ラジオ・プロデューサー。本職はラジオのプロデューサーで、ジャズ番組からドラマ、ドキュメンタリー、スポーツ、経済など幅広く担当、傍らスイング・ジャーナル、ジャズ・ジャパン、ジャズ・ライフ誌などのレビューを長年担当するジャズ・ライターでもある。好きなのはラテン・ジャズ、好きなミュージシャンはアマディート・バルデス、ヘンリー・スレッギル、川嶋哲郎、ベッカ・スティーブンス等々。

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