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My Pick 2024このパフォーマンス2024(国内編)No. 321

#03 清水靖晃+国本怜 Live at Kiwa 細川周平

2024年12月13日  @Kiwa Tennoz(天王洲 Kiwa)

【出演】
清水靖晃:テナーサクソフォン、ヴォイス、ラジオ、エフェクト
国本怜: ラップトップ、キーボード


思わずワオーと叫んだ。靖晃がテナーサックスで吹きまくる数分が一段落ついたときだ。あらかじめの構成作曲とその場のプレイが、デジタルに作り込まれ、無指向性スピーカーを通して会場を包み込む音の流れのなかで、じかに聴こえてくる彼のぶりぶりサックスが古くからのファンには嬉しい。あの金管が古楽器に見えてくる。ぼくらは大昔、ベン・ウェブスターで話が盛り上がったこともあった。昔のアルバムでやっている鼻唄まじりのエチオピア民謡もたまんない。きっちり歌うのでなく、声で調子を取るだけなんだが、おしゃれな客席もうっかり手拍子、宴会音頭の境地だ。デュオの緊張とリラックスのバランスはほかにない。お客さんもそれがわかっていて、拍手のタイミングをこらえていて、よし、と誰かが反応するのを待っているふう。ジャズ・ライブのように叫ぶなんてのは不届き者だ。アンコールは「ゴルトベルグ変奏曲」のテーマ。次は「プレイズ・スタンダード」なんてありえないのかな。選曲、手伝います。

細川周平

細川周平 Shuhei Hosokawa 京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター所長、国際日本文化研究センター名誉教授。専門は音楽、日系ブラジル文化。主著に『遠きにありてつくるもの』(みすず書房、2009年度読売文学賞受賞)、『近代日本の音楽百年』全4巻(岩波書店、第33回ミュージック・ペンクラブ音楽賞受賞)。編著に『ニュー・ジャズ・スタディーズ-ジャズ研究の新たな領域へ』(アルテスパブリッシング)、『民謡からみた世界音楽 -うたの地脈を探る』( ミネルヴァ書房)、『音と耳から考える 歴史・身体・テクノロジー』(アルテスパブリッシング)など。令和2年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞。

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