#11 アケタの店50周年記念DAY 関口滋子
アケタの店50周年記念DAY
(昼)明田川荘之(夜)渋谷毅 月の鳥
2024年2月24日@西荻窪アケタの店
(昼)明田川荘之(p,オカリーナ)
[ゲスト]明田川歩(vo,オカリーナ) 宮野裕司(オカリーナ)
(夜)「月の島」渋谷毅(p) 石渡明廣(g) 外山明(ds)
2024年2月24日、50年を迎えた西荻のかけがえないジャズ拠点、アケタの店。昼間は、あるじのアケタさんのライヴ。夜は渋谷さんの月の鳥という2本立てで、その日を祝った。
この時、明田川さんが旅立ってしまうとはやっぱり現実として思っていなかったと、今、振り返って思う。でもそれだけに、この記念ライヴが一際思い出深い。数年前からパーキンソン病(と癌)を患っていたアケタさんの姿、鍵盤を弾く(叩く)力は変わったけれど、アケタさんのピアノは、やっぱりアケタさん節で、長女の歩さんの歌とオカリナ、宮野裕司さんをゲストに迎えての哀愁感とユーモアは、忘れられないものとなった。夜は、渋谷さんの月の鳥。演奏もさることながら、アケタさんがカウンターから話した50年の話と渋谷さんへの(感謝とエール?の)言葉も感慨深く、半世紀という時代の特別な日に立ち会えたことを嬉しく思っている。
11月のとある日のこと、大学時代の後輩だというベースの米木さんが聞かせてくれた。「大学に在学していた時から、アケタさんは、自分たちのジャズを演奏できる場所の大切さを語って、卒業してすぐに店をつくっちゃったんだよね。それから50年、ほんとすごいよ。アケタさんは、何も変わらないしね」。
自分にとっては、東京に出てきて、最初に足を踏み入れたライヴハウスが、このアケタの店という不思議な縁。昭和63年(1988年)なので、計算すると36年前(?!)。それほど出席率がいいわけではないけれど、この場所がなかったら、きっと今の自分ではなかっただろうな、とも。微妙に変わる西荻の町。50年から10ヶ月、アケタの店は変わらないで!と思います。
WAVE、 Disk Unionといったレコード店、キングインターナショナルでの卸、プロモーション業務を経て、2021年、Free Flying Productionsを立上げ。音楽好きを原点とするスタンスを頼ってくださる方に支えられながら、レーベル運営&パブリシストとして活動中。Resonanceとのビル・エヴァンス・モントルー・トリオの発掘盤等の仕事を良き思い出としつつ、日々出会う音楽と、ご縁に感謝の日々。
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