8/13 サックス奏者スティーヴ・グロスマン逝く
*photo:courtesy of Dave Liebman (L)
テナー/ソプラノサックス奏者スティーヴ・グロスマンがNY、ロングアイランドのグレン・コーヴ・ホスピタルで病没。享年69。死因は心肺停止。
グロスマンは18歳の時にソプラノサックス奏者としてマイルス・デイヴィスのバンドでデビュー、シーンでの地位を確立。次いで、デイヴ・リーブマンとエルヴィン・ジョーンズのバンドのフロントマンとして脚光を浴びたが、その後はヨーロッパに移住、時折り日本のジャズシーンにも顔を見せた。晩年はNYに戻り、ロングアイランドで個人レッスンを中心に生計を立てていた。
ジャズ・ファンだった母親の勧めでアルトサックスを始め、チャーリー・パーカーに傾倒したが17歳のときにテナーに転向、晩年のコルトレーンの実験性に目覚め、18歳でウェイン・ショーターの代わりにマイルスの新バンドに抜擢された。マイルスのアルバムでは主にソプラノサックス奏者として、Live/Evil 、Big Fun、Jack Johnson, Miles at Fillmore, Black Beauty, Get Up With Itに参加。続く、エルヴィン・ジョーンズのバンドではテナーを持ち、ソプラノのデイヴ・リーブマンとともにカルテットのフロントに立ったが、その勇姿は Live at the Lihgthouseなどにとらえられている。
「スティーヴはいわゆる“ジューイッシュ・マフィア”(ユダヤ軍団:マイケル・ブレッカー、ボブ・バーグ、デイヴ・リーブマン、スティーヴ・グロスマン)の中ではピカイチの才能の持ち主だった。トランペット吹きの兄の教えで、バード、次いでトレーンを本人たちより本人らしく吹いた。まだ15そこそこだった。加えて、いっぱしのドラム、ベース、ピアノを演奏した。彼こそがホンモノの才能だった。」(デイヴ・リーブマン)
「グロスマンとは色々なユニットで演奏しました。すごいSAXでした。パーカー/ロリンズ/コルトレーン全てを把握してました。一人でswingしてましたから」(井野信義)