JazzTokyo

Jazz and Far Beyond

閲覧回数 48

Local(国内)News

10/4-5「Miło mi(ミヲミ)」(POLAND×JAPAN MUSIC FESTIVAL)

text: Ring Okazaki 岡崎 凛

「サウンド・カルチャー:ポーランド×日本」
2025年10月4日(土)14:30~21:00・5日(日)13:00~21:00
(ステージの演奏は20:00に終了)

なんば広場(Namba-Hiroba) in Osaka City
Detailed information in English : https://poland2025.jp/en/
詳細情報:https://poland2025.jp/

ポーランドのアダム・ミツキェヴィチ・インスティテュートが主催する、2025年の大阪での長期プロジェクト「ポ!ランド」は、ポーランドと日本の文化交流という基本路線を踏まえながら、斬新なアイデアに満ちたイベント、展覧会を展開してきた。それぞれの芸術家が自由な表現を追求し、観衆がそれを自由に鑑賞する…6月に開催された複合的イベント「ヨアンナ・ハヴロット:ウェアラブルアート – 見えざる糸」での視覚芸術と身体パフォーマンスを見たとき、そう感じた。アーティストたちの芸術追求に、当然ながら妥協はゼロ。その場に立ち会えたことを嬉しく思う。


さて、今回のミュージック・フェスティバル「Miło mi(ミヲミ)」では、がらりと趣を変えてポップなバンドも登場し、会場の「なんば広場」に陽気でダンサブルな音楽が鳴り響くイベントとなりそうだ。賑やかな大阪・ミナミの玄関口、なんば駅前にふさわしい楽しい演目を紹介したい。
各出演者の出演時間は公表前だが、Day1(4日),Day2(5日)それぞれの出演予定者が発表されている。

日本人アーティストでは、新進気鋭のミュージシャン・バンド4組が登場する。現在の日本のジャズシーンで注目を集め、フジロック・フェスティバルに出演するなど実績ある彼らのステージに注目したい。さらに、ポーランドと日本のミュージシャンの共演も予定されているとのこと。

また会場では、ポーランド文化に触れるさまざまな展示も行われる。伝統工芸品やポスターアート、ポーランドの食文化や観光地紹介が展示・紹介されるほか、ポーランド文化体験コーナーも設けられるという。

ポーランドのアーティストの1組は5日に、3組は4&5日にステージに登場する。以下、ポーランドからの出演者と参考動画は次の通り。
5日:
★ポーランドの音楽といえば、まずはショパン、というのが一般的な認識だが、これをトイピアノで弾くユーモアたっぷりの音楽家、Paweł Romańczuk(パヴェウ・ロマンチュク)が5日のステージに登場する。Małe Instrumenty(マウェ・インストゥルメンティ:ポーランド語で「小さな楽器」の意味)は彼が長年手がけるプロジェクト名であり、ソロやグループで活動している。P.ロマンチュクはヴロツワフ在住で楽器コレクター、オリジナル楽器製作者としても知られ、ユニークな楽器を演奏し、ポーランド内外で公演を行っている。4日はステージには出ないが、ワークショップが開かれるとのこと。
https://youtu.be/Jwzfsse8PNo?si=gqWOPEQ_OklLGtXZ

4日&5日:
★今回のMitch&Mitchはファッショナブルな疑似イタリアンバンドでエンニオ・モリコーネの音楽を追求する。「フルートとハープシコードはモリコーネに必須の楽器」と語るのは、Mitch&MitchのリーダーのMacio Moretti (マチオ・モレッティ)。さらにこのグループではフレンチホルンがいい味を出している。今回はドラムを演奏するMacio Morettiはポーランドの革新的な音楽レーベル、Lado ABC創設者の1人だが、本公演ではひたすらモリコーネ作品の魅力を追求するようだ。Mitch&Mitchはショービジネスをクリティカルな視点から分析し自らの作品に生かすユニークなバンド。各プレイヤーのセンスのすばらしさと高度な技に触れると、彼らの豊かな音楽人生が垣間見えるようだ。
https://youtu.be/cdpz8xsTKLU?si=xhGYMjNYPaD1-A5_

Klawo(クラヴォ)は、グダンスク出身で、まだほとんど日本で紹介されていないが、最近躍進的に活躍している次世代ジャズグループ。9月に来日したHoshiiと同様にエレピやシンセと管楽器のコンビネーションが新鮮なバンドであり、ナチュラルな歌声とファンキーなギターも加わって、限りなく心地よいサウンドを生む。ネオソウル、ヒップホップとファンクを融合させながら、欧州ジャズアンサンブルの美意識も継承する。
https://www.youtube.com/watch?v=OwLYWXChgV8

★日本の大手レコード店もこれまでしっかりと紹介してきた女性ベーシスト、Kinga Głyk (キンガ・グゥイク)は、マイケル・リーグがプロデューサーを務めるなど、ポーランド人のミュージシャンの中でとりわけ国際色が強い人だ。世界中の音楽ファンから注目を浴びる彼女の超絶技巧ベースを目の当たりにできるのが楽しみである。
https://youtu.be/K-EltF-Z_uE?si=erWMKGDzEn45_iKK

このイベントに出演予定の日本人アーティストと参考音源は下記の通り。
(それぞれのプロフィールは、イベントの公式サイトをご覧ください)
https://poland2025.jp/ (Japanese)
https://poland2025.jp/en/ (English)

Day1(4日);
ZAKINO
https://youtu.be/SMAndYN8BPU?si=bWaC1tlhARSuyb96
馬場 智章(Tomoaki Baba)
https://youtu.be/L9YgCv_iEQg?si=ntNuM5_7Aag7HPue
Day2(5日):
北村 蕗(Fuki Kitamura)
https://youtu.be/1Q9-jSD6WSs?si=IbaIqliwSnj9mN4W
4Aces
https://youtu.be/IregPVTSR2U?si=o1lC26eppy3Df1j9


<以下は公式サイトより>
Sound Culture Poland and Japan Music Festival は音楽を通した生きた共有体験の場です。個性あふれる大阪の街を体現するミナミ、なんば広場を舞台に、ポーランド音楽シーンの最前線で活躍する四組のアーティストと、日本ジャズシーンを牽引するアーティストたちが共演します。
タイトルである「 Miło mi(ミヲミ)」は、「はじめまして」を意味するポーランド語であり、未体験であふれる本イベントを象徴する言葉です。また、日本人にとっての“ミ” という音は、実/魅/未/身/満/美…と様々な意味を持ちます。そして両国のアーティストから発せられる未知のサウンドは、“ミ” の音の持つ多様性をより豊かにしてくれるでしょう。ポーランド× 日本の音に導かれ、会場に集まるエネルギーをぜひ体感ください。

<「Miło mi(ミヲミ)」関連イベント>
今回のイベントに関連して、10月3日~10月23日、大阪駅に近いうめきた・グランフロント大阪「ナレッジキャピタル 」にて、
<2025年大阪・関西万博:「素粒子、象とピエロギの素晴らしい国」AI初活用のインタラクティブ展覧会>が開催される。
ページをめくるだけでポーランドの言葉と文化に親しみが湧く書籍、『素粒子、象とピエロギと――101語のポーランド』から広がる世界を、豊富なヴィジュアル情報とともに体験できそうだ。
https://culture.pl/jp/event/expo-2025-in-osaka-interactive-exhibition-about-the-polish-language-the-worlds-first-using-ai
https://instytutpolski.pl/tokyo/interactive-exhibition-about-the-polish-language-at-expo2025/

書籍「素粒子・象とピエロギと…」
書籍「素粒子・象とピエロギと–101語のポーランド」

岡崎凛

岡崎凛 Ring Okazaki 2000年頃から自分のブログなどに音楽記事を書く。その後スロヴァキアの音楽ファンとの交流をきっかけに中欧ジャズやフォークへの関心を強め、2014年にDU BOOKS「中央ヨーロッパ 現在進行形ミュージックシーン・ディスクガイド」でスロヴァキア、ハンガリー、チェコのアルバムを紹介。現在は関西の無料月刊ジャズ情報誌WAY OUT WESTで新譜を紹介中(月に2枚程度)。ピアノトリオ、フリージャズ、ブルースその他、あらゆる良盤に出会うのが楽しみです。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください