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11/5-28 帝劇ミュージカル『ビューティフル』
『Beautiful: The Carole King Musical』

Text by Hideo Kanno 神野秀雄

ミュージカル『ビューティフル』
『Beautiful: The Carole King Musical』

2020年11月5日(木)〜11月28日(土) 帝国劇場(東京・有楽町)
上演日時と詳細はこちら
出演: 水樹奈々/平原綾香(Wキャスト)、中川晃教、伊礼彼方、ソニン、武田真治、剣幸 他
脚本: ダグラス・マクグラス
音楽・詞:ジェリー・ゴフィン&キャロル・キング、バリー・マン&シンシア・ワイル 他
音楽: ジェイソン・ハウランド
演出: マーク・ブルーニ、訳詞: 湯川れい子、翻訳: 目黒条

シンガー・ソングライター、キャロル・キングの波乱に満ちた生涯を名曲の数々と共に綴るミュージカル

1942年、マンハッタン生まれ、伝説のシンガー・ソングライター、キャロル・キングときいてもピンと来ないジャズファンでも、<It’s Too Late>の作曲者ときけば思い当たるだろう。さらに<You’ve Got A Friend>(ジェームス・テイラーのカヴァーもヒット)、<A Natural Woman>、<Will You Love Me Tomorrow?>をはじめとする名曲を送り出し、歌い継がれている。2ndアルバム『Tapestry (つづれおり)』(1971年)を記憶する方も多いかも知れない。そして現在にいたるまで活発に創作と発信を続け動画で観ることができる

その波乱万丈の半生を数々の名曲と共に綴ったミュージカル『Beautiful: The Carole King Musical』。ダグラス・マクグラスが脚本を担当、キャロル・キング&ジェリー・ゴフィンと共に作曲した曲のほか、バリー・マン&シンシア・ワイルなどの音楽が使われた。2013年10月にサンフランシスコで初演、2014年1月からブロードウェイのスティーブン・ソンドハイム・シアターへ。2015年2月から、ロンドン・ウェスト・エンド公演が行なわれた。

日本初演は、キャロル・キング役を声優・歌手の水樹奈々と歌手の平原綾香のダブルキャストで、2017年7月〜8月に東京・帝国劇場で開催、大歓声を受けた。その後、ブロードウェイでの上演回数は2,400回以上を数えロングランになった。そして、2020年11月、COVID-19下の難しい状況を乗り越えて、水樹と平原をはじめ日本初演キャストが再集結しての再演が実現したことはたいへん喜ばしい。紹介動画を観るところ、二人が歌唱に演技にそれぞれ異なる個性と輝きを魅せている。


L: 水樹奈々 R: 平原綾香 写真提供/東宝演劇部

トニー賞の主演女優賞と最優秀サウンドデザイン賞を受賞。グラミー賞の最優秀ミュージカル・シアター・アルバム、ドラマ・デスク・アワードの主演女優賞、助演女優賞、最優秀サウンドデザイン賞、イギリスでは、ローレンス・オリヴィエ賞の主演女優賞、助演女優賞を受賞。この高評価を得たサウンドデザインには、ニューヨークを拠点にブロードウェイのさまざまな作品に携わり、世界で活躍するエレクトロニック・ミュージック・デザイナーのヒロ・イイダもオリジナルの制作段階から参加し、この日本公演にあたって来日し、公演準備に立ち会っていた(ヒロ・イイダのプロフィールはこちらを参照)。

音楽史に大きな足跡を残すキャロル・キングの生涯を、多くの賞を受けて来た素晴らしい音楽、サウンドとともに楽しみたい。

Story
ニューヨークに住む16歳のキャロル・キング(水樹奈々/平原綾香)は、教師になるように勧める母親のジニー・クライン(剣 幸)を振り切って、名プロデューサーのドニー・カーシュナー(武田真治)に曲を売り込み、作曲家への一歩を踏み出す。やがて同じカレッジに通うジェリー・ゴフィン(伊礼彼方)と出会い、恋に落ちた二人はパートナーを組み、キャロルが作曲、ジェリーが作詞を担当するようになる。ほどなくしてキャロルは妊娠、結婚した二人は必死で仕事と子育てに奮闘する。同じ頃二人は、ドニーがプロデュースする新進作曲家と作詞家のコンビ、バリー・マン(中川晃教)とシンシア・ワイル(ソニン)と良き友人となり、互いにしのぎを削り、ヒットチャートの首位を争うようになる。数々のヒットを放ち、全てが順調に進んでいるかのように思われたが、そこには新たな困難が待ち受けていた――。

Cast
キャロル・キング・・水樹奈々/平原綾香(Wキャスト)
バリー・マン・・・・・・・中川晃教
ジェリー・ゴフィン・・・・伊礼彼方
シンシア・ワイル・・・・・ソニン
ドニー・カーシュナー・・・武田真治
ジニー・クライン・・・・・剣 幸
伊藤広祥 神田恭兵 長谷川開 東山光明 山田元 山野靖博
清水彩花 菅谷真理恵 高城奈月子 塚本直 MARIA-E ラリソン彩華

Creatives
脚本:ダグラス・マクグラス
音楽・詞:ジェリー・ゴフィン&キャロル・キング、バリー・マン&シンシア・ワイル オリジナル
演出:マーク・ブルーニ
振付:ジョシュ・プリンス
オリジナルセット・デザイン:デレク・マクレーン
オリジナル衣裳デザイン:アレホ・ヴィエッティ
オリジナル照明デザイン:ピーター・カックゾロースキー
オーケストレーション・ヴォーカル&音楽アレンジ:スティーブ・シドウェル
2017年版演出リステージ:シェリー・バトラー
振付リステージ:ジョイス・チッティック
音楽スーパーヴァイザー:ジェイソン・ハウランド

翻訳:目黒 条  訳詞:湯川れい子  演出リステージ:上田一豪
音楽監督:前嶋康明  照明:高見和義  衣裳:前田文子
音響:山本浩一  ヘアメイク:林みゆき  美術アドバイザー:石原敬
歌唱指導:高城奈月子  振付補:小島亜衣  演出助手:河合範子
舞台監督:北條 孝  アシスタントプロデューサー:荒田智子
プロデューサー:小嶋麻倫子 仁平知世

Beautiful The Carole King Musical (Broadway) Trailer

Carole King – It’s Too Late (Live at Montreux, 1973)

James Taylor & Carole King – You’ve Got a Friend 1972

Carole’s Message: Beautiful 2020

神野秀雄

神野秀雄 Hideo Kanno 福島県出身。東京大学理学系研究科生物化学専攻修士課程修了。保原中学校吹奏楽部でサックスを始め、福島高校ジャズ研から東京大学ジャズ研へ。『キース・ジャレット/マイ・ソング』を中学で聴いて以来のECMファン。Facebookグループ「ECM Fan Group in Japan - Jazz, Classic & Beyond」を主催。ECMファンの情報交換に活用していただければ幸いだ。

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