「最高の音」を探して ロン・カーターのジャズと人生
ベーシスト ロン・カーターの評伝邦訳刊行
ジャズ界最高のベーシストのひとり、ロン・カーターの評伝「Finding The Right Notes 」(2017 Retrac Productions) の邦訳が出た。『最高の音を探して ロン・カーターのジャズと人生』(シンコーミュージック・エンタテイメント)。生存中のミュージシャンの評伝としては珍しくA5版で584ページの大著である (3600円+税)。
本名 Ronald Levin Carter は、1937年5月4日、ミシガン州生まれで、今年84歳になる。半世紀以上にわたって第一線で幅広い活躍を展開してきたが、彼の名を不動のものにしたのは1960年代のマイルス・デイヴィスとの共演、シーンに名を留めたのは続く70年代の VSOP、ハンク・ジョーンズとの「グレイト・ジャズ・トリオ」だろう。日本ではTV・CMにも何度か出演しお茶の間の目にもとまった。
評伝は、評論界の長老ナット・ヘントフ(2017年逝去)の序文から始まるプレリュードに続くキャリアを追ったパートIからパートVII(付録)まで。
さらに、巻末に村井康司の「背筋を真っ直ぐに伸ばしたベーシストの伝記」が付く。単なる偉大なジャズ・ベーシストのキャリアを追うだけではなく、半世紀以上にわたってジャズのメインストリームを歩き続けた男の生涯を通してアメリカにおけるジャズの存在意義、さらにはアメリカの文化そのものを浮き彫りにしている。それにはさまざまな場面でロン・カーターに関わった人物の証言が大いに役立っている。
なお、タイトルはナット・ヘントフの質問、「まだやりたいことがあるとしたら」に対するロンの答え、「ベストな音の追求かな」から来ている。
https://www.shinko-music.co.jp/item/pid0649583/
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