JazzTokyo

Jazz and Far Beyond

閲覧回数 67,193 回

international(海外)News

ECM new seriesからVox Clamantisの新作リリース
『ヴォックス・クラマンティス(ヤーン=エイク・トゥルヴェ指揮)/ヘンリク・ウーデゴールの音楽』

Vox Clamantis Choir(ヴォックス・クラマンティス合唱団)は、この新作では、ヤーン=エイク・トゥルヴェ指揮の下、ノルウェーの作曲家ヘンリク・ウーデゴールに焦点を当て、典礼的な合唱音楽を精緻に描いたプログラムを披露している。ウーデゴールの作品は、グレゴリオ聖歌とノルウェーの民謡を微妙な手際で織り交ぜ、グレゴリオ聖歌や牧歌を素材に、独自のポリフォニックなレイヤーや拡張を施している。
新作の中心となるのは、中世スカンジナビアの13世紀の写本に見られるアンティフォンに基づく、8つの部分からなる「ニダロスの聖マグダラの祝祭に関する瞑想曲」。ヴォックス・クラマンティスによって繊細に浮かび上がったこのアンティフォンを、ウーデゴールは作曲の過程で変容させた。この合唱団はECMの過去の録音では、アルヴォ・ペルト、エルッキ=スヴェン・テュール、そして最近ではエストニアの作曲家キリルス・クリークの作品を取り上げ、BBCが「別世界の魔法」と絶賛する録音となった。録音は、2021年3月にエストニアのハプサルにあるセント・ニコラス・ドームにて。

Vox Çlamantisは、1996年にエストニア結成されたアンサンブルで、グレゴリオ聖歌に共通の関心を持つ歌手、作曲家、器楽奏者、指揮者などの多様な音楽家で構成されている。ヨーロッパ音楽の基礎とされるグレゴリオ聖歌のほか、初期ポリフォニーや現代音楽も多く演奏しています。アルヴォ・ペルト、ヘレナ・トゥルヴェ、エルッキ・スヴェン・テュール、トニス・カウマン、スヴェン・グリューンベルクなど、エストニアの多くの作曲家がヴォックス・クラマンティスのために作曲している。
アルバム録音はECM RecordsとMirare。CD『Liszt – Via crucis』は2013年にDiapason d’Or賞を、CD『Arvo Pärt – Adam’s Lament』(指揮:Tõnu Kaljuste ECM2225 2012)は2014年にグラミー賞(Best Choral Performance)を受賞。また、ヴォックス・クラマンティスの音楽を使用した映画「グレート・ビューティー」(La Grande Bellezza:追憶のローマ 2013)は、アカデミー賞外国語映画賞を受賞。CD『アルヴォ・ペルト/The Deer’s Cry 鹿の鳴き声』(ECM2466 2016)は、ディアパソン・ドール賞、エストニアの年間アルバム賞を受賞した他、BBC Music Magazine賞、デンマーク・クラシック・ラジオ賞2018にノミネートされた。2020年のCD『The Suspended Harp of Babel バベルの中空のハープ』(ECM2620)はエストニアで最優秀合唱アルバム賞を受賞し、BBC Music Magazineで2020年にリリースされた最高のクラシック・アルバムの1枚に選ばれている。
コンサート歴は、エストニア国内だけでなく、海外にも広く及んでいる。すでに、シドニー・フェスティバル、香港芸術祭、トロントのRCMの21Cフェスティバル、マンチェスター国際フェスティバル、フランスと日本のラ・フォル・ジュルネ・フェスティバル、ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティバルなどに参加。
直近では、2017年、エストニア共和国の国家文化賞を受賞している。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください