12/02(土)Composers Showcase Tokyo @ 南青山Baroom 池本茂貴(tb), 中林薫平(b,el-b) & 秩父英里(p,kb)
コンテンポラリー・ラージ・ジャズ・アンサンブルが、隆盛を誇っているニューヨークのジャズ・シーンに呼応するように、東京でも、才能あふれる若きジャズ・コンポーザー&アレンジャーたちが、決起の狼煙を上げた。今年デビュー・アルバム『Oath』をリリースした池本茂貴(tb)が中心となり、昨年リーダー作3作目にして、ラージ・アンサンブル作品『Circle』をリリースし、今年は『Live at Cotton Club』を続けて発表した中林薫平(b)、昨年鮮烈なデビュー・アルバム『Crossing Reality』で注目を集めた秩父英里(p,kb)が集い、一つのビッグバンドをシェアして3人がそれぞれのオリジナルを競う”Composer’s Showcase Tokyo”が、来たる12月2日、南青山の新ヴェニュー、Baroomで開催される。高校時代にベイシー、エリントンら、トラディショナルなビッグ・バンド・サウンドに出逢い魅了され、現代の方法論で独自のグルーヴを追求する中林薫平。大学時代から、海外アーティストとの交流を重ね、J-Popシーンでも経験を積み、独自のコンテンポラリー・ジャズを追求する池本茂貴。バークリー音大に留学し、海外でも活躍しアメリカの最先端のサウンドに触れてきた秩父英里。3人が、鮮やかなコントラストを描き、また協調するスリリングなサウンドが展開される。ホスト・バンドは、プレイヤーとしても参加するこの3人に加え、デヴィッド・ネグレテ(as)、陸悠(ts)、宮木謙介(bs)、広瀬未来(tp)、佐瀬悠輔(tp)、笹栗良太(tb)、Taka Nawashiro(g)、小田桐和寛(ds)ら、若手、中堅の精鋭を集った11人編成のアンサンブル。アレンジとインプロヴィゼーションを、絶妙のバランスで聴かせてくれるであろう。
筆者がニューヨーク在住時代の晩年、2014年から帰国する2017年春まで、マンハッタンのジャズ・ギャラリーに於いて、一つのビッグバンドで、挾間美帆(comp,arr)がキューレートした、野心的なジャズ・コンポーザー&アレンジャーが毎回3人ずつフィーチャーされて、それぞれのオリジナル曲をプレイするという”Jazz Composers Showcase”を、取材していた。年4回ほど開催されたこのイヴェントは、現在のニューヨークのラージ・アンサンブル・シーンの多様性を知る、絶好の機会だった。当時大学生だった池本も、YouTubeの配信でこのライヴをチェックし、最新のサウンドをリサーチしていたとのこと。「いつか日本でもこのようなイヴェントをやってみたい」という池本の野望が、いよいよ実現する。日本のラージ・ジャズ・アンサンブル・シーンの、新たな夜明けを告げるコンサート・シリーズに、期待が高まる。