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5/3-5 ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2024
「ORIGINES―すべてはここからはじまった」プログラム内容速報


(LFJ2023 DAY3 – Digest)

ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2024 / La Folle Journée TOKYO 2024
「ORIGINES ― すべてはここからはじまった」

2024年5月3日(金/祝)〜5月5日(日) 東京国際フォーラム ホールA・C・D7・G409・E

「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2024」(LFJ)について、アーティスティック・ディレクターのルネ・マルタンから、テーマ「ORIGINES ― すべてはここからはじまった」についてのより詳細な説明と、プログラムの見どころが公式ウェブサイトで発表されているので転載し紹介したい。本家にあたるLa Folle Journée de Nantes第30回は、2024年1月31日〜2月5日までフランス・ナントで開催予定で、その成果も踏まえて、今後TOKYOの準備や発表が進められる。プログラム発表とチケット先行発売は、2024年2月中旬を予定、チケット一般発売は2024年3月中旬を予定している。

ジャズ・サイドからは、Blue Note Tokyo All-Star Jazz Orchestraのメインソリストでもあるスタープレイヤー3人、中川英二郎、エリック・ミヤシロ、本田雅人の「SUPER BRASS STARS」による「ボレロ」LFJスペシャルバージョンの演奏、「中川英二郎 TRAD JAZZ COMPANY」によるディキシーランド・ジャズ、山下洋輔ソロライヴなども予定されている。


L: La Folle Journée de Nantes のポスター R: Super Brass Stars ©Yusuke Kitamura

【アーティスティック・ディレクター ルネ・マルタンよりテーマ解説】
「ORIGINES― すべてはここからはじまった」

2024年のラ・フォル・ジュルネ(LFJ)は、音楽の「オリジン(起源、ルーツ)」に立ち返ります。幾世紀にもわたり、世界のあらゆる国々の作曲家たちをインスパイアしてきた様々な音楽の伝統に、スポットライトを当てます。

まさに「音楽の父」の名にふさわしいJ.S.バッハでさえ、悠久の時と文明のるつぼに深く根を下ろした長い音楽の伝統を受け継いでいました。そして彼以後の作曲家たちは皆、どの大陸の、どの国の出身であっても、古くからの遺産をよりどころとして自分たちの音楽言語を練り上げ、作品を生み出してきました。

LFJ2024では、主に三つの角度から、この極めて豊かなテーマを掘り下げていきます。

音楽を通して「オリジン」が探求された有名な例は、19世紀半ば以降にロシア、ハンガリー、チェコスロバキア、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フランス、スペインなどで花開いた「国民楽派」です。この運動は、大昔に諸民族の魂から生まれた伝統の限りない豊かさに、価値を見出しました。これらの様々な伝統は、長きにわたり互いに影響を与え、混じり合ってきたわけですが、そのような肥沃な土壌が、作曲家たちの想像力をかき立てたのです。LFJ2024では、この大きな潮流を代表する楽曲の数々をお聞きいただきます。ムソルグスキー、チャイコフスキー、スメタナ、ドヴォルザーク、コダーイ、バルトーク、さらにはグリーグ、シベリウス、アルベニス、ラヴェル、ビゼーらが、各国の限りなく豊かな大衆音楽から想を得て、名曲を残しました。

音楽の「オリジン」をめぐるテーマは、楽曲形式の変遷にも私たちの関心を向けさせます。時代を超えて多くの傑作を生み出してきたソナタ、四重奏曲、協奏曲といった重要な形式は、どのように誕生したのでしょうか? LFJ2024では、この問いの具体的な答えとなるプログラムをお届けします。

LFJ2024は、楽器の起源にも目を向けます。今日の私たちが知る楽器は、どのように生まれ、時とともにどのような変化を遂げたのでしょうか?人間の息は、あらゆる音楽の起源でした。竪琴とともに世界最古の楽器の一つとされる笛以上に、息を、すなわち世界の起源を体現する楽器があるでしょうか? LFJ2024では、格別に長い歴史をほこる楽器もご紹介します。たとえば、今から2000年前にバビロンで生まれた「ウード」は、アラブ/ペルシア文化圏を象徴する撥弦楽器であり、幾世紀にもわたり弾き継がれてきました。また、アルメニアの魂の歌を奏でる木管楽器「ドゥドゥク」は、その独特なサウンドで私たちを魅惑します。

さらにLFJ2024では、パイオニア的作品̶̶その法外な革新性によって新たな道を切り拓き、音楽史の流れを変えた作品̶̶も取り上げます。その好例が、ヴィヴァルディの《四季》、ストラヴィンスキーの《春の祭典》、バーンスタインの《ウエスト・サイド物語》です。LFJ2024は、このインスピレーションに富んだテーマにちなんだオリジナル・プロジェクトもお贈りします。

ルネ・マルタン
LFJアーティスティック・ディレクター

【ホールA・C 出演者/プログラム一部速報】 (2023年12月28日 現在)
※曲目・出演者は変更になる可能性がある。
◎ホールA
● ブラス界を代表するスタープレイヤー3名(中川英二郎、エリック・ミヤシロ、本田雅人)「SUPER BRASS STARS」による「ボレロ」LFJスペシャルバージョン!
● 今年も日本各地からオーケストラが参戦!東京フィルハーモニー交響楽団と群馬交響楽団が初登場。
● 「キッズのためのオーケストラ・コンサート」や「0歳からのコンサート」を毎日開催。アメリカ大陸から東欧、日本まで3つのテーマで。
● キンボー・イシイのタクトでネルソン・ゲルナーのラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番。
● ルネ・マルタンがイチ押しの若手ピアニスト亀井聖矢が、齋藤友香理率いる神奈川フィルハーモニー管弦楽団とチャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番!
● 小林愛実が奏でるショパンのピアノ協奏曲第2番は必聴。
● オール・ラヴェル・プログラム!「亡き王女のパヴァーヌ」、「ボレロ」、そしてピアノ協奏曲 ト長調は萩原麻未の演奏で。
● ルネ・マルタンが今最も推しているヴァイオリニスト、リヤ・ペトロヴァがLFJ初登場、三ツ橋敬子指揮・東京フィルハーモニー交響楽団と。
● 指揮者クリスティアン・アルミンクがLFJ初登場!辻彩奈・兵庫芸術文化センター管弦楽団とメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を共演。
● オリヴィエ・シャルリエと川本 嘉子、日仏のベテラン奏者がお届けするモーツァルトの協奏交響曲、中田延亮率いる東京21世紀管弦楽団と共に。
● 伊福部 昭による名作の数々で、日本人の「オリジン」が覚醒する。
● シエナ・ウインド・オーケストラが今年も登場。
● 音楽祭の締めくくりは井上道義&新日本フィルハーモニー交響楽団、“フォル”なファイナルコンサート。

◎ホールC
● ジャズの“オリジン”のひとつ、ディキシーランド・ジャズを「中川英二郎 TRAD JAZZ COMPANY」が演奏。
● ジャズ界のレジェンド山下洋輔がLFJ初登場。「オリジン」をテーマにしたソロLIVE。
● ヴァイオリン史上に残る革命的作品ヴィヴァルディの「四季」を成田 達輝が率いる横浜シンフォニエッタの演奏で。
● アブデル・ラーマン・エル=バシャ、ネルソン・ゲルナー、福間洸太朗らによるピアノリサイタルで充実のひとときを。
● 抒情性と優美さに溢れたショーソンの傑作《コンセール》を、萩原麻未とオリヴィエ・シャルリエの組み合わせで。
● 横浜シンフォニエッタがバッハから北欧コンテンポラリーまで、角田鋼亮の指揮で多彩なプログラムを披露。
● 気鋭のサクソフォーン奏者ヴァランティーヌ・ミショーによる、スウェーデンの作曲家アンデシュ・ヒルボリのクラリネット協奏曲《ピーコック・テールズ(孔雀物語)》ソプラノ・サクソフォーン版日本初演。
● 藤木大地&みなとみらいクインテット、世界を代表するカウンターテナー藤木大地と名手ぞろいのピアノ五重奏による室内楽コンサート。
● 2019年のLFJで話題を呼んだ、地中海音楽と西洋の音楽を融合させる古楽アンサンブル、カンティクム・ノーヴムが再来日。ウードをテーマにした《Afsaneh(アフサネー)》等独創的な公演。
● チェリスト新倉 瞳&アコーディオン佐藤芳明、あのアーティストとのスペシャル・コラボも。
● 林 英哲と英哲風雲の会が今年も登場。日本の「オリジン」に迫る。

◎その他のトピックス
● 有料公演会場はホールA・C・D7に加えて、G409が復活!室内楽プログラムがより充実。
● ホールEのキオスクステージが復活!聴衆参加型プログラム「子どものための音楽アトリエ」や「フォル・ニュイ!!」も。
● テーマの「オリジン」を様々な角度から紐解く講演会。コンサートの合間には、多彩なゲストによる講演。
● 世界で活躍する音楽家たちが若手演奏家を指導する人気のプログラム、マスタークラスも。

SUPER BRASS STARS meets New Japan Philharmonic

中川英二郎 × 本田雅人 × エリック・ミヤシロ – BLUOOM X SEP 2020 | Joe Zawinul: Birdland

神野秀雄

神野秀雄 Hideo Kanno 福島県出身。東京大学理学系研究科生物化学専攻修士課程修了。保原中学校吹奏楽部でサックスを始め、福島高校ジャズ研から東京大学ジャズ研へ。『キース・ジャレット/マイ・ソング』を中学で聴いて以来のECMファン。Facebookグループ「ECM Fan Group in Japan - Jazz, Classic & Beyond」を主催。ECMファンの情報交換に活用していただければ幸いだ。

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