JazzTokyo

Jazz and Far Beyond

閲覧回数 35,050 回

及川公生の聴きどころチェックNo. 245

#455 『Stefan Aeby Trio / The London Concert』

text by Kimio Oikawa 及川公生

Intakt CD 315

Stefan Aeby (piano)
André Pousaz (bass)
Michi Stulz (drums)

1 shi 7 : 54
2 knabautsch 6 : 56
3 the wheel 10 : 03
4 dalston 7 : 31
5 iuk 6 : 15
6 song for a. 4 : 10
7 to the light 10 : 26
total time: 53 : 15

All compositions by Stefan Aeby, except “the wheel” by André Pousaz.
Recorded by Ali Ward, live at Vortex Jazz Club London, April 24, 2017
Mixed by Andy Neresheimer for Radio SRF 2 and Intakt Records.
Mastered by André Pousaz at Pousaz Sound Lab. June 2018
Cover photo: le_steffou.
Graphic design: Jonas Schoder.
Liner notes: Kevin Le Gendre.
Photos: Dawid Laskowski.
Executive producer: Anja Illmaier.


ピアノの録音が秀逸で、圧倒される。ベースがこれに対応して、低音の深みがずっしり伝わる。ドラムのシンバルのエッジの硬さが、たまらない魅力。音像の表を濃厚に表し、べったり張り付いている。曲が変化するとベースの雑音がリアルな表現となって、これが聴きどころとなる。

ピアノに不思議なエフェクトが重畳されて不思議な音場が構成される。リバーブが主体だが、サウンドはシンセだ。

曲が変わって、ベースのアルコが主体となり、弦が表にリアルにべったり張り付く構成は録音テクニックとして注目したい。良質な録音が、目の前に張り付いた音源の拡大鏡となって、気分が高揚する。ライヴ録音である。

及川公生

及川公生 Kimio Oikawa 1936年福岡県生まれ。FM東海(現 東京FM)技術部を経て独立。大阪万国博・鉄鋼館の音響技術や世界歌謡祭、ねむ・ジャズ・イン等のSRを担当。1976年以降ジャズ録音に専念し現在に至る。2003年度日本音響家協会賞受賞。東京芸術大学、洗足学園音楽大学非常勤講師を経て、現在、音響芸術専門学校非常勤講師。AES会員。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください