#905 大野三平トリビュート・コンサート
text & photo : 竹之内和久
2016年7月24日(日)
高清水・仙人蔵
(秋田酒類製造株式会社・秋田県秋田市川元むつみ町4番12号 電話:018-864-7331)
早川泰子 (p)
石橋敬一 (b)
村上 寛 (ds)
「孤高のバップ・ピアニスト大野三平」の思い出の写真をFacebookに載せたことで、思いもかけないストーリーが展開!
秋田で活躍するピアニスト・早川泰子は若い頃大野三平に師事し、そのスタイル・ジャズ、スピリッツの継承者として自他ともに認める存在だ。
2014年、大野の15周忌の区切りということで、早川が思い出のライヴの模様をFacebookに載せたところ、かつてのメンバーだった石橋敬一、大野の同級生などが次々にその写真にコメントを寄せ、関係者の尽力で、大野を追悼するライヴが2015年5月に伊豆高原のペンションで開かれるまでになった。
そしてその一年後に、早川のホームグラウンドである秋田で「大野三平・トリビュート・コンサート」が企画・開催されたのだ。メンバーはピアノの早川泰子に加え、かつての大野トリオのメンバーだった石橋敬一(b)、村上寛(ds)。
会場は秋田の地酒メーカー「高清水」の醸造蔵を改装したイベントホール、会場一杯の約100名のオーディエンスが集った。早川・石橋・村上の組み合わせでの演奏は今回で2度目だが、まるで何年もトリオを組んでいるかのような息の合ったプレイだった。
セットリストは、大野のオリジナルや生前良く演奏していたナンバーを中心に構成され、終始ホットでエキサイティングな展開となった。
早川のプレイは今回は特に大野を意識したバップ・スタイルを守りつつ、アドリブでの遊びも加え、ベース、ドラムとのコンビネーションを重視した演奏を展開、また、村上は定評のあるステディなサポートとメリハリの効いたソロで聴衆を楽しませてくれた。そして最近演奏活動を再開したということだったが、石橋のプレイはやはり目を見張る素晴らしさだった。
私は、あまりプロのプレイを評価できるような立場ではないが、今回の演奏は本当に素晴らしかった。
今後、このトリオでの演奏の機会をどんどん増やして欲しい。
setlist
1st
1 Chase
2 冬の終わりに
3 I’m beggining to see the light
4 That’s All
5 Last Chance
6 All Blues (bass solo)
7 We are all together
2nd
1 Hard to find
2 MIKI
3 Golden earrring
4 翳
5 Give me a simple life
6 黒いオルフェ〜カーニバルの朝
アンコール
Menina moca
竹ノ内和久(たけのうち かずひさ)
早稲田大学第一文学部卒。学生時代に複数のジャズ喫茶のバイトを経験。出版社勤務の後、秋田に帰郷。タウン誌発行会社などの勤務の後、現在、有限会社スタジオウェブ代表取締役。ウェブ制作とフリーペーパー発行の仕事をしつつ、地元で不定期でジャズライヴを自主的に企画開催中。
村上寛、大野三平、早川泰子、石橋敬一、高清水・仙人蔵