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及川公生の聴きどころチェックNo. 246

#461 『Christian Bucher & Rick Countryman / Extremely Live In Manila』 

text by Kimio Oikawa 及川公生

ChapChap Records CPCD-014 ¥2500(税込)

Rick Countryman (alto saxophone)
Christian Bucher (drums)
Simon Tan (acoustic bass)
Isla Antinero (trombone)

1. Dynamic Range Of Expression 16:24
2. Child Of The Unknown 13:35
3. Dynamic Range Of Expression (For Quartet) 13:45
4. Out Take 0:40

Recorded by Peter Bucher live in Quezon City, Philippines, on July 12th & 13th, 2018


音像をセンターに集中。モノではないが、どの楽器もセンターに集めてある。意図はわからないが、聴くことに問題は生じない。つまり各楽器の集中によるエネルギーの放射が、ズバッと耳に入る。ドラムのエネルギーとアルトのエネルギーがセンターから迫る。ベースがアコースティックを意識させる音量バランスで、ここで空間の感触を聴く。トロンボーンが少し空間らしき音像を表す。どのトラックもドラムの音色はエッジの切れに集中されて、意図的な録音技であると解釈した。どの楽器もリアルさの再現に徹した音質と音圧である事が重要だったのでは。

及川公生

及川公生 Kimio Oikawa 1936年福岡県生まれ。FM東海(現 東京FM)技術部を経て独立。大阪万国博・鉄鋼館の音響技術や世界歌謡祭、ねむ・ジャズ・イン等のSRを担当。1976年以降ジャズ録音に専念し現在に至る。2003年度日本音響家協会賞受賞。東京芸術大学、洗足学園音楽大学非常勤講師を経て、現在、音響芸術専門学校非常勤講師。AES会員。

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