Jazz and Far Beyond
これほど心の景色とその色彩を濃厚に留めた音を、私は知らない。
この追悼コンサートの出演者の幅広さをみれば、悠さんがジャンルやスタイルを遥かに超えて(Far Beyond)、汲めども尽きぬ豊饒の音楽を聴き、語り、愛してきたことがよくわかる。
それでは、常見登志夫さん撮影の写真で構成されたスライド・ショーで追悼コンサートを振り返っていただこう。
佐々木梨子との出会い2023年最大の衝撃だった。女子高生なのにではなく、抜群のテクニックとタイム感を身に付け、明確に自分の音楽を創り出す。中村海斗は作曲家とドラマーとしての才能を遺憾なく発揮し、同世代の仲間を巻き込み進化していく。
まあそれにしても60周年、OB・OGだけでも700名強、じつに多士済々な面子が集まっているものである。
こちら聴き人の臓腑を射抜きつつその細胞レヴェルまでをも騒つかせた驚愕の音場に大満足した宵であった。
熱海未来音楽祭はこのライヴから始まった。ちょうどハマスのテロに端を発したイスラエルとハマスの戦争が始まって間もない頃だっただけに、『復讐から愛への肌触り』というテーマがグサリと心に刺さった。