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My Pick 2023このパフォーマンス2023(国内編)My Pick...No. 309

#03 「悠々自適」悠雅彦さん追悼コンサート

text by Kenny Inaoka 稲岡邦彌
photo by Toshio Tsunemi 常見登志夫

2023年11月25日(土)14:00~ 渋谷・公園通りクラシックス
主催:web-journal JazzTokyo since 2004

1部
1. Cannonball Explosion Ensemble (砲弾爆発合奏団)
:山澤輝人 (tenor saxophone, flute) 剛田武 (violin, flute) ルイス稲毛 (electric-bass)
2. 藤本昭子 (地歌)
3. 矢沢朋子 (piano)

2部
1. 仲野麻紀 (alto saxophone, metal clarinet)
2. ギラ・ジルカ (vocal) 深井克則 (piano)
3. 田村夏樹 (trumpet) 藤井郷子 (piano) 福本佳仁 (trumpet)八木美知依 (electric 21絃箏)

アンコール:加藤アオイ (piano & vocal)
司会:稲岡邦彌 (JazzTokyo)


本誌を立ち上げ19年間の長きにわたって主幹を務めた悠雅彦さんが創刊20周年を目前にして召された。あれほど現場を愛した彼が通い慣れたホールやクラブに辿り着けなくなった。晩年、何度か待ち合わせの場所に現れなかった。電話をすると自宅に居た。軽度アルツハイマー症と診断されたが、とくに時間と地理の記憶に障害が出た。妹さんの計らいで施設に入所した。自宅から最寄りの駅まで約25分、往復徒歩の健脚が封じられた。肉体の衰えは早かった。好きだった音楽もラジオも拒否、日がな窓越しに外の風景を眺めていたという。
そんな悠さんに何かにつけ励ましを受けてきたミュージシャンが集まった。本誌を代表するミュージシャンもいた。年末の繁忙期を避け、急いで企画したため仕事の都合で参加を諦めたミュージシャンが何人もいた。そんな中、矢沢朋子は沖縄から駆け付け、田村夏樹と藤井郷子は欧州遠征からの帰国翌日、帰国ツアー中の仲野麻紀はオフを返上。
完全ワン・オペのクラシックス店主 横田太郎さんは、ホール、ステージの設営からPA、照明とひとりで八面六臂の活躍。さすがにレジ(受付)は JazzTokyoの横井一江副編集長と竹村洋子コントリビュータが担当した。開場時間が20分ほど遅れ、寒空に長蛇の列のお客さんからはクレームも出たようだが、お詫びするしかない。
一般社団法人日本ジャズ音楽協会と株式会社ミュージックバードからは立派な生花が届き、終演後ブーケにしてお客さんに持ち帰っていただいた。
なお、上記の出演者に加え、悠さんと大学の同窓同期の音楽ジャーナリスト竹村淳さん、悠さんと仕事の場を共有する機会の多かったラジオ番組ディレクターの田中美登里さん、高校時代からの悠さんのファンだったという音楽プロデューサー マーク・ラパポートさんにそれぞれ思い出を語っていただいた。
司会は事情をよく知るという理由で不肖・稲岡が担当することになった。名司会者でもあった故人の追悼コンサートの司会はとても荷が重かったが次善の策はなかった。
それでは、常見登志夫さん撮影の写真で構成されたスライド・ショーで追悼コンサートの模様を振り返っていただこう。

一部

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二部~アンコール

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稲岡邦彌

稲岡邦彌 Kenny Inaoka 兵庫県伊丹市生まれ。1967年早大政経卒。2004年創刊以来Jazz Tokyo編集長。音楽プロデューサーとして「Nadja 21」レーベル主宰。著書に『新版 ECMの真実』(カンパニー社)、編著に『増補改訂版 ECM catalog』(東京キララ社)『及川公生のサウンド・レシピ』(ユニコム)、共著に『ジャズCDの名盤』(文春新書)。2021年度「日本ジャズ音楽協会」会長賞受賞。

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