Jazz and Far Beyond
2017年11月15日、小曽根真がオスロを訪れ、市内の「Cosmopolite」でノルウェーのベーシスト アリルド・アンデルセンのトリオと共演したが、2018年3月29日〜4月1日にブルーノート東京などでも共演することになった。
バークリー音大留学中だったトランペッターの曽根麻央が、去る4月15日アムステルダム・コンサーバトリーで開かれたKeep an Eye International Jazz Awardsで優勝した。
オープンから50年、日本の“ジャズの聖地”として新宿から世界に向け日本のジャズを発信し続ける「ピットイン」の50年を記念して刊行されたドキュメント。渡辺貞夫、日野皓正、山下洋輔、坂田明、渡辺香津美、大友良英、菊地成孔ら日本のトップ・ジャズ・ミュージシャンが語り尽くす。
NYのジャズ・シーンで大きな潮流となりつつあるイスラエル系ミュージシャンのひとりトランペッターのアヴィシャイ・コーエン(同姓同名のベーシストとは別人)の新作『イントゥー・ザ・サイレンス』(ECM)がユニバーサルから国内発売された。共演は、ヨナタン・アヴィシャイ(p)、エリック・レヴィス(b)、ナシート・ウェイツ(ds)。
札幌のジャズ・クラブ「スローボート」のオーナーでもあったジャズ・ピアニスト福居良が3月15日悪性リンパ腫のため死去。享年68。福居はアコーディオンからピアノに転身、独学でジャズを学び、札幌で活躍していたが一時東京で腕を磨いた後、札幌に腰を落ち着け、北海道のジャズの発展に 尽くした。
現代音楽のスペシャリスト矢沢朋子がソロ・アルバムをリリース。収録曲は、『博士と彼女のセオリー』でゴールデングローブ賞作曲賞を受賞、今年公開される『ボーダーライン』でもアカデミー賞にノミネートされたヨハン・ヨハンソンが、矢沢のために書き下ろしたピアノとエレクトロニクスのための《Untitled》、矢沢一人でピアノを多重録音したレディオヘッドの《Kid A》、現代音楽の金字塔リゲティとノーノからミニマルミュージック、平石博一、チック・コリアまで。
マルチフォニックスと循環呼吸を融合させた奏法で、サキソフォン演奏に革新をもたらし、また近年はエレクトロ・アコースティック・アンサンブルにも取り組んでいるエヴァン・パーカーが再び来日。日本各地でソロおよびゲストを迎えて公演を行う。
2010年に、日本を代表する詩人白石かずこと、日独で高い評価を得ているベルリン在住の作家・詩人の多和田葉子の詩に高瀬アキが作曲、共演したCD『まっかなおひるね/』(Videoarts Music)をリリースした伊藤君子。久々の高瀬アキを迎え、CD収録曲を中心に交えたプログラムで歌う。
昨年6月、初共演を果たした高瀬アキと佐藤允彦。前回はピアノとチェンバロ、ピアノとキーボードという組み合わせだったが、今回は2台ピアノによるデュオが実現。ベルリンを拠点に世界的に活躍する高瀬と日本を代表するピアニストで国際的な評価も高い佐藤、それぞれ即興演奏を身上とする演奏家だけに、どのような展開となるかは当日のお楽しみ!
NYを中心に活躍するジャズ・ピアニスト、クニ三上が単身帰国、約1ヶ月半にわたって「春のツアー2016」を挙行。各地で「0才からのジャズコンサート」も予定している。
予定されていたエグベルト・ジスモンチとナナ・ヴァスコンセロスのデュオ・コンサートは、3月9日のナナの急逝により、ジスモンチによるナナ追悼コンサートとなった。
世界で最も影響力のあるDJ ジャイルス・ピーターソンがプロデュースする“大人のための音楽フェス”「Gilles Peterson presents WORLDWIDE SESSION 2016」が5月4日、新木場スタジオコーストで開催される。
ECMからの3枚のアルバム・リリース(2001『April』、2006『Compass』、2013『The Gift』)で評価を決定付けたスイスのヴォーカリスト、スザンヌ・アビュールがトリオにサウンド・エンジニアを帯同し来日、4回の公演を行う。
パット・メセニー・グループで活躍したベトナム出身のトランペッター、クオン・ヴーのノンサッチ移籍第1弾がゲストにパット・メセニーを迎えて5月11日リリースされる。ベーシストとして、NYで活躍する日本人ベーシスト武石務が参加。
グラミーを受賞した「パット・メセニー・ユニティ・バンド」の発展系といえる「パット・メセニー・ユニティ・グループ」によるNYでのスタジオ・ライヴがDVD化。
今回来日の新バンド(カルテット)のメンバーは、パットに加えて、2000年から共演を続けるドラマーであり、映画『バードマン』のサウンドトラックで本年度グラミー賞を獲得したアントニオ・サンチェス。マレーシアとオーストラリアの血を引く女流ベーシストのリンダ・オー。英国生まれのピアノ奏者グウィリム・シムコックというカルテット編成。
ベルリン在住のピアニスト・インプロヴァイザー・コンポーザーのアキム・カウフマン(Achim Kaufmann)が初来日、ベースの瀬尾高志、ピアニストの南山雅樹らと北海道と千葉、東京で公演をおこなう。
ECMの2月のリリースはジャズ系2作。ラルフ・アレッシ(tp)の2013年のECMデビュー作『Baida』に続く2作目『Ralph Alessi, Gary Versace, Drew Gress, Nasheet Waits / Quiver』(ECM2438)とラルフ・アレッシ(tp)の2013年のECMデビュー作『Baida』に続く2作目。レギュラーのリズム隊、ドゥリュー・グレス(b)とナシート・ウェイツ(ds)にサックスのゲイリー・ヴェルサーチを加えたピアノレスの2管カルテット編成。
イスラエルの女流ピアニスト、アナト・フォートのECM3作目『Anat Fort Trio, Gianluigi Trovesi / Birdwatching』。
NYを中心に全米のジャズ情報をカバーする専門誌『Jazz Inside Magazine』3月号(Volume:7 Issue:8)が刊行、カバー・ストーリーはピアニスト/コンポーザーの上原ひろみ。
米『Downbeat』誌 4月号刊行((Volume 82, Number 4) が刊行。カバー・ストーリーはマイルス・デイヴィスの伝記映画『Miles Ahead』でマイルスを演じた主演/監督のドン・チードル。
「5人目のビートルズ」と言われたビートルズのプロデューサーが死亡。享年90。マーティンは1962年ビートルズを見出し、音楽プロデューサーとしてビートルズのほぼ全作を制作、ビートルズのサウンド・プロデュースの重責を担った。
50年代に一斉を風靡したヴォーカル・トリオ「ランバート、ヘンドリックス&ロス」の男性ヴォーカリスト、ジョン・ヘンドリックスに第31回ビストロ・アウォードの ASCAPボブ・ハリントン永年功労賞が授与された。
ブラジルのパーカッショニスト、ナナ・ヴァスコンセロスが肺がんのため死亡。盟友のギタリスト/ピアニスト、ナナ・ヴァスコンセロスと4月に中国と日本で公演を予定、ECMでライヴ・レコーディングが予定されていた中での逝去。
ECMから3月新譜第1回発売としてジャズ系アルバム2作がリリースされた。1作は、早くもECM4作目となるヴィジェイ・アイヤー(p)とワダダ・レオ・スミス(tp)による『a cosmic rhythm with each stroke』(ECM2486)とハンガリアのギタリスト、フェレンチ・スネトバーガーのECMデビュー『In Concert』(ECM2458)。
ECMの3月新譜第2回発売として、ジャズ系1作、ニューシリーズ2作がリリースされた。ニック・ベルチュのMOBILEのECMデビュー作『continuum』(ECM2464)、トーマス・ツェートマイア+パリ室内管弦楽団によるロベルト・シューマン作品集(ECM2396)、タリン室内オーケストラ、エストニア交響室内楽団とアニャ・レヒナー(cello)によるエストニアの作曲家トヌ・コルヴィッツのECMデビュー作『Mirror』(ECM2327)。
オランダ・アムステルダムのホテルから墜死した悲劇のトランペッター/ヴォーカリスト、チェット・ベイカー(1929〜1988)の伝記映画『ボーン・トゥ・ビー・ブルー』(IFC Folms) が3月25日公開される。
ドイツ南西部のスイスとフランスとの国境に接する都市フライブルグで3日間にわたり ECM フェスティバルが開催される。出演は、スイスのニック・ベルチュアのユニットMOBILE、ポーランドのマルチン・ヴァシレフスキー・トリオ、イタリアのデュオ・ガッザーナ、フランシス・クチュリエ&アニャ・レヒナー他。
UNESCOが中心となり7大陸の190カ国が参加して全世界的に行われるInternational Jazz Day (4月30日)は今年で5周年を迎えるが、今年のグローバル・ホスト・シティはアメリカの首都ワシントンDCが務める。コンセプトはジャズを通して世界中の人々が理解しあって手をつなごうという友好の輪。
5月に中国・上海で3日間にわたってECMフェスティバルが予定されている。出演は、6日は、チョン・ミョンフンの指揮で上海シンフォニー・オーケストラがアルヴォ・ペルトとブラームスを演奏、8日はスイスのスザンヌ・アビュール・グループが出演予定。プレ・イベントとして4月16日にエグベルト・ジスモンチのソロ・コンサートが予定されている。
5月13日から16日にかけて開催されるメールス・フェスティヴァルのプログラムが発表された。プログラムは、映画音楽分野でも注目される作曲家ヨハン・ヨハンソンの初監督作品『End of Summer』を上映しながらライヴで演奏、またハリエット・タブマン・トリオとカサンドラ・ウィルソンによるプロジェクト”Black Sun”、ベッカ・スティーブンス&ジェイコブ・コリアーなど現在注目されるミュージシャンの他、若手が多く出演。本会場でのコンサートの他、朝と夜にはセッションも行われる。
去る1月3日逝去したピアニストのポール・ブレイのメモリアルが遺族3人(Kヤロル・ゴス、アンジェリカ・パーマー、ヴァネッサ・ブレイ)のより発表された。メモリアルの場所はポールのNYの拠点であったチェリー・ヴァレーのスター・シアターにて3時から。詳細は未定。
キム・パーカー はジャズシンガー。サックス奏者チャーリー・パーカーの義娘。
今回のインタビューは、昨年2015年8月27日にミズーリ州カンザス・シティの郊外、カンザス州オレイサで行った。
The Stoneにおいて、1月の最終週、クレイグ・テイボーンが6夜の演奏を行った。待望のレジデンシーである。テイボーンが、90年代半ばの登場以来もっとも才能があり革新的なピアニストだということは、多くが認めるところだ。ここでも、魅惑的な幅広いパフォーマンスをみせた。
ダン・ワイスという人は、ここ十数年程の間、いわゆるブルックリン・シーンを引っ張ってきたドラマーだ。そして特筆すべきは、彼がタブラという楽器を通してインドの古典音楽を研究し、その複雑なリズムを時にドラムでの演奏に取り入れて彼独自のビートを作り出してきたということだ。
この2ヶ月ほどの間に聴いた出色のジャズ・ヴォーカル公演を久しぶりに取り上げてみよう
ウィリアム・パーカー、ケン・フィリアノらとともに、現在のニューヨークのダウンタウン・ジャズ・シーンを代表するベーシストのひとり。
今年12年目を迎えた「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」のテーマは「la nature」。同テーマで先行した本家「ラ・フォル・ジュルネ・ド・ナント」を初めて訪れ、東京との比較と展望を試みた。
2016年1月にマーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテットで来日直後のシャイ・マエストロ・トリオは、ニュースクール大学の“5階ホール”で演奏した。ウインター・ジャズフェストでも、自己のトリオの他、マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット、ECMでのセオ・ブレックマン・エレジーなどに出演。
年明けのニューヨーク、グリニッチ・ヴィレッジ界隈で開催されるジャズ・フェスティバル「ウインター・ジャズフェスト」、12回目となる2016年は金土曜日の2晩を中心に、計5日間、10会場で120グループ以上、600以上のミュージシャンが参加して開催された。
一握りの演奏家しかもち得ない生有の俊敏さ、風のように自然に湧きでる斬新な感性に魅了されるとともに、音楽が社会において重要な位置を占め続けてきた都市の、まぎれもない進化形をそこに嗅ぎとらずにはおれない
その場に居合わせたすべての者の狭間(in between zones)に介在する、見えざるカオスや混沌を顕にしようとする彼らの試みは、破綻やほころびも呑み込みつつ、一つの確かな形象として実現されていたように感じられた
自らのルーツを全身全霊で叩きつけてきた渾身のパフォーマンスだった。 閉じた「即興のための即興」ではなく、様々な音楽を前提にした汎性を問われる現代即興として、間違いなく一流。
日本ジャズ・シーンの裏街道を暴走するドラマーが奏でるリアルジャズ
イリアーヌの音楽が常に発散している洗練されながらわくわくする感覚、そしてブラジル音楽の持つ歓びが結びつき、最大限に発揮された素晴らしい音楽のひととき
日本のトップ・ジャズ・ベーシストのひとり、鈴木良雄が語り下ろしたジャズ名盤55選
感服する高いクオリティーの音質とサウンドの狙いどころ
スティールパン奏者の町田良夫とコントラバス奏者の千葉広樹が、ポルトガルを拠点に活動する打楽器奏者のジョルジュ・ケイジョを迎えて、2014年と翌2015年に都内のジャズ・バーで行ったセッションを収録したアルバム
繊細なタッチを持つリリカルなスタンダード・ソング・プレイヤーという印象が強かったリニー・ロスネスが、コンセプチャルなオリジナル組曲“Galapagos Suite”に挑んでいる
歌の魅力と Daniela Schächterのアレンジ能力、高度なピアノ表現を堪能できる一枚
ドイツの若手トランペット奏者マティアス・リンデルマイヤーのリーダー・アルバム
板橋文夫の書く曲にはストーリー性があり、曲ごとにそれぞれの物語が浮かび上がり、そしてそれらが集まって「FIT!+special guest」の短編集が出来上がった
キューバ出身で、様々なフォーマットの自己のグループや、ウォレス・ルーニー(tp)のグループで活躍するアルアン・オルティスが、満を持してリリースしたトリオ作品
即興というものはたしかに神出鬼没の面白さに依るものがおおいが、気心しれた年季がうみだすオープンな音の磁場には、マンネリズムとは対極にある如才なき自由がある。
ウラジーミル・タラーソフのLPレコードと本の話題
【追悼】
即興音楽シーンで活躍していたウォルフガング・フックスが、2月3日心臓発作で亡くなった。ウォルフガング・フックスはコントラバス・クラリネット、バスクラリネット、ソプラニーノ・サックスを吹く管楽器奏者で、1970年代半ばベルリンに移住してから、スヴェン・オキ・ヨハンソン、ポール・リットン、フィル・ヴァックスマン、ラドゥ・から即興音楽シーンで活躍する他、芸術分野との様々なマルチメディア・プロジェクトにも参加。2001年からはFMP主催のトータル・ミュージック・ミーティング(TMM)の音楽監督も務めた。
ロシア屈指のドラマー、ウラジーミル・タラーソフの自伝『トリオ』(鈴木正美訳、法政大学出版局)が出た。タイトルが示すようにヴャチェスラフ・ガネーリン(p)、ウラジーミル・チェカーシン(sax)と出会い、ガネーリン・トリオ(GTChトリオ)の結成から解散に至るまでを回顧している。随分と音楽家の自伝や伝記を読んだが、この本はそれまで読んだものとは全く違う。音楽家や彼らを取り巻く人々だけではなく、KGBや国外に行ったときに同行する「外套」と呼ばれる監視要員も登場、まるでロシアを舞台としたサスペンス小説のような世界だった。