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特集『ECM: 私の1枚』

藤澤輝忠『Keith Jarrett, Charlie Haden / Jasmin』
『キース・シャレット,チャーリー・ヘイデン/ジャスミン』

ジャスミンのにおい

「ジャスミン」キース・ジャレット(ピアノ)とチャーリー・ヘイデン(ベース)のデュエット。
一番好きで、たくさん聴いている一枚。
むかし、ジュジュ化粧品の研究所にいた頃、調香師さんから差し出された試験紙に染み込ませた香料を嗅いだ。
これが私にとってジャズミンの正当な香りのはじまり。衝撃的ないい香り、いい匂い。それまで、子供の頃から嗅いでいた安手の石鹸やトイレの匂い消しは化学合成のジャスミンの匂いだった。
「ジャスミン」を初めて聴いたとき、それを思い出した。
ジャケットがいい。
ジャスミンの白い花のように白地に音楽する黒のドローイング。ずっと奏でている。
キース・ジャレットもいいが、とくにチャーリー・ヘイデンの音がなんて素敵だろう。
「ジャスミン」を聴きながらジャスミン茶を飲む。
おお幸福な瞬間の連続。


ECM 2165

Keith Jarrett (Piano)
Charlie Haden (Double-Bass)

1 For All We Know (Samuel M. Lewis, J. Fred Coots) 09:45
2 Where Can I Go Without You (Peggy Lee, Victor Young) 09:20
3 No Moon At All (Redd Evans, David A. Mann) 04:40
4 One Day I’ll Fly Away (Will Jennings, Joe Sample) 04:15
5Intro / I’m Gonna Laugh You Right Out Of My Life (Keith Jarrett, Joseph McCarthy, Cy Coleman) 12:09
6 Body And Soul (Edward Heyman, Frank Eyton, Robert Sour, Johnny Green)11:09
7 Goodbye (Gordon Jenkins) 08:01
8 Don’t Ever Leave Me (Oscar Hammerstein II, Jerome Kern) 03:11

Recorded March 2007, Cavelight Studio, Oxford, NJ
Produced by Keith Jarrett


藤澤輝忠 ふじさわ・てるただ
東京生まれ。塗芸家。
一般社団法人 ふるさと未来研究所理事。「モダンアートフェスティバル」主催。
神田・神保町タウン誌「本の街」にエッセイ「はらへらしのうた」を連載中。

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